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メキシコの民芸を広めた画家、利根山光人の回顧展が開催中。目利きの郷古隆洋が魅力を語る

  • 2025.10.23
作品を見つめる郷古隆洋

知る人ぞ知るレジェンドが遺したフォークアートの蒐集品も

語る人・郷古隆洋

陶器のオブジェ“生命の樹”や先住民族の仮面など、メキシコのフォークアートが世界中で高い評価を得ています。立役者として有名なのはミッドセンチュリーのデザイナー、アレキサンダー・ジラードですが、僕は、それ以上の功績を残したのが利根山光人さんだと思っているんです。

1959年にメキシコを訪れた利根山さんは、民族の手仕事や古代遺跡の底知れぬエネルギーに惹かれ、名著『メキシコの民芸』を通して、その魅力を広めます。後に岡本太郎らの芸術家たちがメキシコへ目を向け始めますが、道は利根山さんが拓(ひら)いていたんですよね。

今回の大規模回顧展でも、蒐集品(しゅうしゅうひん)の展示が圧巻。カラフルな土人形や陶器からは、人間の根底にある祈りや情感が溢れ出ているし、マヤ・アステカ遺跡の拓本の、実物大のインパクトにも驚かされます。

作品では、赤やオレンジの色彩がほとばしる油絵や、初めてメキシコを旅した際の水彩スケッチが出色。彼が見た町の人々や日常の景色が、当時の感動のままに飛び込んでくるようです。

国内外の祭りを題材にした作品群の躍動感にもぐっときます。人間の原初的な衝動が生み出すものには、国も時代も超えた引力があるんだな、と。

知る人ぞ知る画家とも言える利根山さんですが、いや、本展を見れば、もっともっと評価されるべき人だとわかるはずです。

profile

郷古隆洋

ごうこ・たかひろ/1972年東京都生まれ。2010年〈Swimsuit Department〉設立。世界各国で買い付けたヴィンテージ雑貨や民芸品などを販売するほか、店舗のインテリアコーディネートも手がける。

Information

『自然と魂 利根山光人の旅 異文化にみた畏敬と創造』

油彩約50点、版画約60点、スケッチ約100点など250点以上。11月9日まで、世田谷美術館で開催中。

住所:東京都世田谷区砧公園1-2|地図
TEL:03-3415-6011
休:月曜(祝日の場合は開館、翌日休)
営:10時~18時(入館は17時30分まで)
料金:1,400円
HP:https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00226

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