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「何だこのドラマは…」“秀逸な脚本”で魅せた至高作…3年前、話題集めた『日曜劇場』

  • 2026.1.1

ドラマや映画の中には、息をのむ展開で、観る人の心を強く揺さぶる作品があります。

特に、TBSテレビの日曜劇場枠は、重厚なテーマと豪華な俳優陣の共演により、毎クール高いクオリティで私たちを魅了し続けています。巨大な組織や資本に立ち向かう主人公の姿、そしてその裏にある人間ドラマは、多くの視聴者に感動と熱狂を与えてきました。

本記事では、2022年秋に放送された日曜劇場『アトムの童(こ)』をご紹介いたします。「ものづくり」の熱い魂と、若き天才たちの激突を描いた本作は、放送当時から大きな話題を呼びました。天才ゲームクリエイターと巨大資本が繰り広げる、感動と興奮のエンターテインメント作品の魅力とは――。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

あらすじ

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映画『キングダム2 遙かなる大地へ』完成報告会に出席した山﨑賢人(C)SANKEI
  • 作品名(放送局): 日曜劇場『アトムの童』(TBS系)
  • 放送期間: 2022年10月16日〜12月11日
  • 主な出演者: 山﨑賢人、松下洸平、岸井ゆきの、岡部大 他

あらすじ

時代をときめく若き天才ゲーム開発者・安積那由他(山﨑賢人)が、大資本の企業に立ち向かう姿を描いたオリジナル脚本の物語です。那由他さんは、ある出来事からゲーム開発の世界を離れ、静かに暮らしていました。

一方、老舗のおもちゃメーカー『アトム玩具』は、海外との価格競争などの影響で、廃業の危機に瀕していました。そこで、一発逆転の経営再建を図るため、ゲーム制作へ参入すべく、那由他こそが会社を救う切り札だと考え、『ジョン・ドゥ』名義で活動していた彼を探し始めます。

那由他は、かつての相棒である菅生 隼人(松下洸平)との間に生まれた確執や、巨大IT企業「SAGAS(サガス)」の社長である興津 晃彦(オダギリジョー)との因縁を乗り越え、再びゲーム作りの世界で立ち上がることができるのでしょうか。

デジタルゲーム業界を舞台に、那由他さん、隼人さん、海、そして興津さんらが、それぞれの信念と意地を懸けて繰り広げる、感動と興奮の「ものづくり」エンターテインメント作品となっています。

山﨑賢人さんとオダギリジョーさんが魅せた「天才」と「巨悪」の対決

本作の醍醐味は、主人公に立ちはだかる強大なライバルとの対決構造。主人公の天才ゲーム開発者・安積那由他さんを演じる山﨑賢人さんと、巨大IT企業「SAGAS」の社長・興津 晃彦さんを演じるオダギリジョーさんの対決が物語の核となりました。

山﨑賢人さんは、天才的なひらめきと技術を持ちながらも、過去の出来事からゲーム開発の表舞台から遠ざかっていた那由他さんの、内面に秘めた熱意を繊細に演じ切りました。その純粋な「ものづくり」への情熱は、観る者の心を打ちます。

一方、オダギリジョーさん演じる興津 晃彦さんは、那由他さんの前に立ちはだかる最大の敵です。冷酷なまでの合理主義と、圧倒的な資本力で「アトム玩具」を追い詰める巨悪として描かれました。オダギリさんは、知的で静かな佇まいの裏に、冷徹なM&Aを仕掛ける非情さを漂わせ、主人公とは対照的な「天才」の姿を表現しました。

山﨑さんとオダギリさんが繰り広げる、信念と信念、才能と才能が激突する緊迫の演技合戦は、まさに本作のハイライトです。巨大な資本と、小さな熱意が火花を散らす構図は、視聴者に「ものづくり」の真価を問いかけ、強い感動を与えました。

デジタルとアナログの対比が生む「ものづくり」の熱量と感動

本作の魅力は、最新のデジタルゲーム開発というテーマを扱いながらも、その根底にある「ものづくり」への熱い思いを描き切った点にあります。主人公の那由他さんが飛び込むおもちゃメーカー『アトム玩具』は、かつてアナログなおもちゃを作っていた老舗企業であり、資金もノウハウも持たない状況からデジタルゲームという畑違いの分野に挑戦します。

このデジタルとアナログの対比が、物語に深みを与えています。那由他さんたちは、会社の存続と自分たちの信念を懸け、「おもちゃ」作りの原点にあるような、純粋で熱量の高いゲーム開発に挑みます。一方で、興津さんが率いる巨大企業『SAGAS』は、利益と効率を最優先し、クリエイターの情熱よりも資本の論理で動きます。

この対立構造を通じて、ドラマは「本当に価値のあるものづくりとは何か」「クリエイターの情熱は資本に勝てるのか」という普遍的な問いを投げかけます。困難に直面しながらも、アイデアと技術、そして仲間の絆で立ち向かう姿は、まさに日曜劇場らしい胸の熱くなる感動を呼ぶ要素となっています。

SNSの声から見る『アトムの童』の魅力

本作は放送中、SNSでも大きな反響を呼びました。「物語に引き込まれた」「熱い」「何だこのドラマは…」「ゲーム愛が詰まってる!」といった意見も多く、俳優陣の新たな魅力と、熱いストーリー展開が高く評価されていました。

日曜劇場『アトムの童』は、デジタル時代における「ものづくり」の真価と、若き才能たちの熱き戦いを描いた、見応えのあるヒューマンドラマと言えるでしょう。


※記事は執筆時点の情報です