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「正真正銘のヤバイ映画」息を呑む“生々しい過激描写”に騒然…心がエグられる『衝撃作』

  • 2025.12.22

ドラマや映画の中には、あまりの衝撃に目を背けたくなる作品があります。今回は、そんな中から"人間の本性をむき出しにする名作"を5本セレクトしました。本記事ではその第5弾として、映画『毒娘』(クロックワークス)をご紹介します。幸せな家庭に突如現れた謎の少女――彼女が暴き出す、家族の“秘密”と“毒”とは――?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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フジテレビ系ドラマの制作発表に出席した佐津川愛美(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『毒娘』(クロックワークス)
  • 公開日: 2024年4月5日
  • 出演:佐津川愛美 (萩乃 役)

萩乃(佐津川愛美)は、夫の篤紘(竹財輝之助)と娘の萌花(植原星空)とともに、中古の一軒家へ引っ越し、新しい生活を始めます。幼い頃、家庭に恵まれなかった萩乃にとって、温かい家庭を築くことは長年の夢でした。

しかし、ある日外出中の萩乃のもとに、萌花から助けを求める悲痛な電話が入ります。慌てて帰宅した萩乃が目にしたのは、荒れ果てた室内と、服を切り裂かれた萌花、そして大きな鋏を手に萌花に馬乗りになっている見知らぬ少女の姿でした。

その少女は、かつてこの家に住んでいたちーちゃん(伊礼姫奈)。以前、ある事件を起こして町を離れたはずの人物でした。しかし再び現れたちーちゃんは、無邪気な言動で萩乃の家族の平穏をかき乱していきます。

萩乃たちが守り続けてきた“幸せな家族”の裏には、誰にも言えない秘密が潜んでいました。ちーちゃんの存在が、その秘密を少しずつ露わにしていきます。穏やかだった日常は崩れ、家族は不安と混乱の渦へと巻き込まれていくのでした――。

ネット掲示板発のホラームービー

映画『毒娘』は、2011年にインターネットの匿名掲示板で話題となった“新婚家族を襲ったある出来事”をモチーフにした、オリジナル脚本のホラー映画です。

目を背けたくなるほどの現代社会の闇をリアルに映し出すテーマ性と、実在の投稿をもとにした構成が注目を集めました。監督は内藤瑛亮さん、脚本は内藤監督と松久育紀さんの共同執筆です。キャラクターデザインを担当したのは、漫画家の押見修造さんで、彼の繊細で人間の心の奥をえぐるような表現が、本作の不穏で息詰まる世界観を形づくっています。

キャストは、主人公・萩乃役を佐津川愛美さん、娘・萌花役を植原星空さん、そして家に現れる謎の少女・ちーちゃん役を伊礼姫奈さんが演じています。萩乃の夫・篤紘役には竹財輝之助さんが出演し、さらに馬渕英里何さん、凛美さん、内田慈さん、クノ真季子さんら実力派俳優が脇を固めました。

なかでも、主演をつとめた佐津川愛美さんには、「可愛い」「綺麗すぎる」「芯のある役がよく似合う」といった声のほか、「軽やかな演技が心地いい」「圧倒的な演技に脱帽」「幅広い役をこなせる女優さん」「大好き」と、多面的な魅力を称えるコメントが寄せられています。

本作はR15+指定となっており、家庭という閉ざされた空間で生まれる狂気と崩壊を描いた作品です。センセーショナルな題材でありながら、人間ドラマとしての深みも備えています。

さらに、映像作品だけにとどまらず、メディアミックスとしても展開。キャラクターデザインを手がけた押見修造さんによる前日譚漫画『ちーちゃん』が、“週刊ヤングマガジン”で2024年1月から短期集中連載され(現在は完結・単行本発売中)、映画本編では語られなかった少女の過去が明かされました。映像と漫画が相互補完の構成で、作品世界に奥行きをもたらしています。

監督・内藤瑛亮さんが生み出す緊迫感と、キャスト陣の迫真の演技が融合した映画『毒娘』は、2024年を代表する怪作として多くの注目を集めました。

“純度100%の悪意”――トラウマ必至のホーム・パラサイト・ホラー

家庭という最も安全であるはずの場所が、突如“恐怖の舞台”へと変貌する本作は、家庭に潜む“毒”を鋭く描くホーム・パラサイト・ホラーです。平穏だった家に現れた少女・ちーちゃんという“異物”の存在が、家族の負の感情をあぶり出していきます。

さらに、本作は匿名掲示板で話題となった投稿をモチーフとしており、匿名社会で生まれた恐怖を“現実”として描くことで、作品の不気味さをいっそう際立たせました。

監督の内藤瑛亮さんは、社会の抑圧や若者の生きづらさといったテーマを描いてきたことで知られ、本作でもその鋭い観察眼と繊細な演出が光っています。

一方、キャラクターデザインを担当した押見修造さんは、思春期の心の闇を描いてきた漫画家であり、彼の手によって生み出されたちーちゃんは、常識や善悪の枠にとらわれない“純度100%の無邪気な悪意”を体現する存在です。その独特な存在感が、観る者の心に強烈な印象を残します。

一部では「期待したほどではなかった」といった声がある一方で、思わず息を呑む生々しい過激描写に「ホラーというより人間が怖い」「1秒たりとも退屈しない」「ラストの演出が最高」「正真正銘のヤバイ映画」「ホラー以上の深さがある名作」「最高のシスターフッド映画」といった感想も多く寄せられています。

家庭という閉ざされた空間を舞台に、感情の歪みを赤裸々に描いた本作は、“人間の本性をむき出しにする名作”と呼ぶにふさわしい一作です。


※記事は執筆時点の情報です