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「エンディングまで気付かなかった」大物俳優たちを“こっそり”出演させる“粋な演出”が話題 2年ぶり【復活ドラマ】

  • 2026.1.11

2023年放送ドラマ『うちの弁護士は手がかかる』が、2026年新春にスペシャルドラマ『うちの弁護士はまたしても手がかかる』として復活。ムロツヨシ演じる元芸能マネージャーのパラリーガル・蔵前勉が、続編では木南晴夏演じるクセが強めのタレント弁護士・樋口新とコンビを組み、難事件に挑む。笑いと涙、そしてどこかほろ苦い過去との対峙。新たなバディによる物語が、年のはじまりにふさわしい温かさで花開いた。

※以下本文には放送内容が含まれます。

またしても“手がかかる弁護士”?

今作では、元敏腕マネージャーでパラリーガルの蔵前勉が、ふたたび事務所クビの危機に直面しながらも、新たな担当弁護士・樋口新と出会い、奔走する姿が描かれる。

前作で勉がタッグを組んでいた天才弁護士・天野杏(平手友梨奈)は、なんとアメリカに移籍してしまっていた。勉は“担当弁護士不在”という苦境に立たされ、契約打ち切り寸前に。そんななか、コメンテーターとしてテレビ出演が続く人気弁護士の新が事務所に所属し、彼女のパラリーガルになるチャンスが舞い込む。

控えめで礼儀正しい新のファーストインプレッションに感動した勉。少々強引ではあったものの、自身のため、そして事務所のためにと新が提示した契約書にサインする。しかし、新はまさかの“手がかかる弁護士”だった。

酔うと性格が一変し、言葉も荒く横暴な態度。本性がバレたと知れるや否や、翌日には超マイペースでわがまま放題だ。勉はまたしても、厄介なクセ強弁護士に振り回されることになる。

本作の核となるのは、新キャストである木南晴夏の存在だろう。ムロツヨシとのタッグは、『勇者ヨシヒコ』シリーズや『大恋愛』などでも見られたが、今回の新というキャラクターは完璧な外面&意外な素顔を併せ持つキャラクターとして描かれる。そのギャップが、物語のテンポを引き締めつつも、コメディとしての間口を広げている。

陽同士の熱量のぶつかり合い

とりわけ印象的なのは、ムロ×木南の持ち味でもある、テンポの良いセリフの掛け合いである。まさに丁々発止の応酬は、共演が長いふたりだからこそ織りなせる阿吽の呼吸だ。前作でのコントラストが静(平手)と動(ムロ)だとしたら、今回は陽同士の熱量とでもいうべきか。その熱量とテンポの良さは、長年共演してきた信頼の証でもあるのだろう。

前半のエピソードでは、渡部篤郎演じるベテラン俳優・伍代夏生が、突然映画をドタキャンする騒動が描かれる。身勝手な伍代の振る舞いと向き合うなかで、蔵前と新は名声とは何か、信頼とは、そして相手に向ける“赦し”とは何によって示されるか……そんなテーマに向き合っていく。

後半では、田畑志真演じる元アイドルが前事務所の妨害により、キャリアを絶たれそうになる事件が発生。いずれのケースにも共通するのは、過去にどう折り合いをつけるか、という問いかもしれない。新自身が人には言いにくい過去を抱えており、そこに勉がどうやって寄り添っていくかも、物語の核心となっていく。

グッとくる粋な演出たち

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賀来賢人 (C)SANKEI

さらに視聴者を沸かせたのは、作品内に散りばめられた粋な演出の数々。エンドロールで表示された出演者クレジットには、小栗旬や山田孝之、賀来賢人の名前も…!チョイ役で出てくるにはもったいなさすぎる大物俳優がこっそり出演していたり、ムロが演じる勉が『ヨシヒコ』シリーズのメレブを思わせる言動を見せたりと、往年のファンにはたまらない小ネタが随所に登場。SNS上でも「まさかこの掛け合いが見られるとは……」との声が多かった。

ナレーションを務めた時任三郎が最後に残した、含みのあるナレーションも、視聴者の想像をかき立てる。今回明らかになった過去と、未解決の関係性。とりわけ、杏と新がどう向き合っていくことになるのか。続編の可能性には、大きな期待が集まっている。

木南晴夏という新たなバディを得て、ムロツヨシが演じる蔵前勉はさらに魅力的なキャラクターへと成長した。コメディの軽快さと人間ドラマの深み、そしてときに涙を誘う誠実さ。2026年の幕開けにふさわしい、成熟したエンタメ作品であった。


ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X:@yuu_uu_