1. トップ
  2. 「とんでもないな…」“大胆な過激さ”にファン熱狂…「生きててよかった」「文句が一つもない」“令和の劇場に蘇った”伝説アニメ映画

「とんでもないな…」“大胆な過激さ”にファン熱狂…「生きててよかった」「文句が一つもない」“令和の劇場に蘇った”伝説アニメ映画

  • 2025.12.11

恐怖と向き合う瞬間には、“勇気”とは呼びきれないほどの切実さがあります。その緊張と覚悟が交差する瞬間、主人公の姿は、観る側の胸にも深く突き刺さります。本記事では、“主人公の勇気が胸に刺さるアニメ”を紹介しています。第4弾となる今回は、「過激なシーンが多い」と語られる、故・今敏監督のデビュー作 『パーフェクトブルー』 です。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

undefined
GoogleGeminiにて作成(イメージ)
  • 作品名(配給):映画『パーフェクトブルー(PERFECT BLUE)』(レックスエンタテインメント)
  • 公開日:1998年2月28日 リバイバル上映:2025年11月21日(金)~

人気絶頂期にアイドルグループを脱退し、女優への転身を決意した美少女・霧越未麻(CV:岩男潤子)。彼女のもとには次第に、熱狂的なファンからの不穏なFAXや手紙が届くようになり、その内容は日に日にエスカレートしていきます。さらに、連続ドラマでの性暴力シーンへの挑戦や、これまでのイメージを覆す過激な写真集の出版など、女優として“新しい自分”を演じなければならない仕事が続く中で、未麻の心は少しずつ揺らぎはじめます。

やがて周囲のスタッフを狙った連続殺人事件が発生。同時期、ネット上には未麻の名前をかたって詳細な日記を綴る人物が現れ、現実と妄想の境界が曖昧になっていく未麻は、次第に“誰かに見られている”という恐怖に追い詰められていきます。アイドルとしての自分、女優としての自分、そして誰かが作り上げた“もう一人の未麻”。その境界線が静かに崩れ始める――。アニメーションの枠を超えた心理スリラーの傑作です。

SNSの声――「文句が一つもない」語られ続ける理由

映画『パーフェクトブルー』は、故・今敏監督のデビュー作品です。本作を手掛けた後、さまざまなアニメーション作品を発表。2006年に公開された映画『パプリカ』などでも知られています。本作は竹内義和さんによる小説『パーフェクトブルー 完全変態』を原作としたアニメ化作品で、キャラクター原案に漫画家・イラストレーターの江口寿史さんや、企画協力にアニメーション映画『AKIRA』で知られる大友克洋さんなど、ビッグネームが名を連ねている点も注目されるポイント。過激な描写とじわじわと侵食されていくような表現が大きな話題に。本作はR-15指定されています。

公開された当時も大きな注目を集め、アニメ映画の金字塔として語り継がれてきた本作ですが、2025年11月よりリバイバル上映され、再び話題を集めました。

本作を視聴した方からは「とんでもないな…」と語られるほど、強烈な描写が特徴の一作です。とくに、女優として未麻が演じる性加害シーンや、日常を侵食していくような不気味なストーカー描写、“ネット上の偽の自分”が勝手に動き出す恐怖など、精神的にハードな要素が重なります。

それでも視聴者からは、「令和に生きててよかった」「文句が一つもない」などリバイバル上映に歓喜する声が寄せられ、「現実と虚構がうまく描かれている」といった、作品の“構造の巧妙さ”を評価するコメントが並びます。また、「現代社会の闇を描いた作品」「終盤は息が詰まるほどハラハラする」といった声も多く、未麻の視点と観客の視点が揺らぐ“体感型の恐怖”が、本作の大きな魅力として語られています。

なぜ未麻の勇気は時代を越えて胸を打つのか

霧越未麻が向き合う最大の敵は、“外側から作られた理想の自分”と“本当の自分”の境界が壊れていく恐怖です。精神の限界に追い詰められながらも、未麻は「自分を取り戻したい」という思いを手放さず、現実と妄想の境界が揺らぐ中で必死に踏みとどまります。他人が作り上げようとするイメージと戦いながら、本当の自分を見失わずに生きようとする姿は、過激な描写を越えて、観る者の胸を強く打つものです。

未麻が示すのは、「自分の心を守る勇気」。混乱や恐怖のなかでも“自分であり続けようとする姿勢”こそが、本作が25年以上語り継がれる理由なのかもしれません。

本作は、尖った描写ゆえに「過激すぎて勧めづらい」 と語られることもあります。それでもなお心に残り続けるのは、未麻が恐怖と混乱の中でも“自分を取り戻そうとする姿”が強い余韻を生むからではないでしょうか。

演出の鋭さだけではなく、自分であり続ける勇気 というテーマが、時代を越えて観る者の胸を打ち続けています。強烈な衝撃と、静かな勇気が同居する名作。まだ観たことがない方は、ぜひ一度ご覧ください。


※記事は執筆時点の情報です