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昨年王者・東洋大がインカレGL敗退の波乱!「模索しながらやった1年…」柏内定の山之内佑成主将が後輩に示し続けた姿勢

  • 2025.12.18

[第74回全日本大学サッカー選手権大会決勝ラウンド第3節、東洋大 1-2 明治大、12月17日、静岡・草薙総合運動場 陸上競技場]

昨年の全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)王者の東洋大が、明治大に逆転負けを喫し、まさかの決勝ラウンド・グループリーグ敗退となった。

東洋大のDF山之内佑成主将(4年、JFAアカデミー福島U-18、J1柏レイソル内定)は、試合終了のホイッスルとともにピッチ上にしゃがみ込み、あふれそうになる感情をぐっとこらえた。

画像: 試合終了直後、ピッチに手をついて悔しがる山之内(写真 縄手猟)
試合終了直後、ピッチに手をついて悔しがる山之内(写真 縄手猟)

寡黙な主将が示し続けた姿勢

試合後、ミックスゾーンに現れた山之内は、悔しさをにじませながら今大会を振り返った。

「情けない...このインカレを通して自分自身のパフォーマンスに満足できませんでしたし、あまり声かけもできませんでした。チームを勝たせることができなかった申し訳なさが強いです」

東洋大は、東海学園大とのインカレ初戦に敗れ、苦しいスタートを切った。

それでもグループリーグ第2節の九州産業大戦では、3-1で快勝。

この日、勝てば無条件で決勝トーナメント進出が決まるという状況で、明治大との決戦に臨んだ。

「負けたら終わり。チームとしては勝つことで次に進める明確なものがあった中で、前半45分は自分たちのペースで進むことができました」

前半11分に、U-22日本代表DF岡部タリクカナイ颯斗(はやと、1年、市立船橋高)が、コーナーキックの混戦からボックス内で右足を振り抜いて先制したが、その後追加点を奪えずに前半を折り返した。

後半も東洋大が有利に試合を進めていたが、同27分、同48分に一瞬の隙から2ゴールを奪われ、逆転を許した。

東洋大の背番号5は「後半、少しイレギュラーがあったときに自分たちの対応が遅れたところが、敗れた原因かと思います。全国大会ならではのやられ方だなと」と、後半の2失点を悔やんだ。

画像: 浮き球をトラップする山之内(写真 縄手猟)
浮き球をトラップする山之内(写真 縄手猟)

昨年6月に柏への(2026年)入団内定が発表された山之内だが、現状に満足しないよう、自らの気を引き締める意味で新体制の主将に立候補した。

普段は寡黙な性格の同選手が主将に立候補した決断は、チームメイトを驚かせた。

「1、2、3年と、(歴代の)キャプテンの姿を見てきた中で、自分のキャラクターなどを理解しながら、自分なりに何をして、どうしたらチームをいい方向に持っていけるのかを模索しながらやった1年でした」

不器用ながらにつくり上げた“山之内のキャプテン像”は、たしかに後輩たちの模範となっている。

この日先制点を挙げた同大1年の岡部は「練習から試合も含め、迷惑をかけることばかりでした。僕も自分のことだけではなくて、周りのカバーもできるように、強くなっていきたい」と、偉大な先輩が示してきた姿勢を引き継ぐ覚悟を口にした。

柏に入団する山之内は来季、大卒1年目でのスタメン定着を狙っている。

「チームのために何ができるのかを常に考えながらやれたことが、日々の成長につながったと思います。緊張感のある中で自分が何をできるのか、自分たちが何をできるのかをチャレンジしながら、成功につなげてきた。

その成功体験は限りなく今後にもつながる。今年1年間で経験できたものと、この悔しさを忘れずに来年のステージにすべてをぶつけたい」

主将として過ごした日々で得た経験を胸に、山之内は次の舞台へと歩みを進める。

(取材・文・写真 縄手猟)

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