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「最悪だわ」突然のドシャ降り。傘もなく全身ずぶぬれ! でも「ねぇママ」子どものひと言に「救われた」

  • 2025.12.15

思いがけない夕立に、心も足取りも重くなった帰り道。そんな私を救ったのは、娘のなにげない“ひと言”でした。小さな気づきが、大きな学びへと変わった筆者の体験談です。

画像: 「最悪だわ」突然のドシャ降り。傘もなく全身ずぶぬれ! でも「ねぇママ」子どものひと言に「救われた」

突然の雨に、心まで沈んだ帰り道

保育園をでた瞬間は、夕方の穏やかな風がふいていました。しかし、しばらく歩くと空にはいつの間にか灰色の雲。

冷たい風がふきポツポツと落ち始めたしずくが、あっという間にドシャ降りに。水滴がアスファルトをたたく音と、湿った空気が肌にまとわりつく感覚が混ざりあうようでした。思わず立ち止まり、突然の夕立に息をのむほどです。

お気に入りの白いスニーカーはつま先からじんわりとぬれはじめ、歩くたびに冷たさがしみこんでいきます。干しっぱなしの洗濯物が頭をよぎり、思わず「最悪……」とため息。

家までの道のりはほんの数分なのに、やけに長く感じました。

雨音にかき消される小さな苛立ち

冷たい雨に打たれながら、私は足早に帰ろうと必死。一方、娘は水たまりをピョンピョンはねて、まるで雨を歓迎するかのようです。

沈んだ気持ちをよそに、彼女は顔をあげむじゃきな笑顔。髪の毛は顔にはりつき、服もびしょぬれです。それでも楽しげな娘を見て「人の気も知らないで」と苦笑いしました。

実は、保育園で帰り支度にてまどって出発が遅くなったのです。もう少し早く動いてくれたら、こんなドシャ降りに巻き込まれずにすんだのに——そんな思いが胸をよぎりました。

世界が少し変わった、娘の“ひと言”

私の背中を追いかけるように、水たまりで遊んでいた娘が声を弾ませました。

「ねえ、ママ! お花にお水あげなくてすむね!」

不意をつかれて振り返ると、髪が額にはりつきながらも満面の笑みでこちらを見あげています。そのワカメみたいな髪と笑顔がなんだかおかしくて、つい笑ってしまいました。

その瞬間、胸の奥がふっと温かくなりました。

確かにそうだ。雨は悪いことばかりではない。ぬかるんだ地面やぬれた服ばかり気にしていた私は、いつの間にか“困ること”ばかり見つける大人になっていたのかもしれません。

冷たい靴、びしょぬれの服。大人は、つい「不快」や「面倒」に目をむけがち。一方で子どもは、同じできごとの中から“楽しみ”を見つけている。

空はまだ灰色のままだったけれど、私の心の中だけは少し晴れていきました。今日の雨は、娘がくれた小さな“幸せのシャワー”だったのかもしれません。

あの日、娘の言葉で気づいたのは「受けとり方ひとつで、目の前の景色が変わる」ということ。それ以来、私は“困った”の中でも“楽しさ”を探せるようになった気がします。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大空琉菜
受付職を経て、出産を機に「子どもをそばで見守りながら働ける仕事」を模索しライターに転身。 暮らしや思考の整理に関するKindle書籍を4冊出版し、Amazon新着ランキング累計21部門で1位に輝く実績を持つ。 取材や自身の経験をもとに、読者に「自分にもできそう」と前向きになれる記事を執筆。 得意分野は、片づけ、ライフスタイル、子育て、メンタルケアなど。Xでも情報発信中。

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