シャネル・ネクサス・ホールにて開催中！ AIアートとエコロジーが融合する先鋭的展覧会

2025.11.3

シャネル・ネクサス・ホールにて開催中の『Synthetic Natures もつれあう世界：AIと生命の現在地』。ラグジュアリーと知性が出合うこの空間に、リスボンを拠点に活動するアーティスト、ソフィア・クレスポと、彼女が共同創作を行うアーティスト・デュオ、エンタングルド・アザーズの作品が登場している。かれらのアプローチは、深海のような観測困難な領域や植物を一つのシステムと捉える視点、あるいは非線形に変化するデジタル生態系といった複雑な現象をヴィジュアルによるシミュレーションとして提示する点にある。その手法は科学的であると同時に深く詩的でもある。

本展では、海中2000メートル以深の世界を探る《liquid strata: argomorphs》（2025）、地球規模の海洋現象「湧昇」とAIの視覚言語を結びつけた《specious upwellings》（2022–2024）、さらに遺伝情報とデジタルデータの構造を重ね合わせた《self-contained》（2023–2024）を含む、計5シリーズが紹介されている。映像、彫像、そしてデジタル・インスタレーションなど、多様なメディアで展開される作品群は、科学的な仮説と詩的な想像力が交差する地点に、静かにそして力強くヴィジョンを立ち上げる。

かれらの作品において、テクノロジーによって生成されたイメージは、自然の“代替物”ではない。それはむしろ、「人間が自然をいかに見たいと望んでいるか」という無意識の欲望や認識の深層を映し出す鏡である。それらのイメージは、もつれ合い共鳴しやがて変容する。その過程そのものが私たちが現実世界をいかに知覚し、理解しているかに静かな揺らぎをもたらすだろう。未来の美と知の交差点に立ち会うこの機会は、感性に投資するすべての人にとって見逃せない瞬間となるはずだ。

『Synthetic Natures もつれあう世界：AIと生命の現在地』

会期／～12月7日（日）

時間／11:00〜19:00 （最終入場 18:30）

※イベント開催時は変更あり。公式サイトをご確認ください

会場／シャネル・ネクサス・ホール東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング 4F

入場／無料・予約不要

URL／https://nexushall.chanel.com/program/2025/synthetic-natures

Text: Ai Yano

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VOGUE

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