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“サヨナラ、ふやける紙ストロー”!「マック」と「スタバ」が見切りをつけたワケ… 2大チェーンを動かした“消費者の声”

  • 2025.10.28

《紙ストロー廃止》2大チェーンの違い

“サヨナラ、ふやける紙ストロー”!「マック」と「スタバ」が見切りをつけたワケ
“サヨナラ、ふやける紙ストロー”!「マック」と「スタバ」が見切りをつけたワケ

「ふやける」「味が変わる」と不評だった紙ストロー。この問題を巡り、2大チェーンの「日本マクドナルド」と「スターバックス コーヒー ジャパン」が、時期は異なれど、廃止という共通の結末を迎えています。しかし、次に両社が選んだのは、ストローを「なくす」か「進化させる」かという真逆の答え。私たちの「飲み心地」はどう変わるのか、両社の戦略を徹底比較します。

日本マクドナルドは、2025年11月19日(水)より、コールドドリンク(紙カップ用)のフタをストローなしで飲めるフタ「ストローレスリッド」に全国で順次切り替えると発表しました。これにより、紙ストローの提供は終了となります。

この決断の最大のメリットは極めて合理的であることです。ストロー自体をなくすため、「ふやける」「紙の匂いがする」といった紙ストロー特有の不満は原理的に発生しません。マクドナルドは、高機能な新素材ストローを開発・調達するコストを回避しつつ、フタに再生PET素材を使用することで、年間約6600トンのバージンプラスチック削減を目指すという、量を重視した環境対策を打ち出しました。手間なく、効率よく、多くの人に商品を提供するファストフードの姿勢が色濃く表れた、大胆な手段と言えるでしょう。

一方、スターバックス コーヒー ジャパンは、2020年1月からプラスチック製ストローを全廃することを発表し段階的に導入していきましたが、その後2025年1月から順次、紙ストローを終了し「生分解性バイオポリマー Green Planet」という新素材を使ったストローへ切り替えることを決定しました。

この新素材は、植物油などを原料に微生物の力で作られる、高価かつ高機能な生分解性バイオポリマーです。耐久性や滑らかさが従来のプラスチックに近いため、顧客が紙ストローに感じていた「飲みにくさ」という不満を解消しました。さらに、海水中でも生分解される海洋生分解性を持ち、製造から廃棄までのCO2排出量も紙より少ないという、最先端の環境技術への投資でもあります。フラペチーノなど、ストローがブランド体験に不可欠なスタバは、「コストをかけてでも、最高の飲用体験を維持する」という哲学を優先。マックが「量」で環境に貢献するのに対し、スタバは「技術」で「質」を高め、顧客満足度と環境配慮の両立を目指したのです。

マクドナルドのストロー廃止は、ネット上で「紙よりはるかにマシ」と歓迎される声が多い一方で、新たな懸念も生んでいます。「氷が邪魔になる」「運転中や小さな子どもには飲みにくい」「マックシェイクはどうなる?」といった利便性への不満は根強く残っています。マクドナルドは合理性と効率を追求し、現時点では“ストローという存在を殺す道”を選びました。しかし、ストローレスリッドの全国展開はまだ始まったばかりです。今後、消費者からの不満が予想以上に高まったり、特定のニーズに応えきれないという声が大きくなれば、再度のストロー供給(高品質な代替品など)を検討する可能性もゼロではありません。

対照的にスターバックスは、コストをかけてでも「ストローの利便性」を維持し、不満を一掃しました。この真逆の戦略は、マックの「効率と合理性」と、スタバの「顧客体験と技術」という、2大チェーンの根本的な経営姿勢を浮き彫りにしました。どちらの企業の理念が長続きするのか、今後も“紙ストロー問題”から目が離せません。

(LASISA編集部)

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