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冷え切った夫婦関係に不倫…「リアルで生々しい」「人間の醜さが詰まってる」リアリティで魅せた傑作映画

  • 2025.12.27

社会の荒波や周囲との温度差、自分自身の内面に潜む葛藤に、ふとした瞬間足がすくんでしまう“生きづらさ”。映画やドラマの世界では、そんな言葉にできない孤独や痛みに寄り添い、不器用ながらも懸命に今日を繋ぐ主人公たちの姿が、観る者の心に深い共感を呼んできました。今回は、そんな“生きづらさが刺さる作品”5選をセレクトしました。

本記事では第1弾として、2023年公開の映画『ほつれる』(ビターズ・エンド)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“生きづらさが刺さる作品”映画『ほつれる』

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第62回ブルーリボン賞授賞式 門脇麦(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『ほつれる』(ビターズ・エンド)
  • 公開日:2023年9月8日

あらすじ

夫である文則(田村健太郎)との夫婦仲がすっかり冷え切っている綿子(門脇麦)は、友人の紹介で知り合った木村(染谷将太)と頻繁に逢瀬を重ねていました。

しかしある日、綿子と木村の関係を揺るがす決定的な出来事が起こります。それをきっかけに、平穏を装っていた日常の歯車は徐々に狂い始め、綿子は取り返しのつかない現実に向き合うことになるのでした―。

映画『ほつれる』の見どころ ※ネタバレあり

映画『ほつれる』は、ある出来事をきっかけに1人の女性の周囲で静かに、しかし決定的に綻んでいく人間関係の機微を冷徹な視線で捉えた人間ドラマ。夫との冷え切った関係や、逃げ場のない心理的窮地に追い込まれていく主人公の姿は、観る者に強い圧迫感を与えます。SNSでは「何とも息苦しい映画」という感想や、救いのない展開や登場人物たちの行動に対し「共感できないし終始居心地の悪いモヤモヤ感が続く」といった、全編に漂う重苦しいエネルギーに翻弄されたという声が多く寄せられており、観客の精神をじわじわと追い詰めていきました。

一方で、本作は演劇界で高く評価される加藤拓也監督ならではの、極限まで磨き上げられたセリフ回しと演出が光る一作です。飾らない言葉の応酬から、隠された本音や虚偽が剥き出しになっていく過程は圧巻。SNSでは「リアルで生々しい」「人間の醜さが詰まってる」といった息苦しいまでのリアリズムを称賛する声が寄せられています。現代社会に生きる人々の心に深く突き刺さる傑作として高く評価されました。

門脇麦の圧倒的な演技が高評価「映画ファンを唸らせる演技」

映画『ほつれる』で主演を務める門脇麦さんは、夫との冷え切った関係や、突然の事故で失った恋人への行き場のない感情を抱える主人公・綿子を演じています。劇的なセリフや過剰な演出に頼ることなく、視線の動かし方や沈黙やセリフの間の取り方ひとつで、言葉にできない葛藤を表現する門脇さんの芝居は、観る者を深く物語へと引き込んでいきました。

その卓越した表現力は、多くの映画ファンから高い評価を得ています。複雑な心の機微を丁寧かつリアルに描き出す圧巻の演技に、SNSでは「映画ファンを唸らせる演技」「やはり素敵な女優」「表現力が光ってた」といった絶賛のコメントが寄せられました。佇まいだけで抜群の存在感を放つ門脇さんの名演が、本作を唯一無二の作品に押し上げていることは間違いありません。

映画『ほつれる』を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、“あまりにも静かで痛烈な愛の末路”をぜひご覧ください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です