1. トップ
  2. レシピ
  3. 【日本と本場・ドイツのクリスマスマーケットの違いは?】文化や伝統グルメなど比較して解説!

【日本と本場・ドイツのクリスマスマーケットの違いは?】文化や伝統グルメなど比較して解説!

  • 2025.12.12

近年、日本でも冬の風物詩として定着してきたクリスマスマーケットは、中世後期にドイツ語圏で発祥した伝統文化です。クリスマスを象徴するイベントですが、本場ドイツと日本では実はさまざまな違いがあります。本記事では、ドイツと日本のクリスマスマーケットを比較しながら、本場での様子やグルメなどをご紹介。違いを知ることで、日本のクリスマスマーケットがより楽しめるはずです。

【比較その1】クリスマスマーケットの目的

ドイツでは数百年続く伝統的な文化行事であるのに対し、日本は、主に異文化体験を目的としたイベントというイメージが強いクリスマスマーケット。

本場ドイツのクリスマスマーケットは、イエス・キリストの降誕を待ち望む「アドベント(待降節)」の期間を楽しむための市民の集いの場です。そのため、11月下旬から始まり、多くの場所でクリスマスイブ(12月24日)の昼頃には終了します。

家族で静かにクリスマスを過ごすための準備の場であり、宗教的・文化的な意味合いが濃厚です。

一方、日本のクリスマスマーケットの多くは、年末の集客イベントや観光コンテンツとして位置づけられています。そのため、開催期間はクリスマス当日や年末まで続くことが多く、賑わいや華やかさを追求する傾向にあります。

【比較その2】入場システム

ドイツのクリスマスマーケットの多くは、市民の広場などで開催されるため、基本的に入場料は無料です。誰でも自由に立ち寄り、日常生活の一部として楽しむことができます。

主要駅の周りには大体クリスマスマーケットが設営され、気軽にふらっと立ち寄れるような場所ばかりです。特に、学校や会社終わりの平日夕方以降・土日はたくさんの人で賑わいます。

ドイツ・デュッセルドルフ市内の大きなクリスマスマーケット

日本で開催される大規模なクリスマスマーケットの中には、会場の設備や運営コストから入場料が必要な場合がありますね。有料の場合、特典としてオリジナルのマグカップなどが提供されることが多く、冬のお祭りのようなイベントの印象です。

【比較その3】屋台のフード・雑貨の種類

クリスマスマーケットで提供される飲食物や雑貨にも違いが見られます。ドイツでは、グリューワイン(ホットワイン)やソーセージ(多くはパンに挟む)、シュトーレンなどの伝統的なメニューが中心です。

「グリューワイン」のマグは会場ごとでデザインが違うのでついつい集めてしまう代物。しっかりとした作りなので、お土産にも◎

ワインのほかには、子ども用のフルーツポンチやホットココアも売っている場所が多いです。

マグカップは、会場ごとにデザインが違います。さらには、毎年デザインが違ったり、年号や地名が入っていたりする場合も。とくに、SNSでかわいいと話題になるマグカップは早い時期に売り切れてしまうので、欲しいと思ったら即買い必須です!

一番オーソドックスでとりあえず買ってしまうのが「ブラートヴルスト」。お店によってはマスタードやケチャップなどをセルフでつけることができますが、日本のようなトッピング追加のようなものはなく、とにかくザ・シンプル!

クリスマスマーケット会場以外にも、サッカーやアイスホッケーの試合会場などの売店でも売られているドイツ定番のフードです。

シンプルだからこそ、ソーセージの旨みをストレートに味わうことができます。

ブラートブルストのほかにパン系のフードで人気なのが、熱々な濃厚チーズがたっぷり乗った「ラクレット」。

注文すると、店員さんが大きなチーズの塊の表面を溶かして、その溶けたチーズをすくいとって直接パンの上にのせてくれます。パンはサクサク、チーズはトロトロで、ペロリと食べられます。

大きな会場のクリスマスマーケットには大体ラクレットのお店があるので、ぜひ食べてみてください。お店の周辺は香ばしいチーズの匂いが漂い、食欲をそそります。

ライベクーヘンは、日本にはまだあまり浸透していないフードですね。これも、ドイツのクリスマスマーケットでは定番フードです。潰したじゃがいもを平らにして揚げ、りんごソースをつけて食べます。

「じゃがいもにりんごソース??」信じられない組み合わせですが、これがとても合うんです! 揚げたじゃがいもの油っぽさがりんごの酸味で和らぎ、不思議とペロリと食べられてしまうんですね。

広い会場だと雑貨もたくさん売っています

屋台は大きく、オーナメントや木工芸品、さらには家庭用品など、実用的なものも多く販売されます。オーナメントは手作りのものが多く、お店は常にお客さんがたくさんいる印象です。

日本では、ドイツの伝統的な味は再現されつつも、ホットチョコレートのデコレーションが豪華であったり、会場によってはチュロスやローストビーフといったドイツにはないメニューが並んだりするなど、日本の嗜好に合わせたローカライズが進んでいます。

ドイツのクリスマスマーケットのメニューは至ってシンプルなものばかり。ですが、寒い冬空の下で食べる出来立ての温かいフードは、どれを食べても感動する美味しさなのです。

個人的には、日本のクリスマスマーケットでもドイツで食べるメニューを提供してほしいと願っています。

まとめ

ドイツの「雰囲気」を輸入・再現しつつ、日本のイベント文化に合わせて変化している日本のクリスマスマーケット。そして、地域ごと・場所ごとでテーマがあったり人気フードがあったりと、全ての場所を訪れたくなるドイツのクリスマスマーケット。どちらもそれぞれの魅力が詰まっています。

ドイツまではなかなか行けないという方は、ぜひ日本独特のクリスマスマーケットを楽しんでみてください。

[Photo by Nanako]

元記事で読む
の記事をもっとみる