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保険金持ち逃げした妹をブロック…母の死で変わった家族の関係性|母親の保険金を持ち逃げした妹

  • 2025.10.22

都内で働くほのか(32歳)は、母の死後、無職の妹まな(29歳)と頑固な父の板挟みに。家族との死別後に起きる、一家の問題について描きます。『母親の保険金を持ち逃げした妹』をごらんください。

警察沙汰を経て、父とまなは実質的に絶縁することに。ほのかは虚無感に襲われるが、この決断は正しいと信じて前を向こうと考えます。

妹と絶縁状態に

ママリ

警察での事情聴取は長く、そして重かった。

父は、暴行を認めたものの、「死ぬと偽って親を呼び出した娘に、感情が抑えられなかった」と供述した。まなは最後まで、「父の長年のモラハラと今日の暴力が原因」と主張し続けた。

私は、父とまなのどちらにも罰則が下されることは望んでいなかったが、このできごとは、私たち家族に決定的な終止符を打った。父とまなは、実質的に絶縁状態となったのだ。

「もう顔も見たくない。二度と関わるな」

父は、まなにそう言い放った。正直、私は「家族って何なんだろう」と、虚無感に襲われている。父と妹を、どうにかして和解させようと、がんじがらめの父と、甘えた妹の間でずっと仲裁役を続けてきた。でも、その結果が、暴行事件と警察沙汰だ。

まったく望んでいなかった、つらい結末

ママリ

「実の家族が、こんな結末を迎えるなんて、思ってもみなかった」

父がまなを殴ったこと、まなが母親の大事な保険金を盗んだこと。どちらも、家族の姿としてはあまりにもみにくい。

最終的に、まなは彼氏の元からも出ていくことになり、弁護士を通じて遺産分割の話し合いが進められている。父は、私が提案した通り、実家の鍵を交換し、まなへの金銭援助を一切打ち切った。これが、法的にも社会的にも、そして私自身の精神衛生上も、最も適切な解決方法だと理解している。

まなは最後まで謝罪の言葉を口にしなかった。代わりに、私宛に憎しみを込めたメッセージを送ってきた。

「お姉ちゃんは私より親の愛情を受けて育ったんだから、私の苦労も悩みも、一生分からない」

私は、そのメッセージを読んだあと、返事をせずに静かにブロックした。

いつかの日を期待して

ママリ

ふと、亡き母のことを考える。

「お母さんは、今、天国から私たちを見て、どんな気持ちでいるんだろう」

きっと、悲しんでいるに違いない。でも、「もう、ほのか。あなたは十分やったよ。あとはあなたの幸せを考えなさい」と、そう言ってくれていたらいいなと思う。

母が遺したお金が結果家族をバラバラにしてしまった。お金の切れ目は縁の切れ目とよく言うが、まさかわが家がこんなことになるなんて。

それから数か月。父は、母を失った悲しみを抱えつつシニア交流会で友人の輪を広げている。今度は料理教室に通うんだとか。母さんの味を再現するから、楽しみしてほしいと言われた。

まなはあれから音信不通である。こんな状況でも、あの子は根っからの悪い子ではないと心のどこかでは思っている。きっと何かしら、自立して生きていく方法を見つけると思う。

それに、まなは後悔もしているはず。この前お墓に行ったら、お花が手向けられていたのだ。母が好きな花だった。知っているのはきっと、私か父か、まなくらいだ。

いつか3人でお墓参りに行けたら…。そんな期待を胸に抱き、私は今日も生きる。

あとがき:そして、それぞれの道

「実の家族が、ここまでクソみたいな結末を迎えるなんて」。ほのかの正直な感想です。しかし、この結末は彼女にとって「終止符」であると同時に、「解放」でもありました。亡き母が遺したお金が、皮肉にも家族をバラバラにしてしまいましたが、それはもともと存在していた亀裂を露呈させたに過ぎません。父は新たな生きがいを見つけ、まなも陰ながら母を想う姿を見せました。血縁という呪縛から解放されたほのかは、初めて自分自身の幸せを考える余裕を得ます。悲劇的な絶縁の先に、いつか和解の可能性を信じ、前を向くほのかの姿で物語は締めくくられます。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています

著者:ゆずプー

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