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管理栄養士「できるだけ避けて」 痔が悪化するかもしれない『NGな食材』とは

  • 2025.11.11
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

痔は誰にでも起こりうる身近な悩みの1つです。痛みや不快感が強いと、日常生活に影響を及ぼすこともあります。実は普段の食生活が痔の状態に影響を与える可能性もあり、管理栄養士からは「できるだけ避けたほうがいい」とされる食材もあるそうです。

今回はそんな痔が悪化するかもしれない『NGな食材』について紹介します。

痔の悪化につながるかもしれない食材とは

痔とは、肛門周辺の血管や組織に炎症や腫れが起こる状態の総称で、生活習慣との関連も指摘されています。中でも食生活は、この状態に影響を及ぼす可能性がある要素の1つです。

特に「辛いもの」や「極端に刺激の強い食材」は、肛門周辺の皮膚に刺激を与え、痛みや不快感を助長すると推測されることがあります。具体的には、唐辛子や香辛料の多い料理が挙げられます。辛い食べ物は一時的に胃腸を刺激し、消化管の炎症を招きやすいので、辛味成分を多く含む唐辛子や香辛料のたくさん入った食事は避けたほうがよいでしょう。

さらに脂質の多い揚げ物や高脂肪の食品も、消化に時間がかかり、腸内環境を悪化させて便秘や下痢を招きやすくなります。そうすると、 結果的に排便時の負担が増え、痔を悪化させることにつながる可能性があります。

また、コーヒーなどのカフェインを含む飲料も控えるようにしましょう。カフェインの利尿作用により水分が排出され、腸内が水分不足になり便が硬くなることがあり、便秘を悪化させてしまうことがあります。

最後にアルコール。アルコールには血管を拡張する作用があるため血流が変化し、血液がうっ血して腫れや傷みなどの不快な症状があらわれる可能性があります。

健康的な便通と痔予防につながる食習慣づくりを意識しよう

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

痔はさまざまな原因が絡み合って起こるため、食生活だけで改善や予防ができるわけではありません。しかし、排便時の負担軽減や肛門周辺の皮膚への刺激抑制のために、食生活を見直すことは効果的です。

まずは食物繊維をバランスよく摂ることが推奨されています。食物繊維は便のかさを増やして柔らかくし、腸内環境の改善にも役立つといわれています。野菜、果物、全粒穀物、豆類などを積極的に摂るとよいでしょう。これにより排便がスムーズになり、肛門に深かる負担が軽減される可能性があります。

また、こまめな水分補給も大切です。水分が十分にないと便が硬くなりやすいため、1日に1.5〜2リットル程度の水分摂取が目安とされています。加えて、適度な運動も腸の動きを活発にし、便通改善につながります。食事以外の生活習慣もあわせて整えるとよいでしょう。

より快適な毎日を目指すための食生活を

痔の症状を悪化させやすい食材を知ることは、日々の排便時の体の負担を減らすためのヒントとなります。辛い食べ物が好きな方は少量を適度に楽しみつつ、過剰摂取を控えるのがよいでしょう。また、脂っこい揚げ物や脂質の多い食品も控えめにして、少しでも排便が楽になる食生活を心がけてみてください。

食生活は日々の積み重ねですが、少しの工夫で体の負担を減らすことができるかもしれません。自分に合った無理のない範囲で、快適な毎日を目指してみてはいかがでしょうか。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。