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「過激とかのレベルじゃない」度肝を抜く“濃密シーン”に騒然…“色気ダダ漏れ”の妖艶女優が魅せた名映画

  • 2025.12.21

ドラマや映画の中には、あまりの衝撃に目を背けたくなる作品があります。今回は、そんな中から"人間の本性をむき出しにする名作"を5本セレクトしました。本記事ではその第4弾として、映画『花と蛇』(東映)をご紹介します。夫の裏切りによって地獄を見る妻、欲望に狂う権力者たち――理性のタガが外れた先に待つものとは――?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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小説発売記念サイン会を行った杉本彩(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『花と蛇』(東映)
  • 公開日:2004年3月13日
  • 出演:杉本彩 (遠山静子 役)

大手企業「遠山ビルディング」の社長・遠山隆義(野村宏伸)の妻・静子(杉本彩)は、世界的に知られるタンゴダンサーです。完璧な美貌と知性を備えながらも、夫との関係はすでに冷え切っており、形式的な日々を送っていました。

そんな静子に執着するのが、政財界を裏で動かすフィクサー・田代一平(石橋蓮司)です。95歳にしてなお権力を振るう彼は、弟子の暴力団組長・森田幹造(遠藤憲一)に静子の拉致を指示。森田は、夫・遠山を罠にかけて静子を拉致し、目隠しと猿ぐつわをしたまま、円形のコロシアムへと連れ込みます。そこは、セレブたちが高額な会費を支払い、秘密裏に“SMショー”を観覧する禁断の秘密クラブでした。

壇上に立たされた静子は、必死に抵抗しますが、ボディガードの京子(未向)までもが捕らえられたと知り、もはや逃れることができません。観客の前で辱めを受ける中、ショーの終盤には田代自身が静子に手を伸ばします。しかし、95歳の老体はその最中に力尽き、息を引き取りました。

混乱の中、静子はコロシアムを脱出。迎えに来た夫・隆義の姿を目にした静子は拳銃の引き金を引くのでした――。

団鬼六の禁断の名作を映像化――“官能”を超えた人間ドラマ

映画『花と蛇』は、故・団鬼六さんの同名小説を原作に、2004年に公開された日本映画です。監督・脚本を務めたのは故・石井隆さんで、主演は杉本彩さん。共演には野村宏伸さん、石橋蓮司さん、遠藤憲一さん、未向さんらが名を連ね、レイティングはR15+指定となっています。

本作は、原作が持つSM文学の世界観を忠実に映像化しつつ、人間ドラマとしての深みを描いた作品です。物語の中心は、夫の裏切りによって地獄のような責めにさらされる令夫人・静子の転落と変化です。権力や欲望に翻弄される人々を通して、社会的地位や理性の裏に隠された“人間の本性”をあぶり出しています。

信頼していた夫の裏切り、支配欲にとり憑かれた老フィクサーの歪んだ執念、禁断のSMショーに興じるセレブたち――それらを容赦なく描き出す構成が、本作が「人間の本性をむき出しにする名作」と評されるゆえんです。SNSでは、あまりにも生々しい濃密描写に「過激とかのレベルじゃない」「生々しすぎる」といった声も。

また、主演の杉本彩さんには、「本当にすごい」「芸術性と創造性が素晴らしい」といった声が寄せられました。「圧倒的な美しさに息をのんだ」「哀愁を帯びた妖艶さ」「色気が凄い」との感想も多く、「誇り高く気品のある女優」と高く評価されています。体当たりの演技でありながらも上品さを失わない表現が、本作を唯一無二の作品にしています。

『花と蛇』はこれまでにも何度も映像化されてきました。1974年、谷ナオミさん主演による日活ロマンポルノ版がシリーズの原点となり、杉本彩さん主演の2004年版は大ヒットを記録。公開当時はメディアで連日取り上げられ、週刊誌でも特集が組まれるほどの社会現象となりました。

さらにその成功を受け、2005年には続編『花と蛇 2 パリ/静子』、2010年には『花と蛇 3』、2014年には『花と蛇 ZERO』が公開され、長くシリーズとして愛され続けています。

主演・杉本彩が魅せる“覚悟”と“美”

本作の見どころは、主演・杉本彩さんの極限まで追い込まれた演技です。単なる体当たりではなく、作品の世界観を背負う覚悟が伝わってきます。撮影に向けて徹底的に体を鍛え上げた杉本さんの肉体表現は、石井隆監督の映像美と融合し、倒錯と芸術が共存する独特の世界を生み出しました。大胆でありながら品格を失わないその演出――。原作である団鬼六さんのSM文学を、石井監督と杉本さんが現代的に再構築し、官能を超えた人間ドラマとして新たな命を吹き込みました。

一方で、観客からはさまざまな感想が寄せられています。「もう少し情念が欲しかった」といった声がある一方、「ダークな雰囲気がよかった」「知らない世界にドキドキした」「内容は過激だけど美しい」「ビジュアルが最高に萌える」「綺麗な杉本彩さんを観れるだけで満足」「シリーズの中で一番の名作」といった称賛も少なくありません。

石井監督の演出と杉本さんの覚悟が重なり、原作の倒錯した世界を芸術へと昇華させた本作。善悪や理性を超えたその世界に、観客は思わず息をのみます。まさに"人間の本性をむき出しにする名作"と呼ぶにふさわしい一作です。


※記事は執筆時点の情報です