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窯元が守る古民家で美しい赤絵の器が彩るランチ&ティータイム。愛知・犬山「喫茶わん」

  • 2025.12.19

300年以上の歴史を持ち、今も犬山の人々に愛されている陶器、犬山焼。桜と紅葉を一緒に描く「雲錦手」と呼ばれる絵付や植物や文様を描いた赤絵など、華やかな絵付を受け継ぎながら、時代に合わせた陶器が作られてきました。今回訪ねたのは、そんな犬山焼の窯元が開いた喫茶店。ティーカップや銘々皿はもちろんインテリアに至るまで、さまざまな犬山焼に囲まれながらランチやティータイムを過ごすことができますよ。

窯元が守る古民家で美しい赤絵の器が彩るランチ&ティータイム。愛知・犬山「喫茶わん」
窯元が守る古民家で美しい赤絵の器が彩るランチ&ティータイム。愛知・犬山「喫茶わん」

代々続く窯元の古民家を喫茶店にリノベーション

窯元が守る古民家で美しい赤絵の器が彩るランチ&ティータイム。愛知・犬山「喫茶わん」
登録有形文化財になっている主屋を喫茶店にリノベーション

犬山城や茶室如庵など国宝を有する犬山は、昔ながらの姿を残す城下町散策が人気ですが、今回訪ねたのは、城下町からは少し離れた、犬山駅から徒歩15分ほどの場所にある喫茶店。代々犬山焼を作り続ける窯元「尾関作十郎陶房」に残る尾関家の主屋や蔵を修復し、人々が集える場所としてリノベーションしたお店です。

窯元が守る古民家で美しい赤絵の器が彩るランチ&ティータイム。愛知・犬山「喫茶わん」
ことりっぷ

季節問わず使えて華やか。犬山焼でいっぱいの店内

窯元が守る古民家で美しい赤絵の器が彩るランチ&ティータイム。愛知・犬山「喫茶わん」
手前が桜と赤紅葉、青紅葉を一緒に描いた、雲錦手の銘々皿

店内にはさまざまな犬山焼が展示されていますが、犬山焼の一番の特徴は鮮やかな赤絵。鳥や植物を文様のように描いた絵付の美しさで知られています。なかでも「雲錦手(うんきんで)」と呼ばれる桜と紅葉を一緒に描いた絵付は、季節問わず使えるようにと考えられたもので、これにより犬山焼が多くの人に親しまれる器になったのだそう。

100年前の作品も。好きなカップを選んでティータイム

窯元が守る古民家で美しい赤絵の器が彩るランチ&ティータイム。愛知・犬山「喫茶わん」
雲錦手の絵付けのバリエーションもさまざま。日々のティータイムを華やかにしてくれます

「喫茶わん」のカウンター席に座ると、目の前には犬山焼のティーカップがずらりと並ぶ棚があります。コーヒーや紅茶をオーダーすると、この中から好きなカップを選んでお茶をいただくことができます。現在窯元を守る7代目の作品のほか、先代、先々代が作ったカップもあり、時代や作り手によって絵柄や色、陶器の厚みや形が異なるので、本当に個性豊か。

窯元が守る古民家で美しい赤絵の器が彩るランチ&ティータイム。愛知・犬山「喫茶わん」
季節のケーキと和紅茶のセット。唐草赤絵カップ&ソーサーは先代の作品

カレーや薬草ごはんなど体に優しいごはんが楽しめる出張ランチ

窯元が守る古民家で美しい赤絵の器が彩るランチ&ティータイム。愛知・犬山「喫茶わん」
自然の力を大切におでんやおにぎりを作る「とこのこ食堂」さんのランチ

「喫茶わん」は窯元である尾関さん一家が営んでいるお店なので、陶器作りが本業。基本的にはランチなど食事の提供はしていませんが、尾関さんが喫茶を営むなかでご縁のあった人々とのつながりで、料理人の方にお店で出張ランチを作ってもらっています。

訪れた時は、愛知・一宮で自然料理を作る「とこのこ食堂」さんの出張ランチをいただくことができました。毎月1回、薬草を使った料理や発酵料理など、体に優しい食事を作っています。

犬山焼と地元の魅力に出会える場所に

窯元が守る古民家で美しい赤絵の器が彩るランチ&ティータイム。愛知・犬山「喫茶わん」
ことりっぷ

尾関家は約180年前に瓦造りから始まった窯元で、幕末に途絶えかけてしまった犬山焼を復興させようと陶磁器作りを始めた窯元。茶器や花器など昔から作られていもの以外にも、ティーカップ、アクセサリー、人形などさまざまな作品を作っていて、今では犬山市内の飲食店やホテルなどあちこちで見かけることができます。

そんな犬山らしさの象徴ともいうべき陶芸の窯元が、地元の人々に協力をいただきながら営む喫茶店「喫茶わん」。出張ランチのほかにも、コンサートやヨガレッスンなど、さまざまなイベントが行われていて、150年近い歴史ある窯元の建物が再び、さまざまな人が集まる場所となっていました。犬山城下町から少し足を延ばして、ぜひ訪ねてみてくださいね。

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