1. トップ
  2. 「最初から最後まで最高」“至高の物語”に視聴者絶賛…世代を超えて愛される『NHKアニメ』

「最初から最後まで最高」“至高の物語”に視聴者絶賛…世代を超えて愛される『NHKアニメ』

  • 2026.1.1

懐かしい記憶や、親から子へと受け継がれる感動など、幅広い世代の心に深く刻まれているNHKアニメ。公共放送ならではの高いクオリティと、単なる娯楽に留まらない深い教育性やメッセージ性を兼ね備えた作品の数々は、放送終了から時が経っても色褪せることがありません。今回は、そんな“NHKの名作アニメ”5選をセレクトしました。

本記事では第3弾として、1990年放送のアニメ『ふしぎの海のナディア』(NHK)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“NHKの名作アニメ”『ふしぎの海のナディア』

undefined
GoogleGeminiにて作成(イメージ)
  • 作品名(放送局):アニメ『ふしぎの海のナディア』(NHK)
  • 放送期間:1990年4月13日~1991年4月12日

あらすじ

ジュール・ヴェルヌさんの小説『海底二万里(海底2万マイル)』および『神秘の島』を原案に、庵野秀明さんが総監督を務めたアニメーション作品。

1889年、フランスのパリ。万国博覧会の熱気に包まれたこの街では、誰もが輝かしい科学の未来を信じて疑いませんでした。しかし、技術の革新が進む一方で、海には正体不明の巨大な化け物が現れ、航路を脅かすという不気味な事件が相次いでいました。

そんな激動の時代に、発明をこよなく愛する少年であるジャン・ロック・ラルティーグ(CV:日髙のり子)は、父親を海獣の襲撃で失った悲しみを抱えながらも、万博の会場に足を運びます。そこでジャンは、サーカス団で働く美しい少女、ナディア・ラ・アルウォール(CV:鷹森淑乃)に心を奪われました。

ナディアが持つ謎の宝石を狙う追跡者たちの出現により、2人は思いもよらないトラブルに巻き込まれていきます。ナディアを守ることを決意したジャンは、自作の飛行機を駆使して、ナディアと共に広大な世界へと飛び出していくのでした―。

アニメ『ふしぎの海のナディア』の見どころ ※ネタバレあり

庵野秀明監督が手掛けたアニメ『ふしぎの海のナディア』は、19世紀末を舞台に、発明好きの少年ジャンと謎の少女ナディアが、万能潜水艦ノーチラス号とともに繰り広げる壮大な冒険活劇です。ジュール・ヴェルヌさんの小説を原案としつつ、古代文明や超科学といったSF的要素を大胆に盛り込んだ重厚な世界観は、放送から30年以上が経過した今でも多くのファンを惹きつけて離しません。中盤の無人島編についてはファンの間でも意見が分かれることがありますが、SNSでは「繰り返し見てしまう作品」「最初から最後まで最高だった」といった絶賛する感想が相次いでいます。

そんな本作が与えた影響は単なるエンターテインメントの枠に留まらず、多くの視聴者の価値観や人生の選択にまで及んでいるのが大きな特徴です。科学への憧憬や生命の尊厳、そして未知の世界へ踏み出す勇気を描いた物語は、特に多感な時期に鑑賞した人々の心に大きな影響を与えました。SNSでは「このアニメのお陰で夢が見れた」といった声が上がるなど、多くの人々にとって人生の羅針盤となるような、かけがえのない一作として高く評価されています。

エヴァの原点とも言える名作に隠された庵野秀明監督の破天荒な制作秘話

ファンの間で「エヴァの前に庵野監督が作った名作アニメ」として、今なお語り継がれているアニメ『ふしぎの海のナディア』。その壮大な冒険活劇は、後のアニメ界に多大な影響を与えた金字塔的な作品です。しかし、その制作の裏側では、監督を務めた庵野秀明さんによる、NHKのアニメ制作としては極めて異例な事態が起きていたといいます。庵野監督は当時の制作エピソードについて、「第27回東京国際映画祭」のトークショーで驚きの告白をしました。トークショーの様子を、映画情報サイトcinemacafeが次のように報じています。

ちょっとずつ、NHKの脚本を使わないようにしていき、最後は脚本すら読んでない(笑)! でも評判は良くて『勝てば官軍』なんだと感じた。プロデューサーも度量の広い人で、『好きにやらせれば面白くなりそうだ』と任せてくれるようになった出典:「庵野秀明、「トップをねらえ!」&「ふしぎの海のナディア」監督時代のエピソードを告白!」cinemacafe.net(2014年10月27日)

実は、NHKによる脚本の質が原因で元々監督を務める予定だった方が降板となっていた本作。その後、庵野監督に依頼が舞い込んできたものの、庵野監督自身も納得のいかない脚本だったようです。そこで、庵野監督はNHKの脚本をあえて読まず、自身の感性を信じて突き進んでいくことに。その結果として作品の熱量は高まり、視聴者からは絶大な支持を得ることとなりました。SNSでは「やっぱり庵野監督は天才なんだな」「庵野監督はやはり天才」といった驚きと称賛の声が相次いで寄せられています。

アニメ『ふしぎの海のナディア』を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、“心躍る海洋冒険ロマン”をぜひご覧ください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です