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渋谷で愛された味を、この町で再び。10年ぶりに帰ってきた代官山〈有昌 Astage〉

  • 2025.11.4
渋谷で愛された味を、この町で再び。10年ぶりに帰ってきたシイタケの甘い香り。代官山〈有昌 Astage〉
BRUTUS

10年ぶりに帰ってきたシイタケの甘い香り

昭和45(1970)年創業の〈有昌(ゆうしょう)〉の歴史は、実は12年前に一度潰(つい)えていた。

前身となる店が神宮前で誕生し、後に渋谷・並木橋に移転。名物・しいたけソバを筆頭に、一見どこにでもありそうで、その実さりげなく尖っている数々の料理で人気を博していた名店が、2013年に突然の閉店を余儀なくされたのだ。この時、初代である父・橋本英雄さんからすでにたすきを受け取っていた橋本和雄さんは「必ずもう一回やります」と、常連客への誓いの言葉を扉に貼り出して並木橋を去った。

しいたけソバ
橋本さんが物心ついた時には存在していたという〈有昌〉の永世定番。1週間かけてこっくりと甘く煮込まれたシイタケの味が、食べ進むにつれ澄んだスープに溶け込む。1,100円。

常連客や地元の仲間が足を運びやすいよう、元の場所から遠くないエリアで復活させると心に決めていた。さりとて簡単には見つからず、さまざまな飲食店で働きながらパートナーの敦子さんと二人三脚で物件探しに奔走。円山町の焼き鳥店で間借り営業をしたこともあったが、ただその時が至るのを待った。

肉ネギと甲州塚ノ越オレンジワイン
肉ネギ800円は、しいたけソバのシイタケの煮汁を味つけに使用。八角が香る甘じょっぱい味つけでお酒が進む。“推し”の一杯は、甲州塚ノ越オレンジワイン900円(グラス)。
壁には友人・知人のステッカーがびっしりと
渋谷で育った筋金入りのシティボーイだけに、音楽、ファッションetc.と交友関係は華やか。壁には友人・知人のステッカーがびっしりと。

そして、23年9月。〈有昌〉は蘇った。屋号にひとさじの新味を加え、渋谷に程近い代官山の路地裏に立つ住居風建物の2階に。外階段の下に置いてある「中華麺 有昌」と書かれた立て看板は、かつて並木橋で使われていたもの。〈有昌〉の味を待望した人々への目印だ。

「町中華というジャンル自体が絶滅の危機の時代に、昔のような店をイチからは作れないと思うんです。ここは路面でもないし町中華らしい風情はないけれど、こうでもしないと再出発できなかった」

渋谷の、あの味が帰ってきた。

有昌 Astageの厨房
厨房はさながらコックピット。「狭くて餃子は作れない」そうだが、立地が最優先だった。

Information

有昌 Astage

「Astage(エーステージ)」の“A”は、敦子さんと、敦子さんのご実家(かつての〈有昌〉のお隣!)の薬局の頭文字が由来。カウンター7席のほか、テーブル4席も。テーブルは夜のみ・3名から予約可能。

住所:東京都渋谷区代官山町7-5 ル・キューブ2F
TEL:03-6687-5225
営:11時30分〜14時、17時30分〜22時(水〜土のみ)
休:日曜・月曜

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