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全方位隙なしの美しさへ。意外と無防備な“横顔”のビューティーを磨く方法とは?

  • 2025.10.10

実は正面以上に見られているサイドシルエット

他人に撮られたスマートフォンの画像に写った自分の横顔に愕然としたことがある人は多いのではないだろうか。写真を撮るとわかっているときは正面顔でキメて、あごを引き、姿勢も正しているが、撮られる意識のないとき、しかも横顔なんて無防備そのものだ。

ゆるみきったフェイスライン、突き出したあご、丸まった背中……。横顔を含むサイドシルエットには素の印象がにじみ出てしまうのかもしれない。逆に言えば、サイドシルエットがピシッと決まっている人は、それだけで“美しい”と印象づけられるのではないか。

ISABEL MARANT Photo_ gorunway.com
ISABEL MARANT Photo: gorunway.com

数多くの横顔が美しい俳優たちと接してきたメイクアップ・アーティストの松井里加さんはこう語る。「横顔といってもその印象は顔だけじゃなく、首と鎖骨までのラインで決まると思っています。シャープな横顔はまず頬骨とフェイスラインが平行であること。加えてあご下から首筋がスーッと伸び、胸鎖乳突筋が出ていると美しく見えます。

横顔をすっきり見せようとして、つい頬骨の下にシェーディングを入れがちですが、それでは余計に頬骨を強調して、こけた印象に。今っぽいシェーディングは、歯を食いしばったときに張るえら部分を削るように入れるぐらいがちょうどいいです。

現代人はストレスなどで歯を食いしばりがちなのか、すこしいびつにえらが出ている人が多く、このえらをなくすようなシェーディングを入れることでリラックスした美しい雰囲気を演出できます

姿勢が横顔に与える影響

GABRIELA HEARST Photo_ gorunway.com
GABRIELA HEARST Photo: gorunway.com

オートクチュールボディデザインを標榜し、手技のみの施術で全身とフェイシャルのフォルムを整える人気の美容整体サロン「ナチュラルフォルム」のセラピストである大恵彩乃さんもこう語る。「横顔が整うと、自然と顔に陰影が生まれます。シェーディングやハイライトを入れなくても、顔の中央に光が集まり、その人自身が輝いているようなオーラを纏うことができます。そういった意味でも、横顔を整えることは重要だと思いますね。

そのために、ボディは巻き肩や猫背などの悪い姿勢を正し、顔は噛み合わせによる食いしばりなどで凝り固まった部分をほぐすことが重要です。これらは日々、セルフケアを行うだけでも改善していきます。また筋肉は息を吐くときにしなやかさを増すため、体をほぐす際は、呼吸を深くし、しっかり息を吐くことを意識してください」

理想の横顔の指標、Eラインと顔面平面とは?

骨格から考える横顔の美しさについて、美容外科医・形成外科医の室孝明先生にもお話を伺ってみた。「鼻先と下あごの先を結んだ、俗にいうエステティックライン=Eラインは皆さん、わりとご存じですが、それに加えて私たち外科医は〝顔面平面〞というラインを重視します。

VALENTINO Photo_ gorunway.com
VALENTINO Photo: gorunway.com

顔面平面とは、おでこの一番高い部分、鼻の付け根、そしてあごの先を結んだラインのことですが、これがほぼまっすぐでフラット、あるいは中央がやや突出しているのが横顔のシルエットとしては美しいとされていて、そういったバランスが印象に大きく影響します。

また、上顔面、中顔面、下顔面が均等であることも重要ですが、エイジングによって中顔面が下に間延びしていくと、顔が大きく見える、老けて見えるといった問題を引き起こします。これらを総合的に考え、横から見たときのフォルムを微調整するだけでも劇的に印象が変わっていきますよ」

3人のプロフェッショナルの話を聞き、改めていかに〝横顔の美しさ"が重要かに気づいたことだろう。普段、スキンケアやメイクをするときに鏡に映し出されるのは正面の顔のみであるゆえか、なかなか横顔の見え方にまで意識が及ばないのはある意味仕方がないことかもしれない。

しかし、「横顔を整えることで、正面から見た顔すらも美しく変わっていきます」という室先生の言葉に従うと、横顔を整えることが美しさを磨くための近道になるのは間違いなさそうだ。



次回はメイクテクニックで、セルフマッサージによって横顔の美しさを磨く方法をプロの知見とともに紹介。さらに、美容医療で横顔を整える場合の最適な施術と、受ける際の注意点などを詳しく説明する。

話を聞いたのは……

TAKAAKI MURO

室 孝明。美容外科・形成外科ビスポーククリニック 統括院長。数少ない日本美容外科学会認定専門医であり、骨格と肌の構造を熟知した的確な施術テクニックに定評がある。細やかなカウンセリングと確かな審美眼で、バランスの取れたナチュラルな治療を提案。

AYANO OOE

大恵彩乃。健康と美容を同時に追求するサロン「ナチュラルフォルム」のセラピスト。美容整体師歴は7年。「バストまでが顔」をモットーに、顔、バストライン、ボディラインを美しく整える本格的なフェイシャル整体の施術で、多くの顧客から人気を集めている。

RIKA MATSUI

松井里加。メイクアップ・アーティスト。2000年に渡米し、NYを拠点にパリやミラノのコレクションも経験。卓越したスキルとセンス、穏やかな人柄で、俳優やモデル、ファッション&メイク業界から信頼を得ている。スキンケアブランドSELALY代表も務める。

Text: Teruno Taira Editor: Misaki Kawatsu

※『VOGUE JAPAN』2025年11月号「全方位、隙なし。 横顔ビューティー」転載記事。

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