1. トップ
  2. 管理栄養士「なるべく避けて」 低栄養になりやすいかも…できるだけ避けたい『NGな食生活』とは

管理栄養士「なるべく避けて」 低栄養になりやすいかも…できるだけ避けたい『NGな食生活』とは

  • 2025.11.15
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

普段の食生活で気をつけているつもりでも、知らず知らずのうちに栄養不足になっていることがあります。特に高齢者は低栄養によりほかの健康リスクが高まる可能性も。

今回は管理栄養士の視点も参考に、低栄養になりやすい“NGな食習慣”についてわかりやすくお伝えします。普段の食事を振り返りながら、健康的な生活を目指しましょう。

低栄養って何?体にどんな影響があるの?

低栄養とは、体が成長・維持・修復に必要なエネルギーやたんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を十分に摂取できていない状態を指します。簡単に言えば、体が「栄養不足」の状態にあるということです。この状態は体が本来の調子を保てないため、免疫力の低下や筋力の減少、疲れやすさなどの症状として現れることがあります。

具体的には、食事量が減ってしまったり、消化吸収がうまくいかなかったりすることが原因となります。例えば、高齢者や病気で食べられない人、また食生活が不規則になりがちな若者や忙しいビジネスパーソンも低栄養になる可能性があります

多くの場合、体重減少や筋肉量の減少などがサインとして見られ、見た目にも影響が出ることも。さらに、皮膚の乾燥や貧血、不調の頻発など、じわじわと体調に悪い影響が積み重なっていくこともあります。

具体的に避けたい!低栄養になりやすいNGな食習慣

undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、どんな食生活が特に低栄養につながりやすいのか、具体例をあげて掘り下げてみましょう。

  • 一食の量が極端に少ない
  • 炭水化物ばかりで、タンパク質や野菜が不足しがち
  • 加工食品やレトルト食品ばかりで、栄養バランスが偏る
  • 食事を抜くことが習慣化している
  • 嗜好品(菓子類やジュース)に頼り、主食やおかずが不足
  • 朝食抜きや不規則な時間帯での食事
  • 食欲が落ちていて少量食べるだけで済ませてしまう

これらはとくに高齢者や、忙しくてまとまった時間がとれない人に多く見られる傾向です。例えば、朝食を抜いて昼食で多く食べる、間食に甘いものを選びがちなどは、エネルギーは採れてもビタミンやタンパク質、ミネラルが不足しやすい状態に。また、加工食品は手軽な反面、塩分や添加物が多い場合もあり、栄養の偏りが起こることもあります。

さらに、高齢者は噛みにくさや味の感じ方が変わることによって食べられるものが限られがちで、その結果食事量が減ったり特定の食品しか食べない習慣になっていることがあります。

このような習慣を見直すことで、知らないうちに起こる低栄養から体を守りやすくなる可能性があると考えられています。

栄養バランスを保つ工夫と心がけ

では、低栄養を防ぐためにはどのような工夫ができるのでしょうか。特別な食事制限がない場合、まずは「好き嫌いや偏りを減らすこと」がポイントになります。たとえば毎食、主食に加えて「タンパク質源(肉・魚・豆製品など)」や「野菜・果物」を適量加える意識を持つだけでも、栄養のバランスを整えやすくなるでしょう。

また、忙しいときは手軽に食べられる野菜入りのスープやサラダチキン、蒸し鶏、納豆など簡単に栄養が摂れる食品を用意するのも1つの方法です。朝食を抜きがちならフルーツヨーグルトやバナナ、トーストに卵をプラスしてみるなど、少しずつ栄養価をプラスできる工夫がおすすめです。

間食についても、スナック菓子や甘い飲み物に頼りすぎるより、ナッツやドライフルーツ、ヨーグルトなど栄養のあるものを選ぶことで低栄養予防につながるかもしれません。食事の時間をできるだけ一定にすること、食欲がないときは無理せず少量でも栄養補給を心がけることも大切です。

日々の食事に気をつけて、健やかな毎日を目指そう

食事の量が極端に少ない、栄養バランスが偏る、加工食品や間食に頼りすぎるなど、普段の習慣を見直すポイントは案外身近にあります。もし心当たりがあれば、今回の内容を参考に少しずつ食事内容を調整するのがおすすめです。

健康的な食生活は一朝一夕で作れるものではありませんが、日々の積み重ねが大切とされています。忙しい時も疲れている時も、栄養がバランスよく摂れる食事が少しでも増えれば、身体や心への影響も変わってくるかもしれませんよ。


監修者:かきねキッチン 小池 三代子(InstagramブログX

管理栄養士×保育士|実務経験13年|現在はフリーランスの管理栄養士として、栄養相談や献立作成、記事執筆・監修を中心に活動中。「人に寄り添い、無理なく実現できる食生活のサポート」をモットーに、忙しい中でも続けられる、簡単でおいしい時短レシピを発信している。