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「お宅の雑草が迷惑」と除草剤を勝手に撒く隣人。枯れたのが自家栽培の野菜だと知り、空気が一変【短編小説】

  • 2025.12.20
「お宅の雑草が迷惑」と除草剤を勝手に撒く隣人。枯れたのが自家栽培の野菜だと知り、空気が一変【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

「目障りだから」と身勝手な隣人

私は最近、自然に近い状態で育てる無農薬野菜作りにハマっていました。
あえて草むしりをしすぎず、ルッコラやハーブなどをのびのびと育てていたのですが、どうやらお隣さんにはそれが気に入らなかったようです。

顔を合わせるたびに「お宅の草、こっちまで飛んできそうで不快だわ」「見ていて暑苦しいのよ」と、私の敷地内のことにまで口を出してくるのが悩みでした。
私は「すみません、でもこれ私の趣味なので……」とやんわり流していたのですが、まさかあんな行動に出るとは思いもしませんでした。

強行突破された午後

ある休日の午後、外出から戻ると、庭からツンとする薬品の臭いが漂っていました。
慌てて駆け寄ると、大切に育てていた緑の葉たちが、変色し始めているではありませんか。

呆然と立ち尽くす私に、庭の柵越しにお隣さんが声をかけてきました。
「やっと帰ってきたの。お宅が全然始末しないから、私が撒いておいたわよ。強力な除草剤」

悪びれる様子など微塵もなく、むしろ「手間をかけさせた」と言わんばかりのふてぶてしい態度。「え?」と絶句する私に、お隣さんは続けました。
「だって邪魔じゃない。見ていてイライラするし、私の家の景観まで損ねるから。これでスッキリするでしょ?」

人の敷地に勝手に薬剤を撒いておいて、この言い草。あまりの身勝手さに手が震えましたが、私は深呼吸をして事実を告げました。

「……あの、これ全部、私が食べるために育てていた野菜なんですけど」

「は?」

「雑草じゃなくて、サラダにするはずだった無農薬野菜です。除草剤なんて撒かれたら、もう全部食べられないじゃないですか」

お隣さんの勝ち誇ったような表情が、その瞬間ピキッと固まりました。
「た、食べる……? これが? 雑草じゃなくて?」 「はい。食費を浮かせるために大事に育ててたんです。どうしてくれるんですか、これ」

「邪魔な雑草を駆除した」つもりだったのが、「人の食料を勝手に毒まみれにして廃棄させた」という事実に変わった瞬間でした。
これがただの草ではなく『財産』であり『食べ物』だと理解した途端、お隣さんの顔色はサァーッと青ざめました。

「ご、ごめんなさい! まさか野菜だなんて……ただの伸び放題の草だとばかり……!」

あんなに偉そうだったお隣さんが、器物損壊や弁償という言葉が頭をよぎったのか、しどろもどろになって謝罪を繰り返します。
その後、枯れた野菜の分としてスーパーの商品券を持ってこられましたが、それ以来、私の庭に対する文句は一切言わなくなりました。

こちらの事情も確認せず、「自分が不快だから」という理由だけで実力行使に出るのは本当に危険です。少し強引な解決でしたが、お隣さんがおとなしくなってくれたことだけは、結果的に良かったのかもしれません。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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