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映画『仕方がない』で見せた表情、イ・ビョンホンがユーモアと残酷さを刻む

  • 2025.10.1

もはや説明の言葉すら不要な名優イ・ビョンホンが、スクリーンの中で自らのすべての顔を刻み込んだ。パク・チャヌク監督の新作映画『仕方がない』でイ・ビョンホンが演じるユ・マンスは、すべてを成し遂げたと思った瞬間に“斧で打ち砕かれ首を刎ねられるような”失職に見舞われ、人生最大の亀裂を経験する人物である。

彼は家族を守るために「3か月以内に再就職する」と固く誓うが、終わりのない面接の不合格に直面する中で、自我の崩壊にも向き合うことになり、物語の始まりから終わりまで劇を牽引していった。

25年間、製紙業界で専門家として働き、妻と2人の子供、愛犬とともに平凡で安定した暮らしを送っていたマンス。しかし、自動化とリストラの波に飲まれ、突然の解雇で日常は崩れ去る。

追い込まれた彼は自分だけの戦争を始め、「仕方がない」という呪文のような言葉で自らを納得させながら、一線を越えた選択を繰り返す。

イ・ビョンホンは視線ひとつで説得力を宿し、ユ・マンスを描き出した。

(写真=CJ ENM)

特に、自らの境遇を悲観し極端な選択に追い込まれる内面や、競争相手を処理していく過程をユーモラスでありながらも残酷に描き出す演技は、彼だからこそ成し得た領域であった。

観客はマンスの八方塞がりの状況に思わず笑いをこぼしつつも、その背後に潜む労働者の現実に深い共感を覚える。

イ・ビョンホンはスラップスティック、言葉遊び、不道徳さと善性がないまぜになったマンスを立体的に構築し、時々刻々と変化する複雑な内面と絡み合った状況を、顔のすべての表情に映し出した。こうして映画史に残る新たなキャラクターを誕生させたのである。

結局、彼はまたしても自らを超えてみせた。“名品の演技”“完璧なキャラクター消化力”“信じて見る俳優”など、もはや新しい形容が見つからないほど、ユ・マンスはイ・ビョンホンそのものだった。

単なるキャラクターを超えて、イ・ビョンホンの真価を証明するもう1つの顔となったのである。

なお、イ・ビョンホンが出演する映画『仕方がない』は9月24日(水)に公開され、現在全国の劇場で大ヒット上映中である。

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