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管理栄養士「できるだけ食べて」 痔に悩む人は食べてほしい『3つの食材』とは

  • 2025.11.14
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

痔は多くの人が経験する身近な悩みのひとつです。痛みや出血が気になると、つい食事を控えたりしてしまうこともあるかもしれません。でも実は、食事が症状緩和に影響を与える可能性もあります。

そこで今回は、痔に悩む方におすすめしたい「3つの食材」をご紹介します。症状との関わりだけでなく、食材が持つ栄養面にも触れながら、食生活を見直すヒントを探ってみましょう。

知られざる痔の背景と食生活の関係

痔は、直腸や肛門の血管が膨らんだり荒れたりすることで起こる病気です。便秘や長時間座りっぱなしの姿勢や、重い物を持つことなどが原因として挙げられますが、食生活も大きく関連すると考えられています。たとえば、便が硬くなって排便に負担がかかると、症状が悪くなる可能性があるためです。

便の状態は腸内環境や食物繊維の摂取量、体内の水分量に左右されやすく、これらは毎日の食べ物が大きく影響しています。食事で腸の働きを整えることは、痔の症状の緩和に役立つとされています。そんな背景を踏まえ、どのような食材に注目するべきかを考えてみましょう。

管理栄養士がすすめる、痔の悩みに関わる3つの食材とは

痔の症状を和らげる食事では、まず便をスムーズに出せるようにすることが大切。ここでは、管理栄養士が「できるだけ食べてほしい」と考える3つの食材をご紹介します。

  • 食物繊維が豊富な野菜・果物
    便のかさを増やし、排便しやすくするために欠かせないのが食物繊維。食物繊維には不溶性と水溶性があり、不溶性は根菜類やキャベツやブロッコリー、ほうれん草などの葉野菜に多く、便のかさを増やして排便をスムーズにします。一方、水溶性はイチゴやみかんといった果物や海藻、オクラなどに多く含まれ、便を柔らかく保ったり腸内の善玉菌のエサになって腸内環境を整えたりする働きがあります。

  • 発酵食品
    ヨーグルト、納豆などの発酵食品は腸内の善玉菌をサポートし、腸内環境のバランスを整えてくれます。これにより便通の改善が期待され、間接的に痔の症状の負担軽減につながるります。キムチも発酵食品なので同様の効果が期待できますが、唐辛子が刺激になる場合があるため、摂取量やタイミングに注意しながら取り入れるとよいでしょう。

  • 良質なたんぱく質源
    お肉や魚、大豆製品は粘膜の健康維持に役立つ栄養素が含まれています。体の修復や免疫力を支える役割も期待できるため、偏らずに適量を摂ることが望ましいでしょう。特に魚に含まれる良質の脂質は炎症を穏やかにする可能性が期待できます。

これらの食材を積極的に取り入れることは、食事全体の栄養バランスを整えるうえでも効果的です。ただし、一度に大量に摂るのではなく、日々の食生活のなかでバランスよく取り入れることが長続きのコツとされています。

食べ方のコツと注意点をじっくり押さえよう

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

今回、これらの食材は「できるだけ食べてほしい」食材として紹介してきました。ただし、痔の症状を改善するためには、これらの食材をただ摂るのではなく、バランスと継続することが何よりも大切です。

便通改善のためには、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を両方バランスよく摂ることがポイントです。また、水分補給も忘れずに行うことで、便通がさらによくなると考えられます。食物繊維を増やすときは、同時に水分をしっかり摂ることを忘れずに!

一方で、刺激の強いもの、辛いものや脂っこい食べ物は、痔の症状が気になる時期には控えめにしたほうが良いでしょう。食べる量や組み合わせを調整し、自分の体調と相談しながら食事を楽しむことが大切です。

また、症状が重い場合や長く続く場合は専門家に相談することも検討してください。食事だけでなく生活習慣全体を見直すことも、快適な日常への一歩になりそうです。

毎日の食事から少しずつ変えていこう

痔は誰にでも起こりうる身近なトラブルですが、食生活を工夫することで症状を和らげられる可能性があります。管理栄養士が「できるだけ食べて」とおすすめする、野菜・果物、発酵食品、良質なたんぱく質をしっかり取り入れながら、1日3食をバランスよく食べることがポイントです。食べることを我慢するより、適切な食材を選ぶことで体の内側からサポートしましょう。

また、食事だけでなくこまめな水分摂取に加えて、生活習慣全体も見直しながら、自分に合ったスタイルを見つけていきましょう。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。