1. トップ
  2. 「未だ超える作品ない」47年前、NHKで放送された『不動の名作アニメ』…今なお色褪せない“圧巻の完成度”

「未だ超える作品ない」47年前、NHKで放送された『不動の名作アニメ』…今なお色褪せない“圧巻の完成度”

  • 2025.12.28

ドラマや映画の中には、観る者を驚嘆させるほど緻密に作り込まれた作品があります。今回は、そんな中から“絶大な人気を誇る名作アニメ”を5本セレクトしました。

本記事ではその第2弾として、アニメ『未来少年コナン』(NHK総合)をご紹介します。1978年に放送された、数々のスタジオジブリ作品を手がける宮崎駿監督の初監督作品です。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

undefined
GoogleGeminiにて作成(イメージ)
  • 作品名(放送局):アニメ『未来少年コナン』(NHK総合)
  • 放送期間:1978年4月4日~1978年10月31日

大変動から20年後。孤島・のこされ島にはおじい(CV:故・山内雅人)と呼ばれる老人と、大変動の後に生まれた少年・コナン(CV:故・小原乃梨子)が住んでいました。ハナジロと呼んでいるサメをしとめた帰り、コナンは砂浜に打ち上げられている少女・ラナ(CV:信澤三恵子)を発見したのでした……。

画面から伝わるコナンの躍動感

1978年に放送されたアニメ『未来少年コナン』は、今なお色褪せない輝きを放つ名作です。その最大の見どころは、圧倒的な動きの表現にあります。コナンが崖を駆け下り、海を泳ぎ、廃墟を飛び越える――。一つひとつのアクションに、身体の感覚がそのまま伝わってくるような躍動感があり、視聴者の心まで一緒に走り出すような感覚を味わえます。

物語の軸となるのは、文明崩壊後の世界で出会ったコナンとラナの冒険と成長。科学文明の暴走と翻弄される人間の姿を描きながらも、作品全体を貫くのは、人はどう生きるべきかというまっすぐな問いかけです。自然とともに生きる力強さ、他人を思いやる優しさ、未来を信じる意志が、コナンという存在を通して丁寧に描かれています。

宮崎駿監督の“初監督作品”

アニメ『未来少年コナン』についてSNSでは「宮崎駿の名作」「1978年の作品とは思えないクオリティ」「未だ超える作品ない」との声があがりました。NHKの最高傑作と称される完成度を持つ本作は、宮崎駿監督が初めて演出を務めた初監督作品です。『千と千尋の神隠し』『もののけ姫』『風の谷のナウシカ』といった数々のスタジオジブリ作品を手がけてきた宮崎監督の“原点”と言えるでしょう。

また、2025年6月にはトリビュートイベント『僕たちの未来少年コナン展2025』が開催されました。日本アニメーション創業50周年記念企画であるこのイベントでは、『未来少年コナン』に魅せられたアーティストたちによって、個性あふれる作品が集結。そのなかには、『ワンパンマン』『アイシールド21』の作画を担当する漫画家・村田雄介先生や、『モト子せんせいの場合』『ライトブルーペイジ』を手がける漫画家・さべあのま先生の作品も展示されました。

たくさんのアーティストに影響を与え、愛され続けている『未来少年コナン』は、何度も繰り返し観るリピーターも相次いでいます。素朴で力強いキャラクターデザインや、希望に満ちたラストのように、本作は世代を超えて“生きる力”を届けてくれる作品です。今あらためて観ることで、そのメッセージの強さと温かさに、きっと心を揺さぶられるでしょう。


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari