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【丸の内】静嘉堂@丸の内 2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)開催記念「修理後大公開!静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」

  • 2025.10.24

大阪・関西万博開催記念!あの時の万博の出品作が一堂に‼

静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)で開催中の2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)開催記念「修理後大公開!静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」[2025年10月4日(土)~12月21日(日)]を見て来ました。

2025年開催の大阪・関西万博を記念して、これまで各国の博覧会や美術展覧会に出品された岩﨑家(静嘉堂)の重文・国宝、未来の国宝が静嘉堂@丸の内に一堂にそろう展覧会です。※前期後期でほぼ全作品展示替えを行います。

※本展は一部を除き撮影が可能です。携帯電話・スマートフォン・タブレットのカメラは使用できます。フラッシュ、三脚、自撮棒、動画撮影・カメラでの撮影はご遠慮ください。撮影に際しては周りのお客様へのご配慮をお願いします。

1900年のパリ万博から1970年の大阪万博まで、岩﨑家(静嘉堂)と博覧会の関わり

1867(慶應3)年、日本は初めてパリ万国博覧会に参加しました。 岩﨑家(静嘉堂)と博覧会の関わりは1900年のパリ万博から1970年の大阪万博まで明治・大正・昭和にかけて70年に及びます。

昭和11(1936)年、ボストン美術館で開催の日本美術展に出品、重要美術品《山水図(さんすいず)》、重要美術品《麦穂菜花図(ばくすいさいかず)》

伝 周文(しゅうぶん)の重要美術品《山水図》(右)と酒井抱一(さかいほういつ)の重要美術品《麦穂菜花図》(左)です。 昭和11(1936)年、米国ボストンでハーバード大学創立300年記念祝典に際して、ボストン美術館で開催された日本美術展に出品されたそうです。 実行委員長に公爵徳川家達(とくがわいえさと)、顧問に永青文庫設立者・細川護立(ほそかわもりたつ)ら各界の著名人が関わったとのこと。日本からは国宝2件、重要美術品25件を含む6世紀から19世紀の美術品約100点が出品されています。

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出典:リビング東京Web

右から、重要美術品《山水図》 伝 周文 紙本墨画淡彩 一幅 室町時代(15世紀)、重要美術品《麦穂菜花図》 酒井抱一 紙本着色 二幅対 江戸時代(19世紀前半) どちらも(公財)静嘉堂蔵 前期:10月4日(土)~11月9日(日)[/caption]

懐かしの昭和45(1970)年、日本万国博覧会(大阪万博)出品作品、重要文化財《夏景山水図(かけいさんすいず)》

重要文化財《夏景山水図》[陳紹英(ちんしょうえい)](右)と、左側に並ぶ模本「夏景山水図」[横山雲南 黄仲祥(よこやまうんなん おうちゅうしょう)]。奥深い山々にこだまする滝の音に包まれて読書する文人の理想の世界を描いています。

昭和時代を知る年代には懐かしい昭和45(1970)年開催の大阪万博に、財団法人静嘉堂[創立:昭和15(1940)年]として中国絵画・室町水墨画のコレクションから国宝1件、重文4件、重美2件の合計7件を出品しています。大阪万博の総合テーマは『人類の進歩と調和』でした。本作が展示された万国博美術館のテーマ「調和の発見」に相応しい作品です。

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出典:リビング東京Web

右から、重要文化財《夏景山水図》 陳紹英 絹本墨画 一幅 順治10(1653)年、模本「夏景山水図」 横山雲南(黄仲祥) 絖本墨画 一幅 安政5(1858)年、ほか展示風景 すべて(公財)静嘉堂蔵 前期:10月4日(土)~11月9日(日)[/caption]

未来の国宝⁈中国古代の歴史画を巨幅で

中国古代の英雄の苦労話、重要美術品《四傑四景図(しけつしけいず)》

重要美術品《四傑四景図》(謝時臣)。各幅に中国古代の英傑の故事を四字題で示し、年紀と年齢が刻まれた印が捺されているそうです。 中国戦国時代、秦(しん)に対して六国の合従(がっしょう)を成立させた燕(えん)の外交策士・蘇秦(そしん)の「妻不下機(さいふかき)」。漢の高祖・劉邦(りゅうほう)に仕えた大将軍・韓信(かんしん)の「王孫一飯(おうそんいっぱん)」など中国古代で活躍した英雄の苦労話を1幅ごとの絵画にしています。

本作は「仰視と俯瞰の構図、天候と時間の対比」がなされていて、雄大な山水を背景に、表情まで分かる丁寧な人物描写でドラマの一場面を見ているようです。

左側の二幅対の巨幅も中国の歴史的故事を題材にした菊池容斎(きくちようさい)の歴史画です。 どちらも未来の国宝の有力候補⁈でしょうか。

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出典:リビング東京Web

右、重要美術品《四傑四景図》 謝時臣 絹本墨画淡彩 四幅対 嘉靖30(1551)年ほか、展示風景 すべて(公財)静嘉堂蔵 前期後期で展示替えがあります。[/caption]

渡辺崋山(わたなべかざん)と国宝《曜変天目(稲葉天目)》―彌之助(やのすけ)・小彌太(こやた)の静嘉堂

ギャラリー4では静嘉堂の文人画(南画)コレクションから、渡辺崋山の名品と国宝《曜変天目(稲葉天目)》(建窯 南宋時代(12~13世紀) (公財)静嘉堂蔵)の競演です。 田原藩士で文人画家だった渡辺崋山は、主君への忠誠心と日本の未来を見据えた慧眼で「幕末明治の日本人の憧れ」だったそうです。

重要文化財《月下鳴機図(げっかめいきず)》は修理後初公開だそうです。 崋山の作風は、国宝《曜変天目(稲葉天目)》の普遍の輝きと並んでも遜色のない清廉さを感じさせます。

本作と並んで展示されている模本「崋山筆月下鳴機図」幷一絶(もほん かざんひつげっかめいきず ならびにいちぜつ)は、岩﨑小彌太が模写し、松方正義(まつかたまさよし)が詩を添えて双幅としたものだそうです。彌之助・小彌太父子も、松方正義も、明治の日本人として崋山の生き方や精神に共感していた様子が感じられます。

幕末明治の文人スピリッツの繋がりが感じられて未来の国宝の予感…。

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出典:リビング東京Web

左から、模本「崋山筆月下鳴機図」幷一絶 岩﨑小彌太・松方正義 絹本着色(画)/絹本墨書(書) 二幅対、重要文化財《月下鳴機図》 渡辺崋山筆 絹本着色 1幅 江戸時代(19世紀前半)ほか、展示風景 すべて(公財)静嘉堂蔵 前期:10月4日(土)~11月9日(日) ※後期展示は「静嘉堂の国宝―宋元の文物より」期間:11月11日(火)~12月21日(日)[/caption]

三菱二号館から明治生命館、静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)へ

展示室入口のホワイエには「エピローグ 重要文化財・明治生命館で三菱二号館再現フォトモ」として、三菱二号館[設計:ジョサイア・コンドル 明治28(1895)年竣工]の復元フォトモ(糸崎公朗作)が展示されていました。かつて三菱二号館は、静嘉堂@丸の内がある明治生命館[設計:岡田信一郎 昭和9(1934)年竣工]の場所にあったそうです。

静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)の2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)開催記念「修理後大公開!静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」は12月21日(日)まで。 毎週木曜日はトークフリーデーです。お仕事帰りに、お一人でもグループでもお気軽に是非お出かけください。

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出典:リビング東京Web

《タイムスリップ復元フォトモ・三菱二号館と丸の内 明治28(1895)年~令和7(2025)年》 個人蔵 糸崎公朗 令和7(2025)年 通期展示 静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)ホワイエ[/caption]

ミュージアムグッズ

ミュージアムショップは、どなたでもご利用できます。

ミュージアムグッズは、オリジナルドリップコーヒー 国宝「風雨山水図」(白)(1‚980円)、2026年卓上カレンダー(850円)を購入。

オリジナルドリップコーヒーはコクの深さがありながらさっぱりした後味です。風雨のあと晴れ上がり青くかすむ深山幽谷のよう⁈

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出典:リビング東京Web

ミュージアムグッズ 静嘉堂@丸の内[/caption]

〇静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内) URL:https://www.seikado.or.jp/ 住所:〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1F ※美術館入口は、明治安田ヴィレッジ(旧・丸の内MY PLAZA)の1階 TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)

〇2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)開催記念「修理後大公開!静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」 会期:2025年10月4日(土)~12月21日(日)※前後期でほぼ全ての作品入れ替え ※前期:10月4日(土)~11月9日(日)、後期:11月11日(火)~12月21日(日) 休館日:月曜日、11月4日(火)、25日(火)※ただし、11月3日、24日は開館、 開館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)※夜間開館あり*第4水曜日(11月26日)は午後8時まで、12月19日(金)、20日(土)は午後7時まで開館予定 ※入館は閉館の30分前まで ※毎週木曜日はトークフリーデー 会場:静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内(明治生命館1階) 入館料:一般 1,500円※お得な前後期セット券2,500円あり、大高生 1,000円 障がい者手帳をお持ちの方(同伴者1名〈無料〉を含む)700円、中学生以下 無料 ※当日券の販売有。 ※無料チケットをお持ちの方は予約不要 ※国宝《曜変天目(稲葉天目)》は撮影禁止です。画像の無断転載、転送は禁止です。

〇ミュージアムショップ 営業時間:静嘉堂文庫美術館開館時間に準ずる

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