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「残ってたから」休憩室のお菓子を全部持ち帰る同僚にモヤッ → 「気をつけます、、」と反省したワケ

  • 2025.12.7

私が調剤薬局で働いていたときのことです。休憩中にみんなで分け合うはずの差し入れが、なぜか翌日には全部なくなっていることが続きました。実は、同僚が独り占めして持ち帰っていたことが発覚して……。

共有のお菓子が、いつの間にか消える

私が薬局で働いていた頃、患者さんや同僚からお菓子をいただくことがよくありました。箱入りのお煎餅やチョコレートなど、休憩室のテーブルに置いて「ご自由にどうぞ」とみんなでシェアするのが習慣です。

ところがあるときから、翌日出勤してみるとお菓子がきれいさっぱりなくなっていることが続きました。「昨日置いたばっかりなのに、もう空?」と、私だけでなく他のスタッフも同じように驚いていました。シフト制なので、前日に休みだった人には一口も行き渡らないこともあり、「せめて残しておいてほしいよね」とみんなで首をかしげていました。

犯人はまさかの同僚

そんな状況が続くうちに、だんだん「誰が全部持って帰ってるんだろう……?」という話題になりました。しばらくして、ある同僚がぽろっと言ったのです。「昨日、野田さん(仮名)が“家族が喜ぶからもらって帰るね〜”って言ってましたよ」

いつも明るくて人懐っこい野田さん。悪気はまったくなく、本人も堂々と「これ残ってたからもらっちゃった〜」と笑っていたそうです。実際、本人に「昨日のお菓子、まだもらってない人もいて……」と伝えても、「あ、ごめんごめん!」と軽く受け流すだけ。悪気がないだけに、強くは言えず、みんななんとなくモヤモヤしたまま過ごしていました。

ついに上司がひとこと

そんなある日、休憩室に新しい貼り紙が貼られていました。『お菓子・差し入れはみんなでシェアしてください。翌日以降に出勤する人の分も“必ず”残してください』

一目で状況を察したスタッフたちはクスッと笑い、「ついに注意書きが出たね」と小声で話していました。野田さんはそれを見て「あ、気をつけます〜」と照れ笑い。怒られるよりも効いたようで、その日からはお菓子がごっそり消えることはなくなりました。

みんなでお菓子を分け合う時間

それ以降は、お菓子をみんなで少しずつ分け合い、「このクッキー美味しいね」「次はこれ食べよう」とお茶を飲みながら談笑することが増えました。野田さんもきちんと人数分を残してくれるようになりました。

たった一枚のメモで、職場の空気がこんなに穏やかになるなんて、ちょっと驚きです。“気づかせ方”ひとつで、人の行動や空気は変えられる。あの出来事は、それを実感した瞬間でした。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2022年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

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