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母「お願いだから病院に行って」私は元気だけど?仕方なく受診…え、母の勘が的中!?告げられた驚きの診断結果とは

  • 2025.12.18

不調など一切なく、これまでの人生で一番頑張れているとさえ思っていた産後の私。それなのに母は、私の姿を見て「お願いだから受診して」と必死に頼み込んできます。母を安心させるためだけに仕方なく病院へ行くと……。待っていたのは驚きの診断結果でした。

母に促されて渋々受診した結果

出産後しばらく、実家の母が手伝いに来てくれていました。母がいる間も、私は必要最低限しか母に手伝いは求めず、夜中の授乳をこなし、おむつ替えに沐浴など、初めての育児に奮闘していました。母からは「抱っこを代るから少しは寝なさい」と言われましたが、私は「全然大丈夫だよ」と笑って返す余裕があったほどです。食事は、いつ娘が起きるかわからず時間との闘いということもあり、とりあえずおなかに入ればいいと流し込んでいました。

母が実家に帰って数日後、LINEが届きました。

「ねえ、怒らないで聞いてね。あなた……表情がすごく怖いのよ」

画面を見て、私は眉をひそめました。怖い? 娘に対してこんなに必死に愛情を注いでいるのに? 心外でした。

「えー。娘のために必死だからかな」と返すと、母から 「それが心配なの。あなたが『つらい』って言わないから怖いのよ。一度、病院に行きなさい」


私は元気に家事も育児も回していて、どこも悪くありません。むしろ、これまでの人生で一番頑張れていると思っているほど。けれど母は「お願いだから」と懇願してきます。仕方なく、母を安心させるためだけに、私は元気であることを証明しようと病院へ行くことにしました。


病院では問診票に答え、医師と話をしました。「食事は取れていますか?」「最後においしいと思って食事をしたのはいつですか?」「夜、赤ちゃんが寝ているときに、ご自身はすぐに眠りにつけますか?」

私は言葉に詰まりました。「おいしい?」などと考える必要すらないと思っていたからです。そして、眠りについては、娘が息をしているか不安で、ずっと起きて見守っています。それは母親として当然のことだし……と、なんて答えればいいんだろうと悩みつつ、思っていることを話しました。


診察が終わり、医師が静かに告げました。

「あなたは、産後うつ病ですね」

その言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になりました。「まさか、自分が?」という信じられない気持ちと同時に、張り詰めていた糸がプツンと切れたような気がしました。「ああ、だからこんなにつらかったのか」という妙な納得感もあったように思います。

母が気づいてくれなかったら、私はこのまま無理を続けていたかもしれません。医師いはく、私は脳が限界を超えて『過覚醒』の状態にあるとのこと。典型的な、産後うつ病の症状ということでした。


診断を受けてからは、医師の指導のもと、夫や母の協力を得ながら治療を進めていきました。夫に夜中の授乳を代わってもらったとき、久しぶりにまとまった睡眠がとれて、翌朝少しだけ心が軽くなりました。「母親なのに弱音を吐いてはいけない」と思い込んでいた私ですが、周囲に頼ることが回復への近道なのだと、そのとき初めて実感したのです。


この体験を通して、母の直感の大切さと、自分の心の声を無視しないことの重要性を学びました。あのとき、母が気づいて声をかけてくれなかったら、私はどうなっていたかわかりません。一人で完璧にこなすことだけが愛情ではなく、周囲の手を借りて笑顔でいることこそが、家族を守ることにつながるのだと。これからは娘の笑顔を守れるよう、きちんと自分の心と体にも向き合っていこうと心に誓いました。

◇ ◇ ◇

産後うつには、「涙が止まらない」「やる気が出ない」といった症状はもちろんですが、実はこのママさんのように「気が張って眠れない」「疲れを感じない」という『過覚醒』の状態がみられることも。「過覚醒」はいわゆる「産後ハイ」の状態のことであり、出産直後にママの心身が興奮状態になることで起こります。多くは一過性のもので数日から1週間以内に落ち着くとされていますが、このママのように不眠や過活動状態が長く続くと心身共に疲弊し産後うつにつながることがあります。

特に、以下のような変化は心と体からのSOSです。

・体が疲れているのに、なぜか眠気がこない

・好きだった趣味やテレビが「楽しい」と感じられない

・赤ちゃんの泣き声に、激しい動悸や不安を感じる

これらは脳と体が限界を迎え、休息を求めている切実な合図です。医療機関を受診することは、長く続く子育てを笑顔で乗り切るための「賢い選択」。無理をせず、早めに専門家へ相談してくださいね。

著者:川上咲/30代女性/0歳の女の子を育てる母。現在は育児に奮闘中。趣味は読書とカフェ巡り

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年10月)


監修者:助産師 関根直子

筑波大学卒業後、助産師・看護師・保健師免許取得。総合病院、不妊専門病院にて妊娠〜分娩、産後、新生児看護まで産婦人科領域に広く携わる。チャイルドボディセラピスト(ベビーマッサージ)資格あり。現在は産科医院、母子専門訪問看護ステーションにて、入院中だけでなく産後ケアや育児支援に従事。ベビーカレンダーでは、妊娠中や子育て期に寄り添い、分かりやすくためになる記事作りを心がけている。自身も姉妹の母として子育てに奮闘中。

ベビーカレンダー編集部

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