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時計とスタイル:ファッションディレクター・金子恵治のケーススタディ

  • 2025.11.11
腕時計の「サントス」
BRUTUS

大切なのはアイテムが持つ“重さ”。服と時計の絶妙なバランス感

「これまで洋服に全振りしていたので、時計に気を使う余力がなかった」と語るのは、メゾンからヴィンテージまで、あらゆるファッションに精通する金子恵治さん。

金子恵治
小物のカラーを統一するのも金子さん流。「エアキング」を腕に巻くときはグローブスペックスで購入した〈ゲルノット・リンドナー〉のアイウェアと〈クロムハーツ〉のペーパーチェーンブレスレット。

本格的に腕時計をするようになったのは5年前。そのきっかけとなったのが〈カルティエ〉の「タンク」だった。自身が好きなゴールドのアクセサリーと相性が良く、購入時は「一生これでいい」と思っていたという。

その後、年齢とともにシルバーへと好みは変わり、次に目をつけたのが〈ロレックス〉の「エアキング」。

「1950年代後半のモデルですけど、状態がとても良くシルバーの小物ともハマってくれる。かといってイヤらしくもないので即決でした」

決してコレクターではない。金子さんの言葉を借りるなら「いかに服の重さとバランスがとれるか」が時計選びの大事な指針。

「物理的なものではなくて、モノが辿ってきた背景の重さというのかな。それが近しいほど、全体のバランスが整うと思うんです」

腕時計の「サントス」
1973年に、ルイ カルティエ コレクションの一つとしてリリースされた腕時計の「サントス」。それと合わせるのは、同じく「サントス」という名のブレスレットで、数年前に正規店で手に入れたもの。「2つが同じ手首に巻かれていると、どちらも1.5倍増しで魅力的になるんです」

そして、そのワードローブに新たに加わったのが〈カルティエ〉の「サントス」。数日前に手に入れたばかりだという。「タンク」よりも重厚感があり、より服との馴染みがいい。あえて同じ手にブレスレットを重ね着けするスタイルが印象的だ。

服だけでも、時計だけでもない。両者の重さが釣り合うとき、金子さんのスタイルは完成する。

profile

金子恵治(ファッションディレクター)

かねこ・けいじ/1973年東京都生まれ。セレクトショップにてディレクターを務めた後、2023年にショップ〈BOUTIQUE〉、25年にブランド〈FOUNDOUR〉を立ち上げる。他社との商品開発やイベント企画などを行う。

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