「この子、おしゃれだな」伝説のカリスマ美容師・奈良裕也が見抜いた長江巧磨の“バランス感覚”

smart創刊30周年を記念して、お洒落な仲間＆先輩が大集合！1995年の創刊当時から本誌に縁のある兄貴たちが、smart世代の気になるクリエイターとのペアスナップで登場。今回は、“アニキ”に奈良裕也さん、その“フレンド”に長江巧磨さんを招き、世代の垣根を超えた対談をお送りする。

SHIMAアートディレクター・奈良裕也はSHIMAスタイリスト・長江巧磨が気になる！

写真右・Profile／奈良裕也（なら・ゆうや）
1980年1月9日生まれ、埼玉県出身。SHIMAアートディレクター。サロンワークを軸に、ファッション誌・業界誌・ヘアショーなどで活躍。国内外のアーティストやセレブリティのヘアメイクを手がけ、コレクションや広告ビジュアルにも多数参加。東京カルチャーを象徴する存在として、ファッションや音楽など多彩なフィールドで表現を続ける。“伝説のカリスマ美容師”としても知られる。
Instagram：@yuyanara

JACKET：beautiful people
TOPS：WONEM
BOTTOMS：WONEM
SHOES：Autry×Maison Mihara Yasuhiro

写真左・Profile／長江巧磨（ながえ・たくま）
1998年2月20日生まれ、岐阜県出身。SHIMA HARAJUKUスタイリスト。2023年8月にスタイリストデビュー。ブリーチなしでも透明感を引き出すカラーリングと、トレンドを取り入れたフェイスレイヤーが得意。一人ひとりのファッションやライフスタイルに寄り添いながら、ナチュラルでニュアンシーなヘアを提案。クセ毛を生かしたスタイリングや縮毛矯正にも定評あり。
Instagram：@nagaetakuma

T-SHIRT：古着
BOTTOM：古着
SHOES：ANGELO RUFFO
GLASSES：MAL

「最初はちょっと勘違い野郎だったんですよ（笑）」（長江）

──最初にお互いの存在を知ったのは？

長江巧磨（以下、長江） 僕がまだ美容学生のときに、名古屋の中日美容専門学校に奈良さんが講師として来てくださって。実際にお会いしたのはそのときが初めてでした。奈良さんの存在を知ったのはもっと前、中学1年生のとき。「美容師になりたい」と家族に伝えたら、兄に「奈良裕也さんって知ってる？」って言われて、そこからずっと見てきました。

奈良裕也（以下、奈良） 長江がSHIMAに入ってリープ店にいた頃、僕がまた中日美容専門学校に講師で行ったときに、休みの日にわざわざ来てくれて。「リープの長江です」って挨拶してくれたんです。そのとき初めてちゃんと認識して「あ、おしゃれな子だな」と思いました。

──その後の関係性は？

奈良 その後、アシスタントとしてヘアショーのステージに入ってもらって。やりたいって言ってきたのと、僕もちょうど下を育てていく時期だったから。ただ、最初はちょっと“勘違い野郎”だったけど（笑）。

長江 勘違い野郎でしたね（笑）。ステージに立ちたい気持ちが強すぎて、アシスタントなのに“自分もステージに上がれる”と思い込んで、衣装まで買っちゃったんです。

奈良 「僕これ着ようと思ってて」って言うから、「え、最初からステージ立てると思ってるの？」って（笑）。でもせっかくだし途中から出られるように、演出で出番をつくってあげたんです。最初に長江が出て、後半に先輩アシスタントに交代する流れに。まぁ、服買っちゃったなら仕方ないなって（笑）。

長江 本当にありがたかったです。そこから何度かアシスタントで使っていただいて。今は原宿店で一緒に働かせてもらってます。

──お互い、どんなふうに感じていますか？

奈良 感覚のバランスがいい。最近の若い子は同じ方向に寄りがちだけど、彼はメンズもレディースも両方やってるし、ファッションもカルチャーもちゃんと好き。型にハマらず、自由に表現できるのが強みだと思う。

長江 本当に特別な存在です。技術もそうですけど、人としても尊敬しています。夜に飲みに連れていってくれたり、普段関われない方たちと会わせてもらったりして、刺激をたくさん受けています。

──smartの思い出と、次の世代へのメッセージを。

奈良 初めて出たのが18か19の頃で、毎月のように登場していました。付録のコラボをやったり、芸能人と同列で自分の名前が表紙に載っていたのは不思議な感覚でしたね。当時は“おしゃれの登竜門”みたいな雑誌だったし、今も続いてるのが嬉しい。これからもカルチャーが循環する場所であってほしいですね。

奈良裕也さんの仕事

美容学生時代から、本誌のストリートスナップ常連として人気を博していた奈良さん。2014年にはsmart編集部からファッションスタイルブックを発売！