1. トップ
  2. 恋愛
  3. 【60代エンタメ】稲垣吾郎がイラチな人気俳優役に!「私生活でもつい演じてしまうことは誰でもあると思う」2026年2月開幕の傑作ラブコメ『プレゼント・ラフター』

【60代エンタメ】稲垣吾郎がイラチな人気俳優役に!「私生活でもつい演じてしまうことは誰でもあると思う」2026年2月開幕の傑作ラブコメ『プレゼント・ラフター』

  • 2025.12.15

コメディからシリアスまで、縦横無尽に表現してきた稲垣吾郎の次の作品は、1942年の初演以来、繰り返し上演されてきたノエル・カワード作『プレゼント・ラフター』。大人のラブコメディとされる作品について、そして人気俳優にして“大人げない主人公”、ギャリーという役柄について語っていただきました。今年1年の包括、来年の抱負まで、飾らない稲垣さんのメッセージをお届けします。


演劇ぐらいはある程度自由に、ちょっと不謹慎さがあってもいいんじゃないかな

――『プレゼント・ラフター』という演目、そしてギャリーというスター俳優を演じることについて、現時点でどのような印象を持っていますか? 「作品として最初に上演したのが1940年代ということで、80年も昔の演劇なのに、普遍的な面白さがあるというか。当時、こんな内容の作品をやっていたというのも、すごいなと思いました。現代の人と考えてることはそんなに変わらないし、これを当時やってたっていうのは、本当にスキャンダラスで刺激的で、見てはいけないものを見ているような楽しみがあったんじゃないかな。演劇ぐらいはある程度自由に、ちょっと不謹慎さがあってもいいのかなっていう(笑)。笑いも込みでね。これをちょっと現代風にして、どう作り上げていくのか、今からとても楽しみです。ノエル・カワードさんについては、演劇は見たことは僕はないんですけれど、かなり古い映画で『逢びき』を観た記憶があるぐらいなので、また勉強し直そうという感じですね。役については、俳優役というのが面白い。自分も俳優だからこそ、まぁ、わからなくはないな、みたいなところもあります。私生活でもつい演じてしまう、ちょっと仮面をかぶってしまうといったようなことは、やっぱり俳優さん……いや、俳優に限らないか。きっと、誰でもそういう面って持っていますよね。台本を読むと、ギャリーってすごいイラチなんです(笑)。いじわるなようで優しいところもあり、愛されキャラというか、人間的で生き生きとして非常に魅力的だなと思いました」   ――人気俳優ならではの孤独感なども描かれますが、共感できる部分はありますか?   「いや、そこはあんまり。自分一人で全部背負ってやっているような責任感の強い人間だと、ふと振り返った時に孤独だなっていう風に思うこともあるんでしょうね。僕は自分一人で全部やろうとは思っていないし、分業制というか、みんなで作り上げるという意識でいるので。この作品のギャリーさんは自分でマネージメントもしている感じだし、状況が現代の自分とは全然違う。なので、俳優だから孤独みたいなことは、特に僕はそこまで感じていない。そこまでストイックじゃないのかもしれないですね(笑)」   ――東京PARCO劇場は10年ぶりということですが、思い出などもお聞きしたいです。   「最初にPARCO劇場の舞台に出たのは、つかこうへいさん原作の『広島に原爆を落とす日』という演目でした。初演は紀伊國屋サザンシアターで、20代でした。自分にとって初舞台というわけではなかったのですが、とにかく膨大な台詞量のつかさんの芝居というのが、大変でもあり、自分にとっては演劇に踏み込んだ第一歩みたいな感じで、そこから舞台が好きになったんです。それからは、いつもお世話になっている劇団ラッパ屋の鈴木聡さんの作品が多かった。ミュージカルの『恋と音楽』シリーズなど、何度も立たせてもらいました。以前のPARCO劇場の、確か下手側ではけたところに大きな楽屋があって、主役の人はそこを使うんですよ。むしろ、そこしかないって感じなんですけど(笑)。僕一回、美輪明宏さんの作品のあとに入ったことがあって、楽屋に残っている美輪さんの香水の香りが残っていたことがありました。存在感をそこに残すかのようで、なんとも言えない緊張感でしたね(笑)。あと、舞台上から見て、空席のときは椅子の背もたれに残る跡がハート型に見えるっていうのも、PARCO劇場“あるある”でした。赤いシートに白い跡があって、それもまた歴史を感じさせてくれたなぁと、今思い出しました」  

2026年もそのときの気分で、自由にやらせていただきたいと思っております

ーー2025年はどんな年でしたか? パッと思いつくのはどんな出来事でしょうか。   「ハリー・ポッターの舞台が長かったので、それ一色というのはありました。ドラマやコンサートもやっていたんですけど、稽古は5月から、4月にはイギリスにも行きましたし、終わったのが10月31日なので半年以上関わっていたことになる。同じ現場で同じ人が毎日いるみたいな、そんなことってなかなかないので、経験としてもとても楽しかったです。キャストは変わったりはしますけど、なんというか、不思議な仲間意識が芽生えるものなんですよね。もともと、現場で誰かとすごい仲良くなるといったタイプではないんですが、自然に連帯感というか、絆といったものが生まれたのも含めて、本当にいい経験になりました」   ――現場での新たな出会いなど、特に期待して臨むほうではない?   「いや全然。いつも通り冷静に、しっかりと自分の役割を全うしていこう、ぐらいに思ってたんです。でも、そういうのを超えて、すごく楽しくなってきて。本当にみなさんのこと好きになれたし、家族みたいって言ってしまうとちょっと大げさかもしれないけど、結果、そうなっていました。ベタベタするわけでもなく、大人のいい距離感を持ちつつ、仲良くなれたのがよかった。期間が長いから余計にですけど、その空気感で、とても居心地がよかったんです。主演という立場でも、僕はあまり人を引っ張るというか、ちょっと俺についてこいみたいなタイプではないんですよね。でも、僕の背中を見て、ついていこうと思ったと言ってくれたりもして、ありがたかった。だから、やっぱり舞台の上でどうあるかって大切なんです。ご飯に行って仲良くなったとかじゃないのが、むしろよかったくらいで。これってきっと、すべての仕事に通じると思います」   ――応援してくださるファンの方に対する意識で、変化してきた部分というのはありますか?   「いや、意識は変わってないですよ、昔から。応援してくださってありがたいという気持ちはずっとありますし、それがなかったら自分たちは舞台になんて立てないわけですから。ただまぁ、その年齢とともに何か変わってきたとか、そういうことは特になくて。いい距離感で歩めているのかなとは思いますけれど」

――2026年に向けて、楽しみにしていて欲しいことなどがあれば、教えてください。   「まずは舞台ですね。その先のことは、まだ全然考えられてないっていうのは正直なところです。何だったら、別に舞台終わって半年ぐらい休んでもいいし、先のことはわからない。そんな期待を膨らませるようなことも言いたくないですし(笑)、その時の気分でいいんじゃないのかなっていう。3人での活動もあって、2人は僕とは全然違う考えだと思うので、そこは協調性を持ってやっていかなければと思っています。楽しみにしてくれている方もいると思うので、ファンミーティングみたいなこともまた引き続きやるだろうし。香取さんとかすごく意欲的に、積極的にやられていますから、すごいなって思いますよ。僕自身もね、そういうのを見て力をもらっています。ただ個人的には、今は舞台のことしか頭にないっていうのが本心で。もうちょっと、ファンの方たちが喜びそうなこと言ったほうがいいんだろうけど、そのときの気分で、自由にやらせていただきたいと思っております(笑)」

稲垣吾郎が喜劇俳優の主人公ギャリーに挑む! ノエル・カワードの傑作ラブコメ『プレゼント・ラフター』 20 世紀英国を代表する劇作家、ノエル・カワードの『プレゼント・ラフター』は、1942 年の初演から80 年以上経った今なお、注目を集め続けている傑作。実力とカリスマ性を兼ね備えるスター俳優ギャリー。人気俳優ならではの孤独感と老いへの恐れを抱え、私生活でも演技をしてしまう彼の元を次から次へと個性的な面々が訪ねて来て騒動を巻き起こし……。軽妙な会話の中に、名声や欲望、孤独や葛藤が描かれた深みある大人のラブコメディは必見です! 【公演概要】 公演名称 PARCO PRODUCE 2026 『プレゼント・ラフター』 作 ノエル・カワード 翻訳 徐賀世子 演出 小山ゆうな 出演 稲垣吾郎/倉科カナ 黒谷友香 桑原裕子 望月歩 金子岳憲 中谷優心 白河れい/浜田信也 広岡由里子 公式サイト https://stage.parco.jp/program/presentlaughter/ ●東京公演:2026 年2 月7 日(土)〜2 月28 日(土) PARCO 劇場(渋谷PARCO 8F)
(問)パルコステージ ☏03-3477-5858 ●京都公演:2026 年3 月4 日(水)〜3 月8 日(日) 京都劇場
(問)「プレゼント・ラフター」京都公演事務局 ☏0570-055-099(12:00〜17:00 ※土日祝は休業) ●広島公演:2026 年3 月14 日(土)〜3 月15 日(日) JMS-アステールプラザ 大ホール
(問)キャンディープロモーション ☏082-249-8334 (平日11:00〜17:00) ●福岡公演:2026 年3 月20 日(金・祝)〜3 月22 日(日) 福岡市民ホール 中ホール
(問)BASE CAMP ☏092-406-7737(平日12:00〜17:00) ●仙台公演:2026 年3 月28 日(土)〜3 月29 日(日) 電力ホール
(問)仙台放送 事業部 ☏022-268-2174(平日11:00〜16:00)

撮影/村松巨規 スタイリスト/黒澤彰乃 ヘア&メイク/金田順子 取材・文/根岸聖子 ※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

この記事を書いた人 素敵なあの人編集部

「年を重ねて似合うもの 60代からの大人の装い」をテーマに、ファッション情報のほか、美容、健康、旅行、グルメなど60代女性に役立つ情報をお届けします!

元記事で読む
の記事をもっとみる