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「すごい!」「えらい!」は避けるべき? 今日からできるチームのためのアクション

  • 2025.11.7

風通しが良くしっかりと成果を出せるチームを作るために、今日から始められる7つのアクションを紹介します。教えてくれたのは、公認心理師の大村美樹子さんと組織開発を研究する中原淳さんです。

今日から始められるチームのためのアクション

理想のチームを作るため、今のチームをより良くするため。すぐに取り入れたい7つの心がけやルールを紹介!

【実践1】“Bad me”を実践してみよう!

今日から始められるチームのためのアクション。“Bad me”を実践してみよう!

リーダーやベテランこそ、自分は間違いをすることもあるし、完璧ではないと伝える姿勢が大切。

「心理の世界では“Bad me”といいますが、過去の失敗談や苦手なことを笑い交じりにメンバーに共有しておくことで、距離が縮まり、それによって心理的安全性も高まります。完璧さよりも人間らしさを見せることが、信頼を生み出すチーム作りにつながるのです」(大村さん)

【実践2】感情的になった人は、いったん他のメンバーから距離を置く

「議論の場で誰かが感情的になった時は話し合いを中断し、一度その人を場から離すのが得策」(大村さん)

感情的な空気は周りのメンバーにも伝播し、人間関係にも悪影響が。ヒートアップした人には“少しクールダウンしよう”と穏やかに促し、周りと物理的に距離を置く。冷静さを取り戻せば、建設的な対話に進める。

【実践3】失敗の犯人探しは厳禁!

今日から始められるチームのためのアクション。失敗の犯人探しは厳禁!

チームで問題が起きた時、誰が悪いかを追及することは最も避けたい行動。

「個人を責める空気が生まれると、メンバー間の空気は悪くなり、率直な意見や改善策が出にくくなる。大切なのは、なぜそうなったかを一緒に振り返り、再発防止策を考えること」(大村さん)

失敗を学びに変えるチームほど強くなる。犯人探しよりも成長にフォーカスする視点が重要。

【実践4】“平等”ではなく“公平”を意識する

メンバーに同じ条件を与える“平等”ではなく、それぞれが成果を発揮できるような“公平”さが大切。

「育児や介護など環境や条件は人によって異なる。同じタスクを課すのではなく、それぞれに合ったリソースや評価を与えること。互いを理解し、支え合う意識がチーム全体の力を高めることになります」(大村さん)

【実践5】感謝はきちんと口に出して伝える

今日から始められるチームのためのアクション。感謝はきちんと口に出して伝える

良いチームには感謝の言葉が飛び交う。

「“迷惑かけてごめん”と言うより、“助けてくれてありがとう”と伝えることで互いの関係が前向きに。感謝の言葉は“誰かの役に立てた”というモチベーションを高め、組織の雰囲気も明るくします」(大村さん)

「耳の痛いことを言われても、“言いにくいことを言ってくれてありがとう”と感謝し合えるチームは強いです」(中原さん)

【実践6】ただ褒めるのではなく、どこが良かったか“承認”しよう

「“すごい!”や“えらい!”など、おだてる言葉は上下関係を生みやすく、相手を操作しようとする意図が見えることも。一方、“ここまでやってくれて助かる!”というような相手の行動や成果を承認するフレーズは、仕事の貢献度を実感でき、意欲が高まります」(大村さん)

相手の仕事を認め合う言葉がチーム成長の鍵。

【実践7】結論の出し方を先に決めておくべし

今日から始められるチームのためのアクション。結論の出し方を先に決めておくべし

事前に合意形成のルールを決めておくことが実行力につながる第一歩。

「ミーティングを重ねて最終的にリーダーが判断するのか、多数決なのか、それとも全員一致を目指すのか。それをまず決めておくこと。そのプロセスに納得できていれば、たとえ自分の意見が通らなくても意欲は下がりません。逆に決め方が曖昧だと、誰も動かなくなってしまいます」(中原さん)

お話を伺った方々

中原 淳

なかはら・じゅん 立教大学経営学部教授。組織開発・人材開発を研究。著著に『チームワーキング ケースとデータで学ぶ「最強チーム」のつくり方』(田中聡との共著)など。

大村美樹子

おおむら・みきこ 公認心理師、産業カウンセラー。職場作りに関するコンサルティングや研修などを行う。著書に『図解でわかる対人援助職のための職場マネジメント』など。

イラスト・Shiho So 取材、文・浦本真梨子

anan 2470号(2025年11月5日発売)より

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