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VERDY──「日本と海外の架け橋のようなアーティストになりたい」【THE ONES TO WATCH 2025 vol.6】

  • 2025.12.1

「毎日イラストやグラフィックをポストしているうちに、どんどん繋がりが広がっていきました」

多くの日本人クリエイターが海外で活躍の場を広げるなか、今、もっとも熱い視線を浴びているのがグラフィックアーティストVERDYヴェルディ)だ。彼の世界的な活躍はアートシーンにとどまらずファッション界でもひと際存在感を放っている。大阪出身のVERDYは2015年から自身のプロジェクト、「ウェイステッドユース」に続き「ガールズ ドントクライ」をローンチ。海外アーティストやセレブリティらがSNSで取り上げたことから徐々に注目を集め、世界中にその名が知れ渡るようになる。

昨年はNIGO ®による「ヒューマンメイド」のクリエイティブ・パートナーに就任し、大きな話題を呼んだ。「NIGO ®さんとの出会いは7年前。アンダーカバーと初めてコラボした年に、デザイナーの高橋盾さんから紹介していただきました。ずっと憧れの人だったのでうれしくて。ファッションを勉強してきたわけではないので、古着のアーカイブやファッションの細かなディテールまでたくさん学ばせていただきました」。VERDYにとって90年代の裏原カルチャーは憧れの象徴であり、創作の原点でもある。「23歳で上京したころは、まだSNSの草創期。毎日イラストやグラフィックをポストしているうちに、LAの若い子たちがインスタをフォローしてくれるようになり、そこからどんどん繋がりが広がっていきました」。オリジナルキャラクターの「VICK」やイラストなどが飾られたVERDYのオフィスは今や仲間たちとの交流の場でもある。「エイサップ・ロッキーやルカ・サバト、ドン・トリヴァーなど、彼らが東京に来た際は、ここに立ち寄って打ち合わせをしたり、一緒にランチしたり。ファレル・ウィリアムスはNIGO ®さんのアトリエを訪れた際に、ここにも遊びに来てくれました」。これまでナイキやオーディオブランドのビーツ、バドワイザー、2023年にはBLACKPINKのセカンドアルバム、『BORN PINK』のワールドツアーのためにカプセルコレクションなども制作した。

「たとえ大きなオファーでも直接会って話せない場合はデザインをしないルールにしています」

多彩なジャンルとのコラボレーションを手掛けてきた彼だが、その大半は知人の紹介から始まるという。「BLACKPINKと一緒に仕事がしたくて、友達に話していたら本当に願いが叶ったんです。オファーが来たときも、すぐ一緒にやろうとなったわけではなく、どういうものを作りたいかメンバーと直接会って話をしました。彼女たちが満足できて、BLACKPINKのファンにも好きになってもらえるものを作りたかったから。プロジェクトを受ける際、大事にしていることは相手との温度感。たとえ大きなオファーでも直接会って話せない場合はデザインをしないルールにしています」。SNSがもたらす効率性を享受しつつも、リアルに心を通わせることが真のクリエイションに繋がると話す。

2025年はコカ・コーラフェスのアートディレクション、日本初進出のパティーナ大阪がVERDYとクリエイティブ・パートナーシップを結んだ。「オープニングのグッズだけでは面白くないので、アートや空間もディレクションしています。館内には“リスニングルーム by OJAS”を設け、素晴らしい音響環境でレコードが楽しめます。泊まるだけが目的ではなく、パティーナ大阪に行けば何かしら新しい発見がある、そんな交流の場にしていければ」。2026年、さらに新たなプロジェクトがスタートする。「4月から韓国のロッテミュージアムで大きな個展が決まっています。自分のグラフィックにどんな化学反応が起きるのかを試してみたい。ストリート黎明期から先輩たちが作ってきた流れを受け継ぎながら、日本と海外の架け橋のような存在になれたらうれしいです」

Profile

ヴェルディ

1987年生まれ、大阪府出身。2008年にデザイン集団VK DESIGN WORKSを結成。12年、東京に進出。グラフィックデザインを生かした「ガールズ ドント クライ」や「ウェイステッドユース」がSNSで話題を呼ぶ。企業やアーティストからコラボのオファーも多く、今やストリートシーンを語るうえで欠かせない存在に。

Photo: Ton Zhang Hair & Makeup: Tomohiro Kogure Text: Megumi Otake Editors: Yaka Matsumoto, Sakura Karugane

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