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時計とスタイル:スタイリスト・井伊百合子のケーススタディ

  • 2025.11.11
〈スマイソン〉のカフリンクボックスに入った〈エルメス〉の「ギャロップ ドゥ エルメス」
BRUTUS

時計は、生活に間を作るもの。一本に絞り、スタイルを構築する

「一日の中に一拍、間を作れる。息つぎをするというか、空気を変えるというか。そんな存在を身に着けていられるのがいいですよね」と語るスタイリストの井伊百合子さん。

スタイルを作り上げるプロにとって時計は、ファッションにおいても生活においても空気を変えてくれるものだという。これまでさまざまな時計をしてきたが、今は〈エルメス〉「ギャロップ ドゥ エルメス」の一本に絞っている。

ケースがシルバーの〈エルメス〉の「ギャロップ ドゥ エルメス」には、同色のアクセサリーを合わせる。チェーンは恵比寿の〈ギャラリードゥポワソン〉で自身が監修したもの。深い緑が印象的なジャケットは〈ドリス ヴァン ノッテン〉。

「それまではヴィンテージしか持っていなかったんです。数年前に展示会で見たこの時計の、モダンなのに奇抜ではないところに惹かれて。時計のデザインってすごく限定されるのに、新作でここまで素晴らしいデザインをしたことにリスペクトがあります。デザイナーのイニ・アーシボングの愛読書は『陰翳礼讃』らしく、日本的なさりげなさも感じます」

そのデザインはアクセサリー選びにも影響を与えている。

「気分によってアクセサリーを替えられるようにゴールドとシルバーどちらも持ち歩いています。でも時計を着けるときはシルバーだけ。できるだけ全身にシルバーが飛んでいるようにしたいのでリングは時計とは反対の手に着けるのがルールです」

今では、アクセサリーと一緒に〈スマイソン〉のカフリンクボックスに入れて、旅先にも常に持っていく。まさに井伊さんにとって欠かせないピースになっている。

時計とアクセサリーを収納するボックスは、〈スマイソン〉のカフリンクボックス。スタイリストの林道雄さんからの頂き物。愛用するリングやピアスは、〈カルティエ〉や〈ミキモト〉、NYのチャイナタウンで特注したものも。

profile

井伊百合子(スタイリスト)

いい・ゆりこ/東京都生まれ。雑誌や広告、俳優のスタイリングを多数手がける。ほかにも現代に馴染む着物を提案する〈THE YARD〉でのアドバイザーや、ファッションを社会問題につなげる活動なども行う。

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