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中国に「世界一高い橋」が開通、高さはスカイツリー級。625mから飛び降りる“絶叫”アクティビティとは

  • 2025.12.10
By Glabb - Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=175569504

中国は、世界でも有数の「巨大な橋」を建設する国として知られている。橋の路面から地表までの距離が世界で最も大きい「世界一高い橋」の称号をすでに持っていた中国だが、最近開通した「花江峡谷大橋(Huajiang Grand Canyon Bridge)」によって、自国の記録をさらに塗り替えることになった。

この新しい橋は、眼下に広がる峡谷と北盤江から、なんと2,051フィート(約625メートル)という驚異的な高さにそびえ立っている。想像してみてほしい。東京スカイツリー(634メートル)のてっぺん近くに道路が走っているような感覚だ。足がすくむような高さだが、そこから見える景色は間違いなく圧巻であるはずだ。

世界記録を更新! 圧倒的なスケール感

今回の開通により、2016年に建設された北盤江大橋(Duge Bridge)が持っていた1,854フィート(約565メートル)という記録が破られた。

これらの記録ラッシュにより、アメリカ国内で最も高い橋の順位は大きく下がることになった。アメリカで最も高いコロラド州のロイヤル・ゴージ・ブリッジ(1,257枚の木の板で作られている)は、アーカンザス川から956フィート(約291メートル)の高さにあるが、今回の中国の新しい橋に比べれば半分以下の高さということになる。もちろん、ロイヤル・ゴージ・ブリッジにも「スカイコースター」やジップラインといったアトラクションがあり、訪れる人を楽しませているが、花江峡谷大橋のスケールはそれらを凌駕する勢いだ。

ただ渡るだけじゃない。スリル満点のアクティビティ

この新しい橋は単なる交通インフラにとどまらない。観光客のために、橋の路面よりもさらに高い位置まで上昇するガラス張りのエレベーターが設置されているのだ。その高さは川面から2,600フィート(約792メートル)。そこにある展望カフェでコーヒーを飲む体験は、一生の思い出になるに違いない。

さらに、バンジージャンプのステーションに加え、スカイダイビングやパラグライダーの発着場も計画されているというから驚きだ。もし「足元のガラス」がお好みなら、橋に沿って設置された長さ1,900フィート(約579メートル)のガラス張りの歩道もおすすめだ。ここからは、峡谷の深さと高さを新たな視点で体感できるだろう。

移動時間を大幅短縮。生活を変えるインフラ

花江峡谷大橋はただ高いだけではない。全長9,777フィート(約2,980メートル)、主径間4,660フィート(約1,420メートル)という長さを誇り、実用的な目的もしっかりと果たしている。

これまで山岳地帯を迂回して2時間かかっていた道のりが、この橋のおかげでわずか2分で直行できるようになるのだ。「地球の裂け目」とも形容されるこの地において、劇的な変化といえるだろう。プロジェクトのオーナーによれば、この橋は現在「世界最長の山岳橋」でもあるという。現地の67歳の村人は、「この橋のおかげで生活がずっと楽になる」と喜びを語っている。

強風にも負けない! 最先端の建設技術

約4年にわたる建設プロジェクトでは、安全性を確保するために綿密なテストが行われた。交通の動きや様々な重量配分をシミュレーションするため、ある時点では96台もの建設車両を同時に橋に乗せて負荷試験を実施したという。橋に設置されたセンサーが、静止状態や車両がスピードを出して走行した際、あるいは急ブレーキをかけた際の構造物の反応をリアルタイムで監視した。

建設において最も困難だったのは「風」への対策だ。突風による揺れを抑えるため、風を逸らすデフレクターや安定板を使用し、乱流をバランスへと変える工夫が凝らされた。また、コンクリートの温度を管理して構造的な強度を保つシステムや、橋の状態をリアルタイムで監視するスマートケーブルなど、最先端の技術が詰め込まれている。

花江峡谷大橋は、ハイテクであり、ハイスリルであり、そして正真正銘の「世界記録」を持つ橋なのだ。中国を訪れる機会があれば、ぜひその高さを体感しに行ってみてはいかがだろうか。

※この記事は『Popular Mechanics』の翻訳をもとに、ウィメンズヘルス日本版が編集して掲載しています。

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