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「過呼吸になりそうになった…」“異常な没入感”で魅せた傑作映画…“生々しい過激さ”に震える一作

  • 2025.12.28

画面に映った瞬間に空気を変えてしまう圧倒的な存在感や、狂気すら感じさせる鬼気迫る表情。役そのものが憑依したかのような名優たちの演技が、作品を単なる物語から芸術の域へと高め、観客の心を震わせます。今回は、そんな“名優たちの快演が光る至高作”5選をセレクトしました。

本記事では第5弾として、2008年公開の映画『接吻』(ファントム・フィルム)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“名優たちの快演が光る至高作”映画『接吻』

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映画の公開記念舞台あいさつに登壇した小池栄子(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『接吻』(ファントム・フィルム)
  • 公開日:2008年3月8日

あらすじ

人付き合いが苦手で、孤独に過ごす会社員の遠藤京子(小池栄子)。ある日、まったく面識のない一家を無差別に殺害したとして、警察やマスコミの前に自ら名乗り出た坂口秋生(豊川悦司)の逮捕の瞬間をテレビニュースで目の当たりにした遠藤は、連行される坂口がふと浮かべた謎めいた微笑みに、強く惹きつけられます。

社会の中で孤独を感じながら生きてきた遠藤は、凶悪な殺人犯であるはずの坂口に自分と通じる何かを感じ取り、坂口に関する情報を集め始めます。やがてその想いは抑えきれないものとなり、彼女は獄中の坂口との接触を試みるなど、常軌を逸した破滅的な愛の道へと足を踏み入れていくのでした――。

映画『接吻』の見どころ ※ネタバレあり

映画『接吻』は、死刑囚に恋焦がれる女性の狂気を描いた衝撃作ですが、その導入部における暴力描写の凄惨さは観る者に深いトラウマを植え付けたようです。特に事件の引き金となる一家惨殺の場面は容赦がなく、直接的な描写はないものの、情景を想像しただけで心が抉られる気持ちになります。SNSでは「本当に怖い」「生々しい」といった恐怖を感じた声が寄せられており、その過激な内容は視聴者の覚悟を問うものとなっています。

一方で、理解不能なはずの狂気的な愛が、主演の小池栄子さんと豊川悦司さんの圧倒的な演技によって一種の純愛へと昇華されていく様は圧巻です。息苦しいほどの緊張感が作品全体に充満しており、SNSではその異様な熱量に「過呼吸になりそうになった…」という異常なまでの没入感の高さを示す声も上がるほど。また、常識や倫理を超えた愛情表現を描いた点について「今までに見たことない映画」と、既存のロマンスの枠組みでは語りきれない唯一無二の作品として称賛するコメントが相次いでいます。

狂気じみた演技で観客や映画界を震撼させた女優・小池栄子の原点

Netflixシリーズ『地面師たち』での怪演が記憶に新しく、その圧倒的な存在感で改めて世間を震撼させた女優・小池栄子さん。詐欺師集団の一員として見せた不気味なまでの迫力は大きな話題となりましたが、小池さんの女優としての凄みが遺憾なく発揮された原点とも言える作品が、映画『接吻』です。獄中の殺人犯に一方的な運命を感じ、狂気じみた愛に身を投じていく主人公を見事に演じきり、その実力を不動のものにしました。

本作で見せた小池さんの魂を削るような演技が話題を呼び、「第63回毎日映画コンクール」の女優主演賞や「第30回ヨコハマ映画祭」主演女優賞に輝くなど、映画界で高い評価を得ました。SNSでも「凄みがある演技で最高」「怖くなるくらい名演」「演技力がモンスター級」といった驚嘆や絶賛の声が相次いでいます。“小池栄子”という名優の深淵を覗き見ることができる一作となりました。

映画『接吻』を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、“息が詰まるほどの歪んだ愛の結末”をぜひご覧ください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です