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親の【高齢者施設入居】実例「サービス付き高齢者向け住宅に入居した母が栄養不足に」

  • 2025.12.19

親の【高齢者施設入居】実例「サービス付き高齢者向け住宅に入居した母が栄養不足に」

老いていく親の「少しでも長く家にいたい」という願いをうち消し、施設に入れることは親不孝なのでしょうか? ここでは、読者の体験談とファイナンシャルプランナー・畠中雅子さんに聞いた施設選びのヒントをご紹介します。

親の施設入居体験、我が家の場合

サ高住→介護付有料老人ホーム→サ高住

福岡から東京に呼び寄せた母がサ高住で栄養不足に!

クニさん(66歳・東京都)
母(91歳)は要介護2。父が2006年に亡くなってから、母は福岡県の自宅で一人暮らし。77歳のときに体調を崩したのを機に、東京に呼び寄せて施設に。

父が亡くなってしばらくの間、母は福岡での一人暮らしを楽しんでいた。ところが、一人暮らしの不安からかうつ傾向となり、頻繁に救急搬送されたので、東京に呼び寄せることに。

自宅沿線で駅から徒歩5分のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を見つけた。食事はつかないが、スーパーも近いから大丈夫と思ったのだ。だが次第に料理を作ることがおっくうになり、数年後には栄養不足の廃用症候群になって入院してしまった。

食事つきの施設への転居を決意したとき、わが家の近くに新築の介護付有料老人ホームができた。早速飛んでいき、富士山の見える最上階の部屋を確保。ところが入居して「これはひどい」と実感した。自由がなく、介護も事務的。食事はまずく、職員がすぐに入れ替わる。母は「牢獄のようだ」と精神的に参ってしまった。

そこで、3番目の施設を探し始めた。「家の近くより母の満足度」を優先し、食事つきのサ高住を見つけることができた。ここは職員も親切で、何かあるとすぐ連絡をくれる。訪問時には車椅子にのせて近くの回転ずしや焼き肉屋に外出することも。ひ孫の顔もみせられ、母も私も落ち着いている。

FP畠中雅子さんの施設選びのヒント!

畠中雅子さん
ファイナンシャル・プランナー(FP)。高齢者施設を多数見学し、施設選びについても詳しい。

うちの親はいくらで施設に入れる?

まず確認すべきは親の資産状況と年金額。「その範囲内で、無理なく暮らせる施設を探しましょう」とFPの畠中雅子さん。

月額利用料は確実に値上がりしていく。入居時点では年金月額プラス1万〜2万円までと考えて。

貯蓄額が650万円未満の場合、自立時はケアハウスがおすすめ。要介護3になったら特別養護老人ホーム(特養)に。年金額が80万9000円以下で貯蓄額が650万円未満なら1カ月10万円以下で入居ができる。

貯蓄額が650万〜2000万円なら介護付有料老人ホームを検討しても。ただし、入居一時金は総資産の3分の1までで。貯蓄はあるが年金が少ない場合は、利用料が年収で決まるケアハウスもおすすめ。それ以上の貯蓄額がある場合、入居一時金を一括で払うか分割するかは入居時の年齢で検討を。

地域によって違うので、あくまで目安のひとつに。

アンケートによる皆さんの声

親の入居で気づいたこと

●施設に入居した父は、「帰りたい」と言い、そんな父を見て母は、「かわいそう。せめて今日だけでも連れて帰りたい」と言う。入居して母は父に妙に優しい。昔はケンカばかりだったのに。あるとき気づいた。90歳すぎても自分の足で歩け、自立している母は父に「勝った」のだ。だから今、母は優しくできるのだと納得することができた。
(mijaさん・68歳)

●口から食事がとれなくなり、胃ろうをつけることになった父は、老健から介護医療院に転院した。そこでは日本人だけでなく、外国人スタッフも多く働いていた。最初は少し驚いたが、私の見た範囲、父に対してきつい言い方をする介護士さんはたいてい日本人で、外国人のスタッフさんはやさしかった。
(平さん・59歳)

※この記事は「ゆうゆう」2026年1月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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