1. トップ
  2. 恋愛
  3. 死産後「赤ちゃんは?」「バツでした」他人の悪意ない言葉に傷つき「消えたい」<お空に行ったきみ>

死産後「赤ちゃんは?」「バツでした」他人の悪意ない言葉に傷つき「消えたい」<お空に行ったきみ>

  • 2025.10.22

かばのきさんは、娘のこつぶちゃんを育てながら不妊治療に通っています。そして、人工授精の末、待望の第2子を授かりました。
しかし、ある日の妊婦健診で医師から、染色体異常のリスクがあることを告げられます。

初期胎児ドッグという検査の結果、先天性異常の可能性を指摘されますが、絨毛検査前のエコー検査で、おなかの赤ちゃんの心拍が停止していることが判明。

激しい痛みを伴う前処置を乗り越え、赤ちゃんを出産します。

退院してまもなく、赤ちゃんの火葬の日を迎えたかばのきさん。奇跡的に残った小さな骨を持ち帰り、毎朝赤ちゃんの骨壺に挨拶をするのが日課になります。


かばのきさんはどうにか立ち直ろうとしますが、本人が想像していた以上に心の傷は深く、児童館できょうだいを連れたママや妊婦さんを見かけるたびに、嫉妬で心が大荒れ……。抱えきれない強いストレスは涙や過食として表れ、かばのきさんの心を追い詰めるのでした。

※初期胎児ドック…胎児に染色体異常の可能性やその他の身体的疾患がないか調べるためのより精密な超音波検査。

※絨毛検査…胎盤の一部である絨毛を採取して、胎児の染色体や遺伝子の状態を調べる検査。

※不妊治療、死産についての表現があります。苦手な方は閲覧をお控えください。また、医療行為や症状については専門家にお尋ねください。

「消えてしまえないかな」と考える日々

児童館へ通うのがつらくなったかばのきさんは、人気のない公園や広場でこつぶちゃんと過ごすようになります。

そこで再会したのが、おなかに赤ちゃんがいたころに会った保育士さん。
赤ちゃんのことを聞かれ、とっさに「×」とジェスチャーで示したかばのきさんですが、帰宅後に後悔……。

「消えてしまえないかな」とかばのきさんは思うようになってしまったのでした。

▼子を失っても当たり前に訪れる毎日に、かばのきさんの気持ちは追いついていなかったのかもしれません。当時を振り返り、「その人が良かれと思ってかける言葉は、どれもつらかった」というかばのきさん。どんな言葉も、かばのきさんには心を突き刺す針になってしまったのでしょう。
かばのきさんは決して“ひどいママ”ではありません。わが子の旅立ちに対して、真正面から向き合おうとしているかばのきさんだからこそ、思い悩んでしまうのかもしれません。どうか自分で自分を追い込まず、少しでも心穏やかに過ごして欲しいですね。

※グリーフ(悲嘆)について:死産や流産後、これまで通りの日常を送ることや人との関わりに難しさを感じたり、これまでできていたことができなくなる、記憶力や判断力などの低下といった反応が起こることがありますが、これらは「グリーフ(悲嘆)」といって、大切ななにかを失ったときに起こる自然な反応です。心の痛みが和らぐまでに必要な時間も、人それぞれです。つらいと感じたら、一人で抱え込まずにお住いの自治体や専門機関に相談してください。

『#いのちSOS』や『いのちの電話』では、電話、チャットやSNSによる相談に専門の相談員が対応してくれます。まずは、0120-061-338(#いのちSOS)や0120-783-556(いのちの電話)に電話してください。


監修者:助産師 関根直子

筑波大学卒業後、助産師・看護師・保健師免許取得。総合病院、不妊専門病院にて妊娠〜分娩、産後、新生児看護まで産婦人科領域に広く携わる。チャイルドボディセラピスト(ベビーマッサージ)資格あり。現在は産科医院、母子専門訪問看護ステーションにて、入院中だけでなく産後ケアや育児支援に従事。ベビーカレンダーでは、妊娠中や子育て期に寄り添い、分かりやすくためになる記事作りを心がけている。自身も姉妹の母として子育てに奮闘中。


著者:マンガ家・イラストレーター かばのき

ベビーカレンダー編集部

元記事で読む
の記事をもっとみる