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【ルームツアー】ジョルジオ・アルマーニの伝説に彩られた、マンハッタンの住まい

  • 2025.12.18
Todd Eberle

2025年9月、世界中が尊敬するデザイナー、ジョルジオ・アルマーニの訃報が駆け巡った。エル・デコUS版2025年4月号に掲載されたマンハッタンのアパートメントの貴重な最後の取材をお届けしよう。『エル・デコ』12月号より。

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上質な光沢に包まれたシャンパンカラーのリビング

ジョルジオ・アルマーニは、ニューヨークを訪れた折に、1929年にシュワルツ&グロスによって建てられた、このネオ・ルネサンス様式の建物と出合い瞬く間に惹かれたという。

<写真>リビングルームの壁面は、シャンパン色のメタル製フレームで縁取られた、光沢のあるバーチ材のパネルで構成されている。コーディネートされた家具、テーブルランプ、全ての装飾品は「アルマーニ / カーザ」のアイテム。

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ゴールドと繊細な柄が響くダイニングエリア

「セントラルパーク・ウエストに位置し、緑という“都市の心臓部”の向こうに広がる摩天楼を一望できる最高の眺めを誇ります。このアパートメントはどの方向にも大きな窓があり視界を遮るものがありません」

<写真>シルク素材の装飾的な壁紙に包まれたダイニングルーム。シンメトリーなレイアウトによって、空間に心地よい緊張感がもたらされている。オーダーメイドの家具、照明、ラグなどは、全て「アルマーニ / カーザ」のアイテム。

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時代を超えて空間を彩るステンドグラスのきらめき

インテリアは言うまでもなくアルマーニ流だが、このアパートメントは「ニューヨークにおけるアルマーニ」を体現している場所でもある。ゴシック教会を思わせるステンドグラスの窓はオリジナルで、この部屋の伝説の一部をなしている。

<写真>このキッチンだけでなくゲストルームなどにもゴシック教会を思わせる1920年代当時のステンドグラスを用いた装飾的な窓が設えられている。このアパートメントの出自を物語る、貴重なデコレーションピースの一つだ。

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カラーパレットの調和が静寂を奏でるベッドルーム

「私のアプローチには一貫性があります。クリーンなライン、調和のとれた色、美しい素材。ただし、私自身の生活空間には、私という人間を特徴づける独特な要素が少し加わっています。それは通常の創作にはほとんど反映されないユーモアのある表現、ぬいぐるみや動物の類です。ミラノの家には等身大のゴリラ〈ウーリ〉がいて、ニューヨークのソファには小さな猿が座っています。これらは、私の住まいである証しなのです」

<写真>ベッドルームの壁面もリビング同様に、ゴールドのメタルフレームで縁取られたパネルで構成されている。家具、照明、クッションなどは全て「アルマーニ / カーザ」のアイテム。大きな窓からマンハッタンの陽光が差し込む。

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真の豊かさを追求した美意識がつかさどる空間

ひとたびこの空間を目にすれば、彼が創作の過程で何よりも大切にしていた、“本物であること、献身、情熱”を感じ取ることができるだろう。

<写真>リビングとダイニングを仕切る、シャンパン色の扉にもたれるジョルジオ・アルマーニ。家具や建具はもちろん、小さな調度品に至るまで、彼の美意識の下に招き入れられたものだけでこのアパートメントは構成されている。

ジョルジオ・アルマーニ
1934年イタリア北部の街、ピアチェンツァ生まれ。ミラノ大学で医学を学ぶ。百貨店勤務などを経て、75年に自身の名を冠したブランドを設立。ファッションから家具、ホテルまで領域を横断して活躍。2025年9月逝去。

Realization:STELLENE VOLANDES Photo:TODD EBERLE

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『エル・デコ』2025年12月号



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