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「不倫を美化しすぎ」「正当化させないで」“禁断に切り込む脚本”に苦言も…だけど「かじりついて観た」“中毒性抜群”の至高ドラマ

  • 2025.11.14

恋愛ドラマの中でも、長く議論と熱を生み続けるジャンル――それが「不倫」をテーマにした作品です。誰もが日常の中で“してはいけない”とわかっている行為。けれど、画面越しに見る禁断の恋には、どこか切なく、現実よりも深く人間の本音を映す瞬間があります。

不倫ドラマが人気を集めるのは、愛と罪のあわいに揺れる人間の“弱さ”や“誠実さ”が描かれるからかもしれません。観る側も、登場人物たちの選択に共感したり、憤ったりしながら――“自分ならどうするか”を考えさせられる。そんな感情のゆらぎが、作品の余韻を長く残すのです。

そして今回第1弾として取り上げるのは、その代表作とも言える一本。社会現象を巻き起こした禁断の恋――『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』(フジテレビ系)です。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

あらすじ

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ドラマ『オトナ女子』制作発表 女優・吉瀬美智子(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』(フジテレビ系)
  • 放送期間:2014年7月17日〜9月25日(木曜22時枠/全11話)
  • 出演者:上戸彩さん、斎藤工さん、吉瀬美智子さん、北村一輝さん ほか
  • 脚本:井上由美子さん
  • 演出:西谷弘さん
  • 制作著作:フジテレビ

結婚5年目を迎えた専業主婦・笹本紗和(上戸彩)は、平凡ながら穏やかな日常を送っていました。夫・俊介(鈴木浩介)は誠実で、夫婦関係に大きな不満はない。けれど、どこか“自分だけが時間に取り残されているような”感覚を抱えていました。

そんなある日、近所に住む美しい主婦・滝川利佳子(吉瀬美智子)と出会います。利佳子は、表向きは理想の妻でありながら、実は「昼顔妻」と呼ばれる不倫関係を続けている女性でした。彼女のある“アリバイ作り”を手伝ったことをきっかけに、紗和の人生は少しずつ狂い始めます。

その後、紗和は赴任してきた高校教師・北野裕一郎(斎藤工)と出会い、心の奥に眠っていた“恋する感情”を思い出してしまいます。「これは間違い」とわかっていながら、惹かれ合う二人。「愛は罪なのか」。“昼顔妻”という言葉が流行語となった背景とは…。

「正当化させないで」“禁断に切り込んだ脚本”に寄せられた声

『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』は放送当時、SNSには多くの意見が飛び交いました。中でも印象的だったのは、「不倫を美化しすぎ」「正当化させないで」という言葉です。

確かに本作は、愛を“禁断の香り”として美しく描いています。静かなピアノの旋律、柔らかな光、言葉にできない感情の揺らぎ――そのどれもが、観る人の心に沁みていくようでした。

けれど一方で、現実には傷つく人がいて、壊れてしまう家庭がある。その厳しい現実を知る視聴者たちにとって、「不倫を美化しすぎ」「正当化させないで」という声は、決して否定ではなく、“現実を見てほしい”という願いにも感じられます。

ドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』がただの恋愛ドラマではなく、「愛と倫理」「理性と衝動」というテーマを真正面から突きつけたからこそ、この2つの言葉が象徴的に残ったのでしょう。

名女優たちの快演

本作で主演を務めた上戸彩さんが演じた笹本紗和という女性は、これまでの明るく前向きな役柄を演じてきた上戸さんにとって一線を画す“挑戦”でした。視聴者からは「上戸彩の演技が変わった」「本当の恋を見ているよう」といった声も多く、彼女にとって代表作のひとつとなりました。

さらに、吉瀬美智子さんの放つ圧倒的な存在感が、本作の世界を一層際立たせています。影を帯びた美しさ、憂いや葛藤を孕んだ美しさが前面に出ており、SNSでは「美しい」「ほんと綺麗」「昼顔は吉瀬美智子さんのイメージが強い」など称賛の声が相次いでいました。

ドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』ぜひご覧ください!

ドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』は、“許されざる恋”を題材にしながらも、人が誰かを愛することの意味を深く問いかけた作品でした。

SNSには「不倫を美化しすぎ」といった厳しい声も見られましたが、「かじりついて観た」などの声が示す通り、虜になる視聴者も相次ぎ、そのどれもが作品を真剣に受け止めたからこその反応。愛と罪のあわいを描いたこのドラマは、見る人それぞれの価値観を照らし出す鏡のような存在でした。

上戸彩さんの新たな代表作として、そして“昼顔妻”という言葉を生んだ社会現象として、今もなお語り継がれる――
それがドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』という作品の強さなのだと思います。


※記事は執筆時点の情報です