1. トップ
  2. 恋愛
  3. 連休だったのに休んだ気がしない…「回復する休暇の過ごし方」

連休だったのに休んだ気がしない…「回復する休暇の過ごし方」

  • 2025.12.23
Credit:canva

大型連休では、多くの人が仕事から離れて十分に休息することを楽しみにしています。

ところが、連休が終わった後に「なぜか休んだ気がしない」「むしろ疲れが残っている」と感じた経験がある人も少なくないのではないでしょうか。

アメリカのウースター工科大学(WPI)の心理学者ステイシー・ショー氏は、既存研究を踏まえながら、疲れる休暇の過ごし方と回復する休暇の過ごし方を解説しています。

ショー氏は、連休であまり休んだ気がしないのは、過ごし方だけでなく考え方にも原因があると指摘しています。

目次

  • なぜ連休だったのに回復できないのか
  • 「回復する休暇の過ごし方」とは?

なぜ連休だったのに回復できないのか

私たちは一般に、「休息=睡眠」あるいは「休息=何もしない時間」だと考えがちです。

確かに休息には睡眠や活動を控える時間も重要ですが、心理学ではそれだけでは十分とは言えないとされています。

しかし、活動している時間の中にも心を回復させる効果は存在しています。

休息とは必ずしも横になって過ごすことではなく、身体や注意をある程度使う活動も含まれるのです。

問題は、大型連休がこのような回復効果を得にくい状況になりやすい点です。

連休では、出費の増加による金銭的な不安、混雑によるストレス、長距離移動による疲労、普段と異なる生活リズム、さらには家族関係の緊張などが重なりやすくなります。

仕事が休みであっても、心理的な負荷そのものはあまり減っていない場合が多いのです。

そのため最近では、連休中にあえて出かけないという人も増えていますが、そうした人たちが選びやすいのが、テレビ視聴やスマートフォンの長時間利用です。

実際、2000年代初頭に行われた調査では、テレビ視聴は最も一般的な余暇活動である一方、満足度は最も低い活動として評価されていました。

特に、1日に4時間以上テレビを見る人ほど、「あまり楽しくなかった」と感じる傾向が強まることが報告されています。

最近はテレビを見るという人は少ないかもしれませんが、スマホの利用もこれと同じだと考えられます。

ショー氏らが行った学生を対象とした調査でも、疲れた一日の終わりには、学生たちはスマホをスクロールするなどの「考えなくて済む行動」に流れがちである一方、それが回復感につながりにくいことが示されています。

ここから分かるのは、あまり活動せずに過ごしたからといって、心が回復するわけではないという点です。

では、どのような休息が心の回復につながりやすいのでしょうか。

「回復する休暇の過ごし方」とは?

多くの研究により、休息の効果は「その時間でどれだけ満足できたか」に大きく左右されると分かっています。

そして、満足感をもたらしやすい活動には、いくつかの共通点があります。

例えば、自然の中を歩くことは、悲しみや反すう思考と関連する脳活動が弱まる傾向と結びついていることが研究で示されています。

また、不安やストレスが軽減されやすいことも報告されています。

さらに2011年の研究では、音楽演奏や書道など、意識を向ける対象がはっきりしている行動も、ストレスホルモンであるコルチゾールが低下しやすいことが知られています。

こうした活動は、うつ症状を和らげるための支援やプログラムにも活用されてきました。

そのため、こうした活動をあらかじめ予定として組み込むことも有効だと言われます。どうしても計画がないと、ダラダラとスマホを眺めて過ごしてしまいがちです。

計画することで心が回復しやすい活動を実行しやすくなり、その結果として心身の状態が改善しやすくなるのです。

そして、この他に連休中の大きな障害となるのが、最近よく聞く「タイパ(タイムパフォーマンス)を重視しすぎる価値観」です。

心理学ではこのような心理を「Leisure Guilt(余暇の罪悪感)」と呼んでおり、休んでいる間に「何か生産的なことをすべきではないか」と感じてしまう状態を指します。

この感情が強いと、休息そのものを楽しめず、回復の効果が弱まってしまいます。

ショー氏は、この問題への現実的な対処として、まず「すべてを完璧にこなそうとしない」ことが重要だと述べています。

せっかくの連休なんだから、すべての時間を有効に使いたい、旅行に来たんだから名所は全部回りたい、ジムにも行って家も隅々まで掃除したい。

そのように予定を限界まで詰め込んで、全部完璧にこなそう、休みの時間を有効に活用しようと考えすぎないことが重要です。

また、休息の時間には、注意が自然と引きつけられ、ほかのことを考えにくくなるような没入感のある活動を選ぶことが勧められています。

散歩やテレビゲーム、創作活動など、意識が目の前の行動に向きやすい活動は、スマホやテレビなどでだらだらと過ごす時間よりも回復感を得やすいと考えられます。

また休暇の過ごし方に罪悪感が湧いてきても、無理に否定しようとしないことも大事だといいます。まあそうかもねえ、くらいの楽な構え方をして、心の負担を軽くするようにしましょう。

このように、連休中に本当に休むためには、「何もしない時間」を増やすことよりも、心が回復する行動を選ぶことが大切です。

せっかくの連休だからと気を張りすぎず、だからといってあまりダラダラし過ぎず、少しだけ休み方を工夫し、心と身体をきちんと回復させる時間を過ごしてみましょう。

参考文献

Rest is essential during the holidays, but it may mean getting active, not crashing on the couch
https://theconversation.com/rest-is-essential-during-the-holidays-but-it-may-mean-getting-active-not-crashing-on-the-couch-270396

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

元記事で読む
の記事をもっとみる