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「色気が凄い」"生々しい濃密シーン"に騒然…「あまりに妖艶」清純派女優が『至高映画』で魅せた“体当たり演技”

  • 2025.12.23

映画の中には、観終わった後もしばらく席を立てなくなるほど、心に深い爪痕を残す作品があります。今回は、そんな中から"絶賛の声が相次ぐ名作"を5本セレクトしました。本記事ではその第2弾として、映画『ゆきてかへらぬ』(キノフィルムズ)をご紹介します。大正時代の京都と東京を舞台に、実在した男女3人の出口のない愛と青春を描いた本作。なぜこれほどまでに観客の心を揺さぶるのか、その理由に迫ります。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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新しいカメラの機能で撮影を楽しんだ広瀬すず(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『ゆきてかへらぬ』(キノフィルムズ)
  • 公開日:2025年2月21日
  • 出演: 広瀬すず(長谷川泰子 役)

大正時代の京都。20歳の新進女優・長谷川泰子(広瀬すず)は、17歳の学生・中原中也(木戸大聖)と出会います。互いに強く惹かれ合った二人は、やがて同棲を始めました。

その後、東京へと移り住んだ二人のもとを、中也の友人である小林秀雄(岡田将生)が訪ねてきます。秀雄は中也の詩人としての才能を誰よりも高く評価しており、中也もまた、批評の名手として知られる秀雄に認められることを誇りに思っていました。

しかし、そんな二人の姿を見るうちに、泰子は自分だけが取り残されたような寂しさを覚えます。
そして、秀雄はそんな彼女に心惹かれていくのでした――。

40年封印された"幻の脚本"が奇跡の映画化

本作『ゆきてかへらぬ』は、単なる恋愛映画の枠に収まらない、映画史的な“事件”とも呼べる作品です。

脚本を手掛けたのは、鈴木清順監督の『ツィゴイネルワイゼン』などで知られる伝説的脚本家・田中陽造さん。実はこのシナリオ、40年以上も前に書かれたものの、多くの監督が映画化を熱望しながら長らく実現しなかった“幻の脚本”でした。その封印を解いたのが、『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』以来、16年ぶりにメガホンをとる名匠・根岸吉太郎監督です。

長い眠りから覚めたこの企画には、現代を代表する豪華キャストが集結しました。

主演の長谷川泰子を演じるのは広瀬すずさん。そして、夭逝の天才詩人・中原中也には、今もっとも勢いのある若手俳優の一人である木戸大聖さん。後に「知の巨人」と呼ばれる小林秀雄役には、実力派の岡田将生さんが名を連ねています。

本作の芸術性は国際的にも高く評価されており、第54回ロッテルダム国際映画祭のビッグスクリーンコンペティション部門に正式出品されました。また、広瀬すずさんは本作を含む演技で第17回TAMA映画賞の最優秀女優賞を受賞。木戸大聖さんもELLE CINEMA AWARDS 2025で「エル・ガール ライジングスター賞」に輝いています。

「伝説の脚本×名匠の復活×若手実力派の競演」。この奇跡的な組み合わせが、魂を揺さぶる一作を生み出しました。

広瀬すずが魅せた"魔性の女"

本作最大の見どころは、これまでのイメージを根底から覆す広瀬すずさんの“憑依的な演技”です。

広瀬さんが演じる泰子は、二人の天才に愛され、そして狂わせる「魔性の女」ですが、決して計算高いわけではありません。彼女はただ、自分の感情に正直に、獰猛なまでに生きている女性です。

特に話題を集めたのが、泰子と中也の激しい喧嘩シーン。「取っ組み合い」という言葉では生ぬるいほど、互いに手も足も出る壮絶な魂のぶつかり合いが描かれます。さらに、秀雄との濃密シーンにSNSでは「生々しい」「色気が凄い」「刺激的すぎる」との声も見られました。

かつての「朝ドラヒロイン」としての清廉なイメージをかなぐり捨て、生身の人間の業をさらけ出す姿は、女優としての新境地といえるでしょう。そんな広瀬さんには、「美しくて魅了された」「あまりに妖艶」「演技の幅に圧倒された」と称賛の声が多数寄せられています。

また、岡田将生さん演じる小林秀雄の視点も、物語に深い陰影を与えています。小林が泰子に惹かれたのは、単なる恋愛感情だけではありません。「彼女を通して、中原中也という才能に触れたかった」――そんな複雑で倒錯した欲望が、この三角関係をよりスリリングなものにしています。

大正ロマンを感じさせるレトロで美しい衣装や美術セットも見どころの一つですが、そこで繰り広げられるのは、綺麗事一切なしの人間ドラマです。

一部には、「内容が難解」「三角関係にハマれなかった」といった感想もありましたが、「映像が最高に美しい」「世界観がよかった」「純文学のように味わい深い作品」「心に沁みた」「すべてが圧巻」といった絶賛の声が多数寄せられています。それほどまでに、一度観たら忘れられないインパクトを残す作品です。

単なる過去の偉人の伝記映画ではなく、普遍的な若者の焦燥、才能への嫉妬、そして燃え尽きるような恋情が、圧倒的な熱量で描かれている、映画『ゆきてかへらぬ』。

40年の時を経て公開された本作は、まさに『絶賛の声が相次ぐ名作』と呼ぶにふさわしい一作です。


※記事は執筆時点の情報です