1. トップ
  2. おでかけ
  3. 「BEAMS CULTUART TAKANAWA」。東京の新しい街で、カルチャーを“ディグ”る時間|11:00@高輪ゲートウェイシティ

「BEAMS CULTUART TAKANAWA」。東京の新しい街で、カルチャーを“ディグ”る時間|11:00@高輪ゲートウェイシティ

  • 2025.12.22

東京に生まれた新しい街・高輪ゲートウェイシティに、唯一無二のカルチャースポットが現れた。日本を代表するセレクトショップが感じる“面白い今”を揃えた「ビームス カルチャート 高輪」だ。

午前11時、高輪ゲートウェイシティ。
正午を目前に陽光は随分高くなってきたが、ランチにはまだ少し早い午前中のスキマ時間。DJブースから流れる音を聴きながら中古レコードやモダンアートをディグり、雑誌やヴィンテージブックを読み耽ることができるカルチャーの交差点が、あらゆる世代の未知の知を刺激する。

ビームスが今、カルチャーを発信するワケ

新しい服を探しにビームスに向かう、いまだ見ぬ自分の姿に心弾ませて。その感覚の延長線上で、日常を楽しくする何かとの出会いを提供する「ビームス カルチャート 高輪」には、良い意味で予想を裏切る非日常的発見がある。

それにしてもなぜ、ビームスはここ高輪ゲートウェイシティで新しい試みをスタートさせたのだろう。

ショップのコンセプトは、“カルチャーへのエントリースペース”。できたばかりの高輪ゲートウェイシティの中でも異色な、ビームスにとっても新たな挑戦の場所だという。

創業時からライフスタイルを提案するビームスのDNAには、ファッションだけじゃなく音楽やアートなど多くのカルチャーが混ざり合っている。

これまでも「ビームス レコーズ」や「bPrビームス」をはじめ、カルチャーやコンテンツ系レーベルを立ち上げているビームス。その総本山的なお店となるビームス カルチャート 高輪は、ともすると敷居が高く見られがちなカルチャーやアートを、等身大のリアルな目線で素直に提案する。

大人や若者といった年齢層で入り口を狭めることなく、訪れる人の趣味嗜好の深度を意識した商品やイベントを展開。

現代アート、グラフィックデザイン、音楽、飲食など、豊かな毎日のための大切なパーツ、カルチャーの一部分としてファッションを捉えるビームスならではのアイデアに、期待は高まるばかりだ。

高輪に生まれた新しい場所、新しい価値

ビームス カルチャート 高輪 サブショップマネージャー 小澤 梓さんHarumari Inc.

「オープン当初はジャンルごとに区分けして商品を並べていましたが、お客様の動向を見ながら試行錯誤を重ね、今はある程度の相関性を意識しながら、あえて“ごちゃ混ぜ”。ちょっとカオスな雰囲気の方が、お客様にも新しい気付きを楽しんでいただけるかと思うんです」とサブショップマネージャーの小澤 梓さんが話してくれた通り、すっきりとした店内を賑やかなアイテムが埋め尽くす。

まず目に入るのが、エントランスをくぐってすぐのレコードボックス。そこには懐かしのヴァイナル盤……ではなく、国内外のイラストレーターやアート作家が手掛けた作品が、まるでレコードのように陳列されている。

“ART Digging”Harumari Inc.

「イラストだったり、プリントや切り絵だったり。一点ごとに異なるアート作品を、まるでレコードをディグるように気軽に探して楽しんでください」と小澤さん。

クリエイターを起点に多彩な取り組みを行う「ロッテンドーナツ」の主要プロジェクト“ART Digging”は、直感でアートを選ぶ“ジャケ買い”の新しい形。その東京エリア初となる常設場所が、ニューショップのひとつの目玉となっている。

ポリゴンカップ 6050円(税込)〜Harumari Inc.

東京カルチャーの最旬系としては、一風変わったマグも必見だ。「ポリゴンカップ」と名付けられた作品は、品川区・大井町にある話題の陶芸教室「P&A pottery class」によるもの。

バーチャルろくろという特殊な機材を用いて生み出された未来的な造形と、温かみと優しさのある色合いの融合は唯一無二。小澤さんは「ギフトにもおすすめ!」と太鼓判を押す。

ほか、ビームス初となる中古レコードの販売、完全予約制の書店「ハイブリッジブックス」がキュレートするブックコーナーなど、見どころは盛りだくさん。

まるでカルチャーの遊園地へと潜り込んだような楽しさに、時間が経つのを忘れてしまいそう。友人と約束していたランチの時間を逃さないようにだけ、ご注意を。

現在進行形だから「予期せぬ出会い」がある

横尾忠則のアートブック、「ブラウン」の置き時計、水道管修理の広告デザインを模したような「ライムライト」のステッカー(ステッカーマニアの小澤さんイチ押し)などなど……。

見飽きないラインアップに後ろ髪をひかれつつ、店内のカウンターに移動。店内には、SNSで大バズり中の「ミルクティ サービス」が併設する。茶葉の香りに包まれるようなビームススペシャルブレンドのアイスミルクティを味わいながら、あらためて高輪ゲートウェイシティというエリアについて聞いてみた。

「ビームスといったら、やっぱり原宿や渋谷といったイメージが強いですもんね」と切り出した小澤さんは、こう続ける。

「もともと私は新宿にあるビームス ジャパンの店頭に立っていたのですが、それらの街と高輪の空気感は異なります。お客様の層も、身に着けている服も、いわゆる“若者の街”でよく見かけるそれとは少し違う。私にとってはこの場所自体がすごく新鮮で面白いんです」。

山手線にできた新しい駅に直結する、新たなランドマークと街。混沌としつつも成熟した東京カルチャーにあって、「現在進行形でカルチャーが創られ始めている場所の当事者となれることは本当に幸運」だとも語る。

東京は“自分”をつくる場所

また、小澤さんにとって、東京とは「自分を形成してくれた場所」だという。それは、生まれ育った場所という直接的な意味合いだけではない。有名無名を問わない表現者と触れ合う機会を創り、熱狂や精神的成長を促してくれたカルチャースポットとしての東京へのリスペクトを多分に含んでいる。

人や物事との出会いが“自分”をつくる。その意味において、一見わい雑な東京という街の多様性も、多くの出会いが待ち受ける可能性と捉えられるかもしれない。

最後に、小澤さんはこう呟いた。
「お店も街も、私たちスタッフの意識だって“発展中”の段階なのだと思います。そのライブ感も含めて、今ここにしかない何かを楽しみに、そして出会いを探しに来てほしいですね」。

ふと窓の外を見ると、すぐそばの真新しい駅舎に目が止まる。気持ち良さそうに吸い込まれ、吐き出されていく車両の動きが、「ビームス カルチャート 高輪」を訪れる人の流れとリンクする。

時計の針が正午を指す頃、自分の心の中でも、新しい何かが動き出す音がした。

ビームス カルチャート 高輪
住所:東京都港区高輪2-21-1 ニュウマン高輪 North 4F
電話:03-6721-6421
営業時間:11:00〜20:00
定休日:不定休
https://www.beams.co.jp/shop/bct/Harumari Inc.
元記事で読む
の記事をもっとみる