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今や"令和のカリスマ" 軍手をはめたステージ裏方が国民的アイドルに至るまで

  • 2025.12.16

作品ごとにまったく異なる表情を見せ、見る人の心を一瞬でつかむ俳優がいます。今回は、そんな中から"破格の名演で魅せる演技派俳優"を5名セレクトしました。本記事ではその第1弾として、目黒蓮さんをご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

経歴

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※Google Geminiにて作成(イメージ)

目黒蓮さんは、東京都出身のアイドル・俳優です。2010年、中学2年生の時にジャニーズ事務所(現:STARTO ENTERTAINMENT)へ入所。しかし、その道のりは決して平坦ではなく、デビューまでは9年という長い下積み期間を要しました。

ジャニーズJr.内ユニット「宇宙Six」としての活動を経て、2019年に「Snow Man」へ加入。2020年1月にCDデビューを果たします。デビュー後は飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍し、2022年のドラマ『silent』での好演が社会現象となる大ヒットを記録。

その後も映画『わたしの幸せな結婚』での単独初主演や、ドラマ『トリリオンゲーム』『海のはじまり』など話題作に次々と出演。現在はアイドル活動にとどまらず、FENDIのジャパンメンズブランドアンバサダーとしてミラノコレクションに参加するなど、世界を舞台に活躍しています。

躍進を続ける現在地

目黒蓮さんは現在、日本のエンターテインメント界を牽引する存在として、目覚ましい躍進を続けています。2025年2月公開の映画『劇場版 トリリオンゲーム』は、公開後約1週間で興行収入9億円、観客動員数65万人を突破する大ヒット。

さらに、米テレビ界最高峰のエミー賞を制覇したドラマ『SHOGUN 将軍』シーズン2への出演が決定しました。自らオーディションに参加して、和忠役を勝ち取ったといいます。撮影期間中はドラマに専念するため、グループ活動を一時離れるという決断も、俳優業への並々ならぬ覚悟を感じさせます。

また、2026年には映画『ほどなく、お別れです』で浜辺美波さんとのW主演も控えており、その勢いは止まることを知りません。

苦節9年、軍手で支えた裏方時代

今でこそ"令和のカリスマ"として華やかなスポットライトを浴びる目黒蓮さんですが、デビューまでの9年間は決して煌びやかではなかったといいます。

入所当時はなかなか目立つポジションを得られず、同期がステージの真ん中で輝く一方、目黒さんは袖で軍手をはめ、ステージ演出の裏方手伝いをしていたこともあったそうです。自分は「一番後ろの端っこ」で踊る存在であり、同期と競い合う気持ちにすらなれない場所にいたと回顧しています。

「このままでは終われない」。19歳の頃、芸能界を辞めることまで考えた目黒さんは、自分自身に「2年」というタイムリミットを設けました。夢ノートに「月9の主演をしたい」と書き込み、周囲にやりたいことを公言するように意識を変革。髪型を変え、退路を断って挑んだその「意識改革」が、後のSnow Man加入、そしてデビューへの道を切り拓きました。

また、かつて「宇宙Six」で苦楽を共にした盟友・原嘉孝さんの存在も大きかったといいます。別のグループでのデビューが決まった際、原さんは目黒さんを温かく送り出してくれたそうです。このエピソードからは二人の間に結ばれた深い絆と信頼関係がうかがえます 。

積み重ねた悔しさと、仲間への想いがあったからこそ、目黒蓮さんの演技には人の心を震わせる熱量が宿っているのかもしれません。

今観るべき出演作品

目黒蓮さんの魅力を語るうえで欠かせないのが、役柄ごとに別人かのように染まる「憑依的」な演技力です。ここでは、彼の俳優としての進化を堪能できる“今観るべき代表作”を4本ご紹介します。

『silent』(2022年)
目黒さんの名を世に知らしめた出世作。若年発症型両側性感音難聴を患い、聴力をほとんど失った青年・佐倉想を好演しました。言葉を発しない繊細な表情演技は「泣ける」とSNSで拡散され、見逃し配信の再生回数は歴代記録を更新。社会現象を巻き起こしました。

『わたしの幸せな結婚』(2023年)
映画単独初主演を果たした本作では、冷酷無慈悲と噂される軍人・久堂清霞を好演。その圧倒的な美しさはもちろん、ヒロインへ徐々に心を開いていく姿で観客を魅了しました。興行収入約28億円の大ヒットを記録した本作は、目黒さん自身が演技の土台を築いたと振り返るほど、重要な転換点となっています。

『トリリオンゲーム』(2023年・2025年)
“世界一のワガママ男”・ハルを演じ、これまでの誠実なイメージを一新。ハッタリと野心を武器に1兆ドルを稼ごうとする痛快な役どころで、コメディセンスとスター性を発揮しました。2025年の劇場版ではカジノリゾート開発に挑み、スケールがさらに拡大しました。

『海のはじまり』(2024年)
フジテレビ系「月9」枠での初主演作。突然自分の娘の存在を知らされた主人公・月岡夏を演じ、戸惑いながらも父親になろうとする複雑な心情を丁寧に表現しました。派手な展開に頼らず、親子の愛をリアルに描いた本作は、視聴者の深い共感を呼びました。

「明日を生きる活力」を届けるために

デビューから数年で、日本を代表するトップスターへと駆け上がり、「今や世界が注目する」と称される目黒蓮さん。しかし、その根底に流れているのは、世に送り出す表現のすべてに全力を注ぐストイックなプロ意識と、日々の生活に困難を感じている人々に、明日への活力を届けたいという温かい願いです。2025年2月16日に放送された『日曜日の初耳学』で目黒さんは以下のように語っています。

僕たちを見てくださる方の中には、もしかしたらすごくギリギリで今を生きていらっしゃる方もいると思う。そういう方に明日を生きる活力になるようなパワーを届けるのが僕たち。
『日曜日の初耳学』MBS/TBS系 2025年2月16日放送

どんなに環境が変わっても、かつて軍手をはめて舞台袖にいた頃のハングリー精神と感謝を忘れない目黒さん。世界という新たな大舞台へ挑むその勇姿に、ますます期待が高まります!


※記事は執筆時点の情報です