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「身の程を知れ!」vs「キモいと言うな!」… 大炎上した【おぢアタック】とは何だったのか “男女対立” をあおる前に考えたいこと

  • 2025.10.1

SNSで拡散―「年齢差恋愛」論争の実態とは

ネットで大炎上、おぢアタックとは?
ネットで大炎上、おぢアタックとは?

「社会人になって10回以上おぢアタックを受けた。断るのは“爆弾処理班”の気分」――。2025年夏、X(旧ツイッター)に投稿された20代女性のこの投稿が3.5万リポストを記録し、新たなネットスラング「おぢアタック」が一気に注目を集めることとなりました。あなたは「おぢアタック」を見たりされたり目撃したりしたことはありますか?

「おぢアタック」とは、35歳以上の男性が8歳以上年下の女性に対し、自身の魅力を過信して強引にアプローチする行為を指すネットスラング。職場や飲み会、婚活アプリなどで発生しやすく、相手の不快感を無視した“過剰な接近”が特徴とされています。

この言葉が注目されるきっかけとなった同年8月の投稿以降。翌9月にはYahoo!ニュースなどで記事が配信されました。「ほほ笑ましい片思いではなく、恐怖体験」と報じられ、メディア露出が一気に増加しました。

さらにストリーミング配信の婚活番組で結婚相談所のカウンセラーが「男性は年下女性へのおぢアタックを控えるべき」と発言したことが物議を醸し、X上で炎上。「男性差別」との批判が殺到し、番組への釈明要求がトレンド入りする事態となりました。

X上では、多くの女性ユーザーから実体験が投稿されています。「おぢアタックは空気を読まない距離の詰め方が不快。殺意すら芽生える」との声や、「職場で50代男性から毎日LINEで『カワイイね』と送られ、既読スルーしても止まらない」という恐怖体験を共有した投稿は2万件もの“いいね”を獲得しました。

また、「婚活アプリでおぢアタックされ、断ったら『女は若さしか価値がない』と逆ギレされた」との体験談も拡散。女性たちは「相手を人間として尊重せず、まるで作物のように扱う行為」と批判し、自己防衛のために断り方を工夫する苦労を訴えています。

こうした声は特に20~30代女性を中心に支持を集め、「#おぢアタック」のハッシュタグを付けた被害報告が相次いでいます。

一方、男性ユーザーからは強い反発の声も上がっています。

「年齢差恋愛を一律に批判するのは差別」との意見や、「10歳年下の妻と結婚した俺はおぢアタック成功組。努力を嘲笑(わら)うな」との投稿は1万リポストを記録しました。

「女性のいら立ちは(若さやモテへの)嫉妬やマウント欲」などと揶揄(やゆ)する声もあり、「若さを求めるのは生物的本能」「女性が金持ち・イケメンを求めるのと変わらない」などと主張する意見も散見されています。また、男性の一部からは「女性も年上男性にアプローチするケースがあるのに、なぜ男性だけ批判されるのか」との不満も表明され、ジェンダー対立がいっそう顕在化しています。

おぢアタック論争は、年齢やジェンダーに基づく恋愛観の違いを浮き彫りにしました。賛成派は「相手の気持ちを無視したアプローチは加害行為」と訴え、反対派は「恋愛の自由を奪うレッテル貼り」と反論。X上では「身の程を知れ」vs「他者の感情をキモいと言うな」といった対立が続いています。

さらに婚活業界に対しては、この議論を受けて「適切な距離感の教育」を求める声が高まっています。現代社会における根深いジェンダー格差やコミュニケーションの課題を反映していることから、単なるネットスラングを超えた社会問題として今後も議論が続くことも予想されます。

男女どちらかだけではなく双方が、被害者意識に陥ることなく、また相手の心情を十分想像し行動することで、過度な対立を回避できるのかもしれません。

(LASISA編集部)

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