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賢くなるための道具じゃない! 知育玩具500万円買った私が伝えたい本当の知育

  • 2025.11.12

うちの子、SNSで人気の知育おもちゃに見向きもしない問題

「知育おもちゃで全然遊んでくれない……」SNSで見た、みんなハマっているらしい知育おもちゃを買ってみたものの、我が子にはさっぱり。全然違う遊び方をしてしまうし、そもそも興味を持っていない……。SNSは育児をする上でとても役に立つことがある反面、他の子の素敵なところを目にする機会が増えますよね。その結果、我が子と比較してしまい辛くなってしまうと感じている方も多いように思います。そしてそんなお悩みに対して、よく見る「他の子と比べないでいいんだよ」というアドバイス。そりゃそう。それができたら一番いい。でもこのSNS時代、比較しないことのハードル高すぎませんか? 比較してしまうなら、いわゆる正しい遊び方ではなく「その子らしい遊び方」を。この記事では、日々あふれるおもちゃ情報との付き合い方や、親子で心がラクになる知育の向き合い方をお話ししたいと思います。

気づけば総額500万円分のおもちゃを買っていた

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申し遅れましたが、 インスタグラムで遊びやおもちゃについて発信をしている5歳女の子ママ・ぴぴママです。私がおもちゃにハマったきっかけは、SNSで偶然知った「おもちゃのサブスク」。なにも分からない初めての育児。食事や睡眠、排泄など子どもそれぞれ違う悩みはあれど、基本となるものや目安というものがあります。でも、“日中の過ごし方”は母子手帳や育児書などには書かれていない。外に散歩に出かけてもまだ歩けるわけではなく……。そんな、家での過ごし方に悩んでいるときに知ったのが、おもちゃのサブスクでした。月齢に合わせた知育玩具が6個、隔月で届くというもの。ハマるおもちゃもあれば、ハマらないものもある。そのときに、月齢ではなく「発達に合わせたおもちゃ選び」というのを知りました。それから、モンテッソーリや感覚統合など、遊びに関する本をたくさん読んできました。気づいたら家の中はおもちゃだらけ。数えてみると、なんと500個以上、総額にして500万円を超えていました。自分でもドン引きの結果だったのですが、もちろんおもちゃにこれだけの費用をかけるべきという話ではありません。親の私自身がおもちゃの魅力に取り憑かれた結果であり、一般的なイメージとしては「研究費用」と考えるほうが近いかもしれません。私が好きで買ってるだけなのですが……。

“知育”とは、「子を育むことを知る」こと

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みなさんは「知育」と聞いて、どんな印象を抱きますか? 私自身もともと、“教育っぽさ”や“成果を求められるもの”というイメージがあったなと思います。インスタグラムで発信していても、「知育遊びをうまくできなかった」と落ち込む方が多くみられます。 「知育」とは読んで字のごとく「知的能力を育むこと」です。でも、娘が日々楽しく遊んでいる様子を見ていると、「知育をしてあげられていない」という言葉にはすごく違和感がありました。私もいわゆる知育ママの類だと思うので、言いたいことはすごくわかります。しかし子どもを観察していると、子どもって自分が今伸ばしたい力をわかってるな、と感じたんです。それが自然と遊びに出てくる。今では有名な「ティッシュをひたすら引っこ抜く」というのもそう。そういうのを見ていると「知育できてない」なんて、なんとおこがましいという気持ちが湧いてきて……。親や教育者が主語となった場合の知育とは、「子どもを育むことを知る」というのがしっくりくるなぁと感じています。「子どもがどんなことに夢中になるのか」を知ること。それが知育の本質だと思うのです。もちろん、関わり方や環境設定も大事だと思います。この辺についても、いずれ書きたいなと思っています。

正しい遊び方なんて、なくていい

興味を持つかどうかも、そのおもちゃをどう遊ぶかも、その子次第。正しい遊び方をしていなくても大丈夫。むしろ自由に遊んでいるときこそ、その子の“今伸ばしたい力”が見えてくる。遊びに正解も不正解もありません。知育玩具を通じて、我が子が今伸ばしたい力を感じたり、同じ玩具でも遊び方が変化していくことをぜひ楽しんでほしい。そうすれば、SNSで他の子の遊びの様子を見て、比較して辛くなるのではなく、「次はこんなことができるようになるのかな♪」と楽しみになったり、「みんな違ってみんないい」と心の底から思えるようになると感じます。そして、親の気持ちがポジティブになると、それは子どもにも伝わります!その“安心感”こそが興味関心を広げる土台となったり、自己肯定感など非認知能力の育ちにつながっていきます。おもちゃや知育は、子どもを変えるためのものではなく、親子の時間を豊かにするきっかけ。上手くいかない日があっても、それも全部「育ちの途中」。その瞬間を一緒に笑い合えることこそが、何よりの知育だと思います。

「賢い子育て」という言葉の功罪

一方で、ここ数年「賢い子を育てるおもちゃ」「頭が良くなる遊び方」といった情報をよく見かけます。もちろん、知育玩具で遊ぶことで図形認識力や思考力が育まれるのは事実だと思います。けれども、「賢くするためにこのおもちゃを与える」という考え方には、少し違和感がありました。おもちゃは教材ではなく、子どもが表現するもの。学びに直結させるあまり、親が「きちんと使いこなさなきゃ」「効果を出さなきゃ」と身構えてしまうと、子どもと一緒に遊ぶ楽しさを忘れてしまう危険があります。とはいえ、私自身もインスタグラムでおもちゃや遊びについて発信してきた中で、「賢い子」というワードの力を感じる場面がたくさんありました。タイトルなどにその言葉が入っていると、やっぱり見てもらえる数がぐっと増えるんです。結局、中身を読んでもらわなければ本当に伝えたい思いも届かない。だからこそ、興味を持ってもらうきっかけとして「賢い子」という言葉を使う気持ちも、すごくよくわかります。実際、「どう過ごしていいかわからない」と感じているママにとって、その言葉は安心材料のひとつでもあると思いますし、おもちゃの良さをすでに理解している人にとっても、「中身を見てみよう」と思う入口になることもあります。ただ、その“教育的な響き”に引っ張られすぎない目線を持っていてほしい。「賢い子になる」がゴールではなく、その先にある“親子で楽しく過ごす時間”こそが、本当の知育の姿なんじゃないかと思っています。子どもは遊びの天才です。積み木を倒すのも、カードを並べるのも、親から見れば「ただ遊んでいる」だけ。でもその中には、「次はどうなるかな?」「こうしたらもっと面白いかも」という試行錯誤がつまっています。大人が意識しなくても、遊びの中で十分に考える力や工夫する力は育っていくのです。だからこそ私は「おもちゃで賢くする」ではなく、「遊びの中で自然と育まれる力」を大事にしたいと思っています。

絵本の読み聞かせみたいに、親子のコミュニケーションを楽しむ

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娘はよく「ママ見て!」とビーズをばら撒いたり、「もう一回!」と同じカードゲームを繰り返したりします。大人から見れば同じことの繰り返しですが、その中で集中力も観察力も育っています。何より、親子で一緒に笑ったり悔しがったりする時間が宝物になるのです。おもちゃは、そんな「育児を彩る存在」だと感じています。私は、遊びの時間を絵本の読み聞かせのように、親子のコミュニケーションとして味わってほしいと思っています。おもちゃは“できる・できない”を測るテストではなく、心をつなぐ架け橋です。もしこの記事を読んで「なんだ、肩の力を抜いていいんだ」と感じてもらえたら嬉しいです。そして少しでも「知育玩具って面白そう、見てみたいな」と思ってもらえたら。おもちゃと育児は足し算ではなく、かけ算。親子で一緒に楽しんだ分だけ、かけがえのない思い出が積み重なっていくのだと思います。

【Profile】ぴぴママ(@pipimama07)

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5歳女の子ママ。初めての子育てで悩んだ経験から、遊びやおもちゃ、子どもの気質について学びを深める。つい我が子と他の子を比べがちだったが、それぞれの個性を楽しむ大切さを実感。現在は、おもちゃコーディネーター(R)として、子どもの非認知能力や親子の関わりを深める木製玩具やボードゲームについて発信。悩みを抱えるママたちに向けて、子どもの気質と遊びを組み合わせた「遊びの観察術」講座を約300名に開催。また、少子化の影響で衰退しつつある、木のおもちゃ屋さんの実店舗を応援するため、その魅力も発信している。

Instagram:ぴぴママ(@pipimama07)

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