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見上愛──「“いい人間”にはなりたい。その言葉が今後の指針です」【THE ONES TO WATCH 2025 vol.7】

  • 2025.12.1

「仕事と生活のバランスがうまく取れた年でもありました」

ドレス ¥1,144,000(予定価格) ブレスレット ¥100,100/ともにLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン クライアントサービス)
ドレス ¥1,144,000(予定価格) ブレスレット ¥100,100/ともにLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン クライアントサービス)

心の深みから感情をすくい上げ、画面に命を吹き込む見上愛。静と動、陰と陽を自在に行き来する彼女にとって、2025年は三味線と舞踊を習得して挑んだ映画『国宝』がロングランを記録するなど、表現の幅をさらに広げた一年となった。「いろんな作品や人と出会い、瞬きしている間に過ぎてしまったような感じでしたが、まとまったお休みをいただき、大好きなアイスランドや家族との旅行など、プライベートの時間も確保できたので、仕事と生活のバランスがうまく取れた年でもありました」

中学2年のときに観た舞台が人生の転機になった。「家族と劇場に行ったのがきっかけで、舞台に関わる仕事に興味を持ちました。大学では演出を学びましたが、役者をやりたいと思ったことは一度もなく、最初は照明さんに憧れていたんです。演劇部に転部したりする中で『演出に向いているかも』と言われ、そこから演出に興味を持ち始めました」。脚本はとことん読み込み、納得してから演じる。「現場でセリフが大きく変わることもありますが、私はすぐに受け入れられるタイプではなくて、脚本にはそれぞれのシーンが何を示したいのかという意図があると思っているので、変更がその意図に沿っていれば納得できるのですが、わからないときは動けなくなってしまう。その場合には、素直に監督に聞いています。演じる際は、共感するかどうかは一切考えず、理解できるかどうか。共感という軸で見たとき、25年しか生きていない一人の人生なんて、恐らくほとんど共感できないことだらけになってしまうから。ただ、いちばんの理解者にはならなくてはと思うので、思考や感情を理解する努力はしています」

「何年も先の自分に枷をはめず、何をしてもいいと思っています」

一方で、日常の中で自分をチューニングする時間も欠かさない。「睡眠は絶対に削らず、可能な限り7時間はマストで確保します。ベッドに入ったら携帯も見ません。それから、食べたいものを食べたいときに食べ、友人と過ごす時間もものすごく大切」。俳優デビューをして7年になるが、役者を生業として生きていこうという決意は、今まで一度もしたことはないという。「企業に勤めても転職をするように、俳優も違う仕事がしたくなったら別の道へ進んでもいい。何年も先の自分に枷をはめず、何をしてもいいと思っています。俳優という職業にこだわりがあるわけではないですが、みんなで悩みながら何かをつくることが好きなんです」。その自由で柔軟なマインドは、フットワークの軽さにも通じている。「突然のご飯の誘いとなると、睡眠のことを考えたりして足が重たくなりがちですが(笑)、やりたいと思ったことへの瞬発力は自分でも結構あるなと思います」。今秋放送された『アナザースカイ』では、アイスランドを再訪。スタッフより4日早く現地入りし、一人旅を満喫した。「今夢中の陶芸も、ずっと続けるだろうとわかっているので、ほかに欲しいものを我慢して、電気窯を買いました。そういう投資と判断はすごく早いんです」。何かを創造することに心から喜びを感じているのが伝わってくる彼女の口調は、聞く人をもワクワクさせるパワーを持っている。

現在は来春放送予定のNHK連続テレビ小説『風、薫る』の撮影の真っ最中だ。「共演する北村(一輝)さんから、『愛ちゃんにはいい俳優になってねではなく、いい人間になってねって言いたくなる』と言われて。それがすごく素敵な言葉だなと思ったんです。『いい俳優』だと私自身ピンとこないところがありますが、『いい人間』にはなりたい。その言葉が今後の指針です」

Profile

みかみ あい

2000年10月26日生まれ、東京都出身。19年俳優デビュー。近年の主な出演作には映画『不死身ラヴァーズ』(24)、Netflixシリーズ『恋愛バトルロワイヤル』(24)の主演作や、NHK大河ドラマ『光る君へ』(24)、映画『国宝』(25)など。26年には初声優を務めた映画『ALL YOU NEED ISKILL』、NHK連続テレビ小説『風、薫る』の放送が控える。

問い合わせ先/ルイ・ヴィトン クライアントサービス 0120-00-1854

Photo: Yuki Kumagai Styling: Satsuki Shimoyama Hair & Makeup: Nozomi Onda Text: Rieko Shibazaki Special thanks: Hyatt Regency Tokyo Editors: Yaka Matsumoto, Sakura Karugane

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