1. トップ
  2. 16年の時を経て蘇った伝説作→「どこにも配信してない」賛否巻き起こしたリメイクアニメ

16年の時を経て蘇った伝説作→「どこにも配信してない」賛否巻き起こしたリメイクアニメ

  • 2025.12.22

ドラマや映画の中には、観る者を驚嘆させるほど緻密に作り込まれた作品があります。今回は、そんな中から“リメイクに衝撃走った名作アニメ”を5本セレクトしました。

本記事では、その第2弾としてアニメ『ドクタースランプ』(フジテレビ系列)をご紹介します。旧TVアニメ版の放送から16年ぶりにリメイクされた、故・鳥山明先生による漫画を原作とした作品です。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

undefined
※Google Geminiにて作成(イメージ)
  • 作品名(放送局):アニメ『ドクタースランプ』(フジテレビ系列)
  • 放送期間:1997年11月26日~1999年9月22日

ペンギン村に住む超天才・則巻千兵衛博士(CV:屋良有作)は、ついに完璧な人型ロボットを完成させようとしていました。その名も“アラレ(CV:川田妙子)”。千兵衛好みの見た目で、理想の“美人型お手伝いアンドロイド”として製作された……はずでした。しかし、アンドロイドを作るオートマシーンから出てきたのは、メイド服をだぼだぼに着た子ども!

物は試しとアラレに部屋の片づけを頼んだところ、“んちゃ砲”で部屋ごと吹き飛ばしてしまい、作り直そうにもオートマシーンもデータも残っていません。こうして、“則巻アラレ”が誕生し、個性豊かなペンギン村の住人たちとの愉快な物語が始まりました。

垣間見える鳥山明先生ならではの遊び心

『ドクタースランプ』は、原作の持つ破天荒なギャグとナンセンスな世界観はしっかりと受け継ぎつつ、テンポや演出を当時の子どもたちにもわかりやすい形に再構築している点が見どころとなっています。そして最大の魅力は、アラレちゃんの無邪気さと圧倒的なパワー。人間離れした行動や突拍子もない発言は健在で、日常と非日常が軽やかに混ざり合うペンギン村の空気感が、何度観ても心を和ませてくれます。

則巻千兵衛をはじめとする個性豊かなキャラクターたちも、リメイク版では表情や動きがより豊かになり、ドタバタ劇の楽しさが一層引き立っています。子どもから大人まで笑える、軽快で楽しいギャグもポイントです。

原作や旧作を知っている人には懐かしさを、新規視聴者にはわかりやすい楽しさが感じられるような、ちょうどいいバランスが本作にはあります。また、『ドラゴンボール』のキャラクターが登場するなど、原作者:故・鳥山明先生が手がける作品ならではの遊び心も健在で、ファンにはうれしいサプライズとなっています。

大幅に手を加えられ、16年ぶりに復活した『ドクタースランプ』

1981年より放送された『Dr.スランプ アラレちゃん』のリメイク版にあたる『ドクタースランプ』。16年ぶりにリメイクされ復活を遂げた本作についてSNSでは「どこにも配信してない」「DVDBOXは凄まじく高騰してる」「受け入れられなかった人もいた」との声があがりました。

アラレちゃん役が小山茉美さんから川田妙子さんへと変更になったように、旧TVアニメ版とリメイク版ではキャストがガラッと入れ替わっています。それだけでなく、アラレちゃんの髪の色やデザインも、時代に合わせて大幅に手を加えられているのです。オリジナルエピソードも多数あり、“新生アラレちゃん”と言っても過言ではありません。

『ドラゴンボール』とともに、鳥山先生の代表作として挙げられる『ドクタースランプ』。原作へのリスペクトと時代に合わせた再解釈が共存する本作は、作品の変わらない面白さを実感させてくれるリメイクだと言えるでしょう。肩の力を抜いて楽しめる、そんなやさしさに満ちた作品です。


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari