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「めっちゃ過激」「グロすぎる」異質な脚本が絶賛された“18禁の衝撃作”

  • 2025.12.16

ドラマや映画の中には、あまりの衝撃に目を背けたくなる作品があります。今回は、そんな中から"人間の本性をむき出しにする名作"を5本セレクトしました。

本記事ではその第3弾として、映画『MAD MASK』(IVS41、グレープカンパニー)をご紹介します。被害者の顔を剥ぎ取り、自らの顔とする猟奇殺人鬼。ある一枚の「マスク」を被った瞬間――制御不能な悪夢が幕を開ける、戦慄のストーリーとは――?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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初フォトエッセーの発売イベントを開催した歌手・アイナ・ジ・エンド(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『MAD MASK』(IVS41、グレープカンパニー)
  • 公開日:2025年7月25日

とあるバーに、ひとりの男が姿を現します。店のマスターは、客を殺害してその顔の皮を剥ぎ、マスクとして被るという異常な嗜好を持つ猟奇殺人鬼でした。マスターはその男を殺し、いつものように顔の皮を剥いでマスクを被ります。

その瞬間、悪夢のような映像が脳内に流れ込んできました。その映像の中で、マスターはいつも以上に狂気じみた殺人を繰り返していたのです…。それが男の意識に支配された現実の出来事なのか、それとも妄想なのか――。

マスクを外そうとしても、すでに皮膚と融合し始めており、取り外すことができません…。混乱と恐怖に支配されたマスターの前に、ひとりの謎の女が姿を現すのでした――。

芸人・永野の脳内を映像化――R18+で描く“タブーなき”問題作

本作は、芸人・永野さんが監督をつとめ、自身の創作衝動と独自の世界観をもとに作り上げたパーソナルなプロジェクトです。2025年に制作され、レーティングはR18+。U-NEXTでは無修正版、Prime Videoでは劇場版が配信されています。

13年前に披露したお笑いネタを原型としており、「思ってはいけないこと」「やってはいけないこと」を詰め込み、自らの“気持ち悪い部分”を凝縮した集大成として位置づけられています。社会的な建前や倫理観の裏側にある、人間のタブーや葛藤をあえて映像化することが、本作の大きなテーマ。まさに“人間の本性をむき出しにした”作品として強烈な印象を残します。

監督は永野さん、共同監督は新井勝也さん。脚本は永野さんと新井さんが共同で手がけ、音楽は金子ノブアキさんとYOW-ROWさんが担当しています。キャストには永野さんをはじめ、金子ノブアキさん、アイナ・ジ・エンドさん、D.Oさん、戸塚祥太さん(A.B.C-Z)、セイジさん(ギターウルフ)、岩井ジョニ男さん(イワイガワ)、ヒャダインさん、YOW-ROWさん、虹の黄昏さん、そして斎藤工さんらが名を連ねています。

なかでも、アイナ・ジ・エンドさんには、「可愛い」「顔が大好き」といった声が多く寄せられました。一方で、「ロックな女性」「狂気的な芝居がよかった」「存在感がすごい」と評する声もあり、その魅力の幅広さが際立ちます。静と動が同居するような彼女の演技は、観る者に強烈な印象を残しました。

さらに本作は、第29回プチョン国際ファンタスティック映画祭の“アドレナリン・ライド部門”で入選。この部門はホラーやアクションなど、観客の心拍数を高める刺激的な作品を集めたもので、映画祭側は本作を「形容しがたい狂気じみた魅力がある」と紹介。理屈を超えた映像体験として高く評価しています。

縁でつながる豪華キャスト――化学反応が生んだ永野ワールド

本作の見どころは、永野監督と縁のある人物たちがジャンルを越えて集まり、独特の空気感を形作っている点にあります。キャスティングは一般的なオーディション形式ではなく、監督が日頃から関わりのある人々へ直接声をかける形で行われました。異なる背景を持つ出演者たちの個性がぶつかり合うことで、独特の緊張感と軽やかさが生まれました。

また、北野武監督の初期作品に影響を受けた永野監督は、自身の内に秘めた衝動や迷いを飾り立てることなく映像に投影しました。心の奥底にある想いを赤裸々に描き出した結果、映倫から複数の指摘を受けるほど過激な表現となりましたが、それこそが永野監督の掲げる“表現の自由”を象徴しています。

「めっちゃ過激」「グロすぎる」といったその過激さに驚く声や、「永野ワールド全開」「世界観が面白い」「コンプラぎりぎりの攻めが最高」「最後まで惹きつけられた」「人間臭さがたまらない」「超傑作」といった称賛の声も少なくありません。

永野監督が出せるすべてを注ぎ込んだ本作は、まさに“人間の本性をむき出しにした名作”と呼ぶにふさわしい異色作です。


※記事は執筆時点の情報です