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子どもが乱視と診断されたら?いわみ眼科理事長岩見先生にお伺いしました

  • 2025.12.14

子どもが乱視と言われた!治療も勧められたけど・・・。そもそも「乱視」ってどんな症状?治療を勧められたら、しておいた方がいい?そんな疑問について、医療法人社団久視会いわみ眼科理事長岩見久司先生から最新の近視治療についてお話いただきました。

ママ広場

乱視って何だろう?

「3歳半健診で乱視と言われたけど、どうすればいいの?」「そもそも乱視って何?」という声をよく聞きます。乱視は身近な言葉ですが、正しく理解されていないことが多い症状です。
目はカメラに例えられ、レンズにあたる部分は2つあります。黒目の表面にある角膜と、ピントを調節する水晶体です。角膜のカーブが方向によって異なると、光が正しく焦点に集まらず、全体がにじむようにぼやけて見える状態になります。これが乱視です。目の表面が球体ではなく、ラグビーボールのようにカーブに違いがあるとイメージしやすいでしょう。
お子さんの乱視の多くは角膜由来で、生まれつきの性質です。珍しいものではありませんが、放置すると問題が生じます。

乱視は弱視の原因になる

子どもの視力は生まれてから小学校入学頃までに発達します。この時期に視力の成長が妨げられると、十分に発達せず弱視になります。

乱視による弱視は経線弱視と呼ばれ、6〜8歳頃までの感受性期に治療する必要があります。この時期を過ぎると、視力は元に戻りません。
治療の基本は、乱視を補正する眼鏡をかけること。正しいピントで世界を見る時間を確保し、視機能を育てます。

3歳半健診で乱視が見つかりやすくなった理由

小児科医でもある国会議員の働きかけにより、令和4年以降、国の補助で3歳半健診に屈折検査機器が導入されました。従来の方法では発見しづらかった乱視も、機械により正確に検査できるようになり、発見率が大幅に向上。現在は全国の90%以上の自治体で導入されています。
弱視は約2%の子どもにみられますが、早期発見・早期治療ができなければ改善しません。この制度は子どもの視力を守る大きな前進です。長年の眼科医の働きかけに加え、国政が動いたことが大きな力となりました。(政治は大事ですね)

「眼鏡はかわいそう」・・・それより大切なこと

「小さいうちから眼鏡はかわいそう」と感じる方もいますが、眼鏡は治療のための大切な道具です。乱視による見えにくさを放置するほうが、視力の発達にとって大きなリスクになります。
幼児期に眼鏡をしっかり使えたお子さんの多くは良好な視力に育ちます。医師から指示があれば、迷わずかけさせてあげてください。

眼鏡治療はいつまで?

遠視性弱視は成長とともに改善し、眼鏡が不要になることもありますが、乱視は角膜の形が原因のため、基本的に一生続きます。
視力が安定した後も眼鏡やコンタクトレンズなど、何らかの補正が必要です。中学・高校以降はコンタクトレンズも選択肢になります。

まとめ:乱視を正しく理解し、見逃さない

お子さんが乱視と診断されたら、眼科でしっかり評価を受け、必要があれば治療を始めましょう。子どもは自分から「見えにくい」と言いません。
乱視があることは誰のせいでもありません。しかし、気づき、適切に対応することが大切です。
正しい知識と早期のケアが、お子さまの未来の視力を守ります。

執筆者

プロフィールイメージ
岩見久司
岩見久司

大阪市立大学医学部卒
医療法人社団久視会 いわみ眼科理事長
眼科専門医・レーザー専門医
医学博士
兵庫医科大学非常勤講師

経歴
1日100人を超す外来をこなしながら、若手医師の教育や医師・医療関係者向けの講演も頻繁に行っている。
加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などを得意とする網膜内科医。
網膜の病気に将来繋がっていく可能性のある小児の近視が現在急増しており、近視治療にも積極的に取り組んでいる。
令和5年度より、「100歳まで見える目」をたくさんの方が持てるように啓蒙活動を展開している。

いわみ眼科ホームページ

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