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河瀨直美監督の最新作『たしかにあった幻』が2026年2月6日からロードショー

  • 2025.12.17
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河瀨直美監督の最新作『たしかにあった幻』が、2026年2月6日(金)から公開。“愛のかたち”と“命の繋がり”をモチーフに、日本の失踪者と心臓移植の現実を重ねたストーリーが描かれます。国際映画製作者連盟が公認するロカルノ国際映画祭の第78回では、「河瀨監督のマスターピース」と評され早くも話題を集めている同作について、ご紹介します。

河瀨直美監督の6年ぶりの劇映画最新作『たしかにあった幻』

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河瀨直美監督が6年ぶりに手掛ける劇映画の最新作であり、オリジナル脚本としては8年ぶりとなる『たしかにあった幻』。先進国の中でドナー数が最下位だという日本の臓器移植医療について、そして年間約8万人にのぼるという日本の行方不明者問題というふたつのテーマが軸となっています。「“死”が終わりではない」という想いのもとに移植医療によって人の命が繋がれていく同作は、“生”の意味について改めて静かに問いかける内容に。

実在しないものがあるかのように見える“幻”と、それを修飾する言葉として使われる“たしかにあった”という相対する表現を同義的に並べたタイトルは、二項対立を超えて新たな思想を提案する同作の核心を暗示しているかのようです。

時を超えて運命が交差していくストーリー展開

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フランスから来日した主人公コリー(ヴィッキー・クリープス)が、レシピエント移植コーディネーターとして臓器移植への理解と移植手術の普及に尽力するストーリー。神戸の臓器移植医療センターで働きながら小児移植医療の促進に取り組むコリーは、日本の死生観や倫理観が西欧とは想像以上に異なることに直面。異国の地での孤独、そして医療現場の体制の改善や意識改革の難しさに対する無力感に苛まれます。

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そんな中、屋久島で運命的に出会った迅(寛一郎)と一緒に暮らし始め、彼の存在が心の支えになっていくものの、彼は誕生日の7月7日に突然行方不明に。その1年後、迅が失踪する以前から家族からも捜索願が出されていたことが分かり、彼の実家で明かされた事実から迅との出逢いが宿命的だったことを知ることに。一方で、心臓疾患を抱えながら入院していた少女の瞳(中野翠咲)の病状が急変し…。

ルクセンブルク出身のヴィッキー・クリープスや寛一郎など、話題の名優が出演

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主人公コリーを演じたのは、『ファントム・スレッド』(2017年)や『蜘蛛の巣を払う女』(2018年)など数々の名作に出演した、ルクセンブルク出身のヴィッキー・クリープスさん。同作では聡明な大人の女性の雰囲気を纏いながらも、少女のような無邪気さや脆さをうかがわせるコリーを好演しています。孤独と向き合う繊細な心の揺らぎや、そこから生まれる優しさをにじませる演技に注目です。

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コリーが屋久島で出会う青年、迅役を務めたのは『爆弾』(2025年)や『そこにきみはいて』(2025年)など今年公開の話題作が相次ぎ、NHK連続テレビ小説『ばけばけ』にも出演中の寛一郎さん。さらに、尾野真千子さんや北村一輝さん、永瀬正敏さんなどの実力派キャストが顔を揃えています。

予告編が公開中

公式サイトやYouTubeでは現在、同作の予告編を公開中です。コリーと迅のストーリーと同時に、亡くなった子どもの心臓を提供する決断をした家族と、その鼓動を受け継ぐ子どもとその家族が抱える感情など、ドナー(臓器を提供する側)とレシピエント(臓器を受け取る側)、どちらにも存在する深い葛藤と祈りが描かれています。

確かにそこに“いる”という鼓動と記憶が、時を超えて人と人を繋いでいく、複雑に絡み合っていくストーリー展開にぜひご注目ください。

『たしかにあった幻』
公開日/2026年2月6日(金)テアトル新宿ほかロードショー
監督・脚本・編集/河瀨直美
製作/CINÉFRANCE STUDIOS 組画
プロデューサー/DAVID GAUQUIÉ et JULIEN DERIS、河瀨直美
日本宣伝・配給/ハピネットファントム・スタジオ
URL/happinet-phantom.com/maboroshi-movie

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