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27年前、“160万”の驚異的ヒットを記録した“冬の金字塔” 大快挙を達成したキャンペーンソング

  • 2026.2.16

「27年前、凍てつくような寒さの中で、ふと誰かを想う温かさを感じたことはなかった?」

1999年。世紀末という言葉が日常に溶け込み、どこか落ち着かない高揚感と不安が入り混じっていたあの頃。街の至る所から、北の大地の冷気を感じさせるような、美しくも力強い旋律が聞こえてきた。

GLAY『Winter,again』(作詞・作曲:TAKURO)――1999年2月3日発売

吐息が白く染まる、あの冬の温度感

1999年の冬。テレビの画面に映し出されたのは、果てしなく広がる真っ白な雪原と、そこに佇む4人の姿だった。楽曲の舞台となったのは、彼らの故郷である北海道・函館。

ただ「寒い」という言葉だけでは言い表せない、芯まで冷え切った空気感。 その中で響き渡るTERUのボーカルは、凛とした強さと、大切な人を守りたいと願うような深い慈しみを湛えていた。

この曲は、彼らにとって16枚目のシングルとしてリリースされた。当時の音楽シーンは、ミリオンセラーが次々と誕生する空前のヒットチャート黄金期。

その真っ只中に放たれたこの楽曲は、派手な演出や奇をてらった仕掛けに頼ることなく、ただ純粋に「冬の情景」と「心の機微」を丁寧に描き出すことで、聴く者の心を鷲掴みにしたのである。

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GLAY-1998年撮影(C)SANKEI

画面を越えて届いた“故郷”への眼差し

当時、この曲をさらに印象づけたのが、JR東日本「JR SKISKI」のキャンペーンソングとしての存在感だった。

雪山を滑る高揚感とともに流れるこのメロディは、単なる冬の風景を越えて、「大切な誰かとこの景色を見たい」という普遍的な願いを可視化させたのだ。

作詞・作曲を手がけたTAKUROは、この曲の中に故郷の厳しい寒さと、そこに流れる穏やかな時間を封じ込めた。

ロックバンドとしてのダイナミズムを保ちながらも、イントロから響くアルペジオや、静寂を感じさせる音作り。音を詰め込むのではなく、あえて「余白」を作ることで、北国の冬特有の静けさを表現している点が秀逸である。

語り継がれる“記録”と“記憶”の調和

楽曲の構成もまた、当時のロックシーンに大きな衝撃を与えた。静かな祈りのように始まる旋律が、サビに向かって一気に解放されていくそのドラマ性は、聴く者の感情を激しく揺さぶる。

特に、ギターソロは、凍りついた空気を切り裂くような鋭さと、どこか泣いているような抒情性を併せ持っていた。この緻密な音作りがあったからこそ、この曲は単なる「冬のヒット曲」に留まらず、日本の音楽史に燦然と輝く「冬の叙事詩」としての地位を確立したのだ。

結果として、このシングルは160万枚を超えるという驚異的なセールスを記録。さらに同年の「第41回日本レコード大賞」で大賞を受賞するという快挙を成し遂げた。名実ともに、日本を代表するロックバンドとしての頂点を極めた瞬間だった。

しかし、数字以上に重要なのは、この曲が27年という時を経てもなお、冬が訪れるたびに人々の心の中で再生され続けているという事実である。雪が降る気配を感じたとき、あるいは大切な人の不在をふと感じたとき。あの白銀の世界から届けられた旋律は、今も変わらず私たちの記憶を優しく、そして力強くノックし続けている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。